写真家トーマス・ルフの個展が2会場で同時開催、火星シリーズの新作や大型作品も

2014.10.01 Wed

トーマス・ルフの個展が、10月4日から東京・銀座のギャラリー小柳と東京・東雲のTOLOT/heuristic SHINONOMEで開催される。

1958年ドイツ生まれのルフは、デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント、ヒラ・ベッヒャー夫妻の指導を受けた写真家。現在もデュッセルドルフを拠点に、写真という媒体が持つ伝統的な概念を再検証しながら、様々な手法を用いた作品を発表している。

ギャラリー小柳で開催される『Thomas Ruff: ma.r.s. and negatives』展では、火星をモチーフにしたシリーズ『ma.r.s.』の新作と、新シリーズ『negatives』を展示。『ma.r.s.』はNASAの火星探査機が捉えた火星表面の画像をもとにした作品シリーズとなり、同展では初めてカラー画像を用いた作品を発表する。ビンテージ写真のネガフィルムを用いたシリーズ『negatives』では、インドのマハラジャをはじめ、静物、肖像など様々な写真を素材にした作品が展示される。

TOLOT/heuristic SHINONOMEで開催される『Thomas Ruff: photograms』では、1920年代にマン・レイやモホイ＝ナジらによって広められた、暗室の中で感光紙の上に物体を配置して感光させる技法「フォトグラム」を発展させた『photograms』シリーズの新作を展示。同シリーズでルフは、フォトグラムの技法を高度にデジタル化させ、伝統的な技法に新たな構図や色相を与えている。同展では4点の大判作品を中心に、会場の巨大な空間を活かした展示内容を予定している。

なお展覧会初日には、各会場で作家が登場するオープニングレセプションが行われる。