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Ken Yokoyamaが意識する、死と感謝。挫折や抑うつからの生還

Ken Yokoyamaが意識する、死と感謝。挫折や抑うつからの生還

Ken Yokoyama『4Wheels 9Lives』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:横山マサト 編集:矢島由佳子

暗がりから這い上がる「こうなったら何度でも立ち上がってやる」

―改めて、Junさんは今回の健さんの歌詞についてどんなことを感じましたか?

Jun:やっぱりしばらくライブができてないし、ステイホームの時間も長くて、人と関わってないからこういう歌詞になったのかなって。前はもう少し外に対してのメッセージがあったと思うけど、こんなご時世だから「もっと自分を見つめろ」的な歌詞が多くなってる。前までと同じ活動をしてたら、こうはなってなかったんじゃないかなって思います。

横山:なにがこういう歌詞の温度感にさせたのかって、自分でもはっきりとはわかってないんですよね。たしかに、ステイホームをしながら書いた歌詞が多いけど、僕はその時期にそんなに閉塞感を感じてたわけではなくて。もともとちょっと人とは違うサイクルで生活をしてるし、そんなに街にも出ないから、「こんなダラダラした毎日もいいな」くらいに思ってるときもあって(笑)。ただ、世相というか、世の中の閉塞感は感じてたんでしょうね。

左から:Jun Gray、横山健

―パーソナルな心情と世の中の閉塞感と、その両方が合わさって、今作の温度感が生まれたのだと思いますが、『4Wheels 9Lives』というタイトルが象徴するように、それでもこの4人でサバイブしていくんだという、強い決意を感じる作品になったように思います。

横山:途中でも言ったように、タイトルを思いついたのは結構前なので、コロナも含めてこんな状況になってるとは、当時は誰も予想してなかったわけで。なので、このタイトルが世の中や自分たちのことをこういった角度で映し出すものになるとは思ってもみなかったんですけどね。

―そう言えば、なぜ早いタイミングで「9Lives」という言葉が出てきてたんですか?

横山:最初はただの数字遊びだったんですよ。「4Wheels」との組み合わせを考えたときに、「9Lives」はよくサイコビリーとかロカビリーの人がテーマにすることだから、いいんじゃないかなって。

ただ、バンドにとってはやっぱり前回のメンバーチェンジのことがすごく大きくて、Matchanが「僕は1/4を担えない」と言ってやめていったのは、すごく大きな挫折だったんです(当時のインタビュー)。そこから新しいメンバーをどう迎えるのかは、バンドの根本を見直す非常に難しい作業だったんですよね。

―だからこそ、フルアルバムに辿り着くまでにはただでさえ時間を要したし、それ以外にも予想外の出来事が次々に起こって、結果的に5年半という時間を必要としたと。

横山:なので、バンドとしては死の淵から生還したというか。もともと「俺たちどん底まで落ちてもまた戻ってくるぜ」というのは気合いとして持ってたんです。その後に僕が抑うつになって、世の中がコロナになって、バンドが動けなくなるとは予想もしてなかったけど、こうなったら何度でも生き返ってやるっていう。そこがバンドのアティテュードとして大きく響くんじゃないかと思ったんですよね。

横山健

ライブでのモッシュやダイブ、コロナ禍の制限に対する本音と見解

―最後に、6月に開催される『SATANIC CARNIVAL 2021』への出演がアナウンスされて、Ken Yokoyamaとしては約2年ぶりにステージに立つことになります。今のライブに対する想いを聞かせてください。

横山:アルバムを作ってるときはライブのことは考えてなくて、もしライブができないのであれば、さらに次のアルバムに向かえばいいと思ってたんですけど……『Bored? Yeah, Me Too』も含めて、曲がどこにも着地してない気がして、着地させるにはやっぱりライブしかないんですよね。

このアルバムの楽曲も発売されれば誰かの生活に入り込んでいくわけだし、『Bored? Yeah, Me Too』の曲はすでに誰かが人生のサウンドトラックに乗せてくれているかもしれない。でもまだ僕たちはそれを実感できていなくて、誰かにとって大事な曲になってるかどうかは、ライブの現場と、ライブ後のフィードバックで初めてわかることで。なので、今はライブをやりたいと思ってます。

Jun:俺はもともとライブがやりたくてバンドを始めていて、それは昔から一貫して変わってないです。『SATANIC CARNIVAL 2021』は当然感染予防のガイドラインがあって、今までのフェスと同じようにやれるわけじゃないからうちらも探り探りになると思うけど、それは観る側のお客さんも同じだと思うから、そのなかでお互い感じることがあれば、それはそれでオッケーなんじゃないかなって。

Jun Gray

横山:Ken Bandのライブは激しくてメンバーもお客さんも暴れてるイメージがあると思うんですけど、じつは僕、あの光景がマストではないんですよね。あれはあれで美しいと思うけど、モッシュとかダイブがなくてもいいんです。結果としてそういう光景になるのであればそれでいいけど、結果として盛り上がってなくても、それはそれで別にいい。

ただ、規制があるのとないのとでは、同じ「結果盛り上がらなかった」でも意味合いが大きく違うから、本当は規制があるなかではやりたくないんですけど……しかも今回の規制って、「怪我しないように」では済まないですからね。

―誤解のないように補足しておくと、「モッシュとかダイブがなくてもいい」「結果としてそういう光景になるのであればそれでいい」というのは、それこそ途中の“Angel”の話にも通じるように、周りを意識して「みんながモッシュやダイブをしてるから自分もやる」だったらやらなくてもいいけど、自然に体が動いちゃって、モッシュやダイブをやりたくてやるなら、もちろんオッケーということですよね。

横山:そうです、そうです。僕も20代の頃は海外のバンドのモッシュピットに混ざってグチャグチャになって……あのなかで一緒に歌うとなぜか涙が出るんですよね。

―いい方向に転ぶにしろ、悪い方向に転ぶにしろ、一回ライブをやることによって見えるものがきっとあって、それによってその先も決まってくるのかなって。

横山:そうですよね。「この調子でガイドラインのなかでもやっていけるかもしれない」と思うのか、「苦い経験だった」と思うのか、そこはやってみないとわからないですね。

左から:Jun Gray、横山健

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リリース情報

Ken Yokoyama
『4Wheels 9Lives』(CD+DVD)

2021年5月26日(水)発売
価格:3,850円(税込)
PZCA-91

[CD]
1. I'm Going Now , I Love You
2. 4Wheels 9Lives
3. Spark Of My Heart
4. Have Hope
5. Helpless Romantic
6. Cry Baby
7. MyParadise
8. Angel
9. Forever Yours
10. On The Sunny Side Of The Street
11. Without You
12. While I'm Still Around

[DVD]
1. I'm Going Now , I Love You
2. Cry Baby
3. Out Alone
4. Still I Got To Fight
5. Angel
6. Forever Yours
7. Woh Oh
8. Helpless Romantic
9. While I'm Still Around

Ken Yokoyama
『4Wheels 9Lives』(CD)

2021年5月26日(水)発売
価格:2,750円(税込)
PZCA-92

1. I'm Going Now , I Love You
2. 4Wheels 9Lives
3. Spark Of My Heart
4. Have Hope
5. Helpless Romantic
6. Cry Baby
7. MyParadise
8. Angel
9. Forever Yours
10. On The Sunny Side Of The Street
11. Without You
12. While I'm Still Around

イベント情報

『SATANIC CARNIVAL 2021』

2021年6月5日(土)、6日(日)
会場:山梨県 富士急ハイランド・コニファーフォレスト

6月5日出演:
バックドロップシンデレラ
The BONEZ
Dizzy Sunfist
Fear, and Loathing in Las Vegas
マキシマム ザ ホルモン
NAMBA69
Northern19
ROTTENGRAFFTY
SiM
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Survive Said The Prophet
Suspended 4th
WANIMA

6月6日出演:
04 Limited Sazabys
10-FEET
Age Factory
Coldrain
G-FREAK FACTORY
ハルカミライ
HAWAIIAN6
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
MONGOL800
NOISEMAKER
SHADOWS
TOTALFAT
Paledusk(O.A.)

プロフィール

Ken Yokoyama
Ken Yokoyama(けん よこやま)

Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSのギタリストである横山健が2004年に始動させたバンド。2004年、アルバム『The Cost Of My Freedom』でKen Yokoyamaとしてバンド活動を開始。現在のメンバーは横山健(Vo,Gt)、南英紀(Gt)、Jun Gray(Ba)、EKKUN(Dr)。2021年5月26日に7thフルアルバム『4Wheels 9Lives』をリリースする。

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