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チェルフィッチュ×金氏徹平のコラボ新作舞台は「劇場」&「美術館」で上演

『消しゴム山』メインビジュアル ©Shota Yamauchi
『消しゴム山』メインビジュアル ©Shota Yamauchi

チェルフィッチュと金氏徹平による新作舞台『消しゴム山』が10月5日と6日に京都・ロームシアター京都 サウスホール、『消しゴム森』が2020年2月7日から石川・金沢21世紀美術館でそれぞれ初演される。

これまでも様々な形でコラボレーションを行なってきた岡田利規主宰のチェルフィッチュと美術家の金氏徹平。今回のコラボでは、「映像演劇」を採り入れながら、劇場と美術館それぞれの特性や「ナラティブ」を捉え直し、1つの作品コンセプトを2つの異なる空間で展開する。「映像演劇」とは、岡田が舞台映像デザイナーの山田晋平と共に取り組み始めた新たな形式の演劇で、投影された映像が人の感覚に引き起こす作用によって展示空間を上演空間に変容させる試みだという。

岡田は作、演出、金氏はセノグラフィーを担当。出演者には、青柳いづみ、安藤真理、板橋優里、原田拓哉、矢澤誠、吉田庸、米川幸リオンが名を連ねる。『消しゴム山』のチケットの販売は7月26日11:00からスタート。なお『消しゴム山』は『KYOTO EXPERIMENT 2019』内で上演される。

岡田利規(チェルフィッチュ)のコメント

演劇という制度とか劇場という設備を、その場に集まった観客たちにその日の上演を最大級の強度で届けることを第一に考えて用いる、ということの、一歩先へと進んでいきたい。その場以外にも、そのとき以外にも向けられた上演をしていきたい。
人間のためにだけではない演劇を、つくれるようになっていきたい。人間の人間都合の尺度に対する態度が今よりもっとあっさりしたものになっているような未来が、仮にやってくるとして、そんなときにも演劇は、おそらく機能できる。でもそれは、今のそれとは違う仕方で機能する。その違う仕方というやつを、手探りで見つけていきたい。そのために、てはじめに、モノと人間とが、舞台上にともにあるその仕方がとてもごく普通で、にもかかわらずひとつの驚きでも同時にあるような上演を、つくってみようとおもっている。

金氏徹平のコメント

2011年は僕にとっては演劇と出会った年でもあります。それ以降、時代やその中での出来事の影響もあり、舞台上での物の在り方に多くの可能性を感じてきました。仮想の永遠の現実の中に存在し続ける彫刻に対して、切断された時間や物語の中でだけで存在する舞台美術、それぞれに接続されるものは違ってきます。僕がこれまで取り組んできたのはこの切断と接続の問題であり、物が積み上がる過程と崩壊する過程の両方である状態を作ることです。物事や空間もしくは制度や文脈の境界線を崩し、新たにでたらめで流動的な結界を作ること(最近、僕は自分のこのような作品を「プラスティック・バリケード」と呼ぶことにしています)。
今回、この新作において舞台美術として目指すものは、「タイムマシン」を作るような途方もないことかもしれません。「タイムマシン」もまた切断と接続の装置です。この装置を使って、例えば、物語を構成しない物や人、都市を構成しない構造物(モニュメント、記念碑)、人為の現実と舞台上の自然、完成のイメージを持たない状態での建設工事と未来が見えている状態での建設工事、物がそれぞれに持っている特有の時間やスケール、などについて考えてみたいと思います。ある出来事によって、世界が違ってしまう、違って見えてしまうことがあります。それ以前には無関係だった物に関係を見出すこともあります。そう思うと、現在、目の前にある物には目には見えない過去や未来の複数の関係があり、目には見えない複数の次元をイメージすることができるかもしれません。もしくはイメージするのが人間ではなく、その物たちであったとするとさらに複雑な次元が生じるのではないでしょうか。もはや、そのような次元があるということをイメージすることしかできないかもしれません。今回の作品は劇場で上演されるだけでなく、美術館など、劇場とは違う文脈の空間、時間の流れの中でも展開されます。そこではただ単に場所を変えて上演するのでも、舞台美術が観客と地続きの空間に展示されるだけでもない状態を考えています。物語にとっての過去や未来としての、現実の時間や、そのリアリティが接続されるかもしれません。そのことで「物の演劇」と呼べるような時空を強化することができるのではないかと考えています。

岡田利規 ©宇壽山貴久子
岡田利規 ©宇壽山貴久子
金氏徹平 ©川島小鳥
金氏徹平 ©川島小鳥
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