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『Reborn-Art Festival』の飲食は芸術祭・フェス飯の常識を覆す

『Reborn-Art Festival』の飲食は芸術祭・フェス飯の常識を覆す

『Reborn-Art Festival』
インタビュー・テキスト
矢島由佳子
撮影:関口佳代

音楽フェスの飲食といえば、屋台が並んでいる光景が通例だろう。しかし、昨年石巻で開催された『Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016』は、まったく違った。

今回取材に応じてくれたのは、『Reborn-Art Festival × ap bank fes 2016』、および2017年から本祭としてスタートする『Reborn-Art Festival』のトータルフードコーディネーターを務める目黒浩敬と、開催場所である石巻にて日頃から活動し、本祭にも関わる料理人・松本圭介と今村正輝。

「料理人もアーティストである」と語る彼らは、51日間開催される総合祭に、アートや音楽と並んで関わる意義をどのように考えているのだろうか? 忙しない日々のなかで、慌ただしく食事をする現代人に、石巻の食材と彼らの料理が身体の芯にまで伝えてくれることとは?

リボーンアート・フェスティバル 2017 2017年7月22日(土)―9月10日(日)51日間

感受性が豊かでなければ、人の心を動かせるような料理は作れないんですよ。(目黒)

―まず、「食」を主軸に活動されている目黒さんが、『Reborn-Art Festival』(以下、『RAF』)という芸術祭に関わることになった経緯からお聞かせいただけますか?

目黒:もともと、仙台で「AL FIORE」というイタリア料理店をやっていたんですけど、『RAF』の実行委員長である小林(武史)さんは、そこのお客様だったんです。

僕は、震災後の半年間、店を閉めて炊き出しをやっているなかでいろんなことを考えて、結局、2015年にお店を閉めて農園を拓いたんですね。小林さんは農園にも来てくれて、畑を見ながら「石巻で芸術祭をやるから手伝ってよ」と。そこから模索が始まりました。

目黒浩敬
目黒浩敬

―小林さんからお話をもらったとき、アートや音楽と交わる意義を、目黒さんとしてはどのように考えたのでしょう?

目黒:あんまりジャンルというのは気にしていなくて。僕は昔から、お料理を作る人もアーティストでなきゃいけないと思ってるんです。作品の表現方法が、音楽だったり、芸術だったり、絵だったり、お皿だったり、お料理だったりするだけで……どれもアートで、同じ「作品」として並列だと思っています。だって、お料理を作るうえでインスパイアされるものは、食材とか環境だけではないですから。

―それは音楽だったり芸術だったり、ということですか?

目黒:お料理を作っている最中にノっているリズムって、音楽なんですよ。ノッてこないと動けない。なので、僕はよく新しく入ってくる子にスキップさせるんです。リズム感がない子は、基本ダメですから。

今村:そうですね、たしかに。

左から:松本圭介、今村正輝
左から:松本圭介、今村正輝

目黒:あとやっぱり、絵を見て素晴らしいと思ったり、映画を観て感動したり、そういう感受性が豊かでなければ、人の心を動かせるような料理は作れないんですよ。だから僕は、新しいスタッフに料理は教えないけど(笑)、人としてのところは言う。

松本:たしかに、技術はやっていればつきますからね。気持ちがあることが最優先ですよね。

目黒:それは、アートも音楽も、全部一緒なんじゃないですかね。楽器を弾く技術がすごく上手だったとしても、人がグッと引き込まれる音楽って、また違うじゃないですか。

―普段CINRA.NETでは、音楽やアートの表現者の方の取材をさせてもらうことが多いのですが、その通りだと思います。

目黒:今回、「トータルコーディネーター」という役割を引き受けることになってから、どんな飲食店が石巻にあるのかを知るために、たくさんのお店に食べに行ったんですね。実際、外食が嫌になるくらい食べ歩きました。そんななかで、結局、声をかけるかどうかの決め手になったのは、お料理から見える「人柄」なんです。

お料理って、人を隠せないんですよ。人柄は、お料理を食べればすぐにわかる。本祭に向けて協力していただきたいという気持ちになって、ご縁をいただいたのが、今村さんや松本さんや、他にもたくさんいる方たちで。今村さんは、最初から知っている人みたいな感じがしましたし(笑)。

今村:最初、「お久しぶりです」って言いましたよね、会ったことないのに(笑)。

左から:目黒浩敬、松本圭介、今村正輝

―料理に人柄が出るっていうのは、面白いですね。料理の良し悪しは、単純に「美味しい」だけではない。

目黒:そうです。もののクオリティーだけではないんですよ。そこから感じる雰囲気というか。音楽とかアートの世界でも一緒だと思いますけど、作品って、素直に表現するものですよね。偽ってなにかを作る人はいない。だから、その人の世界観が、そのまま表現されるんです。

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イベント情報

『Reborn-Art Festival』

2017年7月22日(土)~9月10日(日)
会場:宮城県 石巻市(牡鹿半島、市内中心部)、松島湾(塩竈市、東松島市、松島町)、女川町
参加作家:
ヨーゼフ・ボイス
JR
金氏徹平
マイク・ケリー
パルコキノシタ
クー・ジュンガ
ギャレス・ムーア
名和晃平
カールステン・ニコライ
ナムジュン・パイク
マーク・クイン
齋藤陽道
さわひらき
島袋道浩
ルドルフ・シュタイナー
鈴木康広
ヨタ
宮島達男
ハスラー・アキラ
カールステン・ニコライ
Chim↑Pom
コンタクトゴンゾ
デビッド・ハモンズ
有馬かおる
岩井優

青木陵子+伊藤存
増田セバスチャン
SIDECORE
八木隆行
ファブリス・イベール
バリー・マッギー
宮永愛子
田口行弘
カオス*ラウンジ

参加シェフ・生産者:
渡邉篤史(ISOLA)
岩永歩(LE SUCRÉ-COEUR)
楠田裕彦(METZGEREI KUSUDA)
目黒浩敬(AL FIORE)
手島純也(オテル・ド・ヨシノ)
小林寛司(villa AiDA)
藤巻一臣(サローネグループ)
松本圭介(OSPITALITA DA HORI-NO)
今村正輝(四季彩食 いまむら)
奥田政行(アル・ケッチァーノ)
緒方稔(nacrée)
小野寺望(イブキアントール)
堀野真一(OSPITALITA DA HORI-NO)
生江史伸(L'Effervescence)
石井真介(Sincére)
今村太一(シェフズガーデン エコファームアサノ GOEN)
佐藤達矢(nacrée)
安齊朋大(La Selvatica)
成瀬正憲(日知舎)
川手寛康(Florilèges)
菊池博文(もうひとつのdaidokoro)
ジェローム・ワーグ(RichSoil &Co.)
原川慎一郎(RichSoil &Co.)

プロフィール

目黒浩敬(めぐろ ひろたか)

Reborn-Art Festival フードディレクター。AL FIORE(宮城) / 代表。1978年、福島県新地町生まれ。宮城県川崎町在住。2005年に仙台でイタリア料理店「AL FIORE」を開店。同時に食を考えるきっかけ作りとして、数々の食育活動や野外でのワークショップなどを全国で開催。もっと深く食の根源から見つめ直したいとの思いから、就農のため2015年をもって閉店。現在は、ワインづくりのための葡萄栽培をはじめ、自然の中で楽しみながら、食や自然に対して気づきの場になるコミュニティづくりに励んでいる。

松本圭介(まつもと けいすけ)

OSPITALITA DA HORI-NO(石巻) / 料理長。1979年、茨城県生まれ。イタリアマエストロの称号を持つ石崎幸雄のもと、リストランテ・ジャルディーノでイタリア料理を学ぶ。2012年に震災後の仕事で石巻に訪れた際に、石巻の食材や環境、様々な魅力に惹かれ、2015年7月に「OSPITALITA DA HORI-NO」を開店。

今村正輝(いまむら まさてる)

四季彩食 いまむら(石巻) / 料理人。1981年、千葉県生まれ。大学卒業後、世界中を旅して周り、多くの経験と人に出会う。那須や東京で和食の修行をした後、震災のボランティアとして石巻に移住。そこで知り合ったボランティアの仲間たちと2013年4月に「四季彩食 いまむら」開店。

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