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今改めて注目される葛飾北斎。その文化を現代技術とともに親しむ

日本皮革デザイン促進委員会
インタビュー・テキスト
阿部美香
編集:宮原朋之
今改めて注目される葛飾北斎。その文化を現代技術とともに親しむ

今なお熱い視線が注がれるポップアーティスト・葛飾北斎

浮世絵師・葛飾北斎は、今でこそ高尚な美術品を生み出した世界的な芸術家として扱われるが、一方、挿絵師として庶民に娯楽を与えるエンターテイメント作家でもあった。未だ総数が把握されていないほど多くの作品を生み、大胆な芸術的視野と庶民的な批評精神を持ちながら、あらゆるメディアで活躍した北斎は、真のポップアーティストといえるかもしれない。

北斎の『冨嶽三十六景』に代表されるダイナミックな構図と躍動感あふれる絵柄は、1867年に開催されたパリ万国博覧会でジャポニズムの筆頭として紹介され、印象派誕生のきっかけにもなったと言われている。その影響は未だ衰えず。2015年5月にはアニメ映画化も果たした杉浦日向子の漫画『百日紅』のモチーフとして、北斎の奇才に触れた人も多いことだろう。

その北斎が、今なお熱い。2016年11月22日には、生涯のほとんどを過ごしたゆかりの地、墨田区に「すみだ北斎美術館」がオープン。アート誌『美術手帖』2016年12月号増刊でもチームラボの猪子寿之、水曜日のカンパネラのコムアイらが登場する葛飾北斎特集が組まれるなど、北斎人気が高まってきている。

そんな北斎の作品を、こだわりの技術と斬新なデザインによる「レザーアイテム」で世界に発信していくプロジェクトが始動した。新たなジャポネスクムーブメントのスタートである。

北斎の名作が現代の技術と出会い、生み出される新しい価値

去る11月8日~11日、日本皮革デザイン促進委員会が開催した「創悦」ブランドの新作レザーコレクションのテーマは、ずばり「葛飾北斎」。高性能インクジェットプリンターを駆使してヌメ革に北斎の名作を細密にプリントし、「現代の浮世絵」を実現する「現代版機械転写×北斎名作」。

「現代版機械転写×北斎名作」
「現代版機械転写×北斎名作」

『冨嶽三十六景』と並ぶ世界的名作『北斎漫画』のコミカルなキャラクターを金属彫刻で起こしてヌメ革に刻印し、「伝統的な浮世絵・版画」の息吹を伝える「焼印×北斎漫画」。

「焼印×北斎漫画」
「焼印×北斎漫画」

京都市の「未来の名匠」にも認定された京都の友禅型紙彫刻師・西村武志が、名画のシルエットを刻みつけた「名匠×北斎名作」。

「名匠×北斎名作」
「名匠×北斎名作」

北斎の描く波や原画プリントをファッションデザインに昇華した洋服コレクションなど、多彩なコンセプトのレザーアイテムが展示された。

この北斎コレクションのデザインも手がけ、日本皮革デザイン促進委員会主幹事を務める株式会社Kuipoの岡田育美によれば、今回のプロジェクトは「2020年開催の東京オリンピックに向けて、日本の伝統文化の素晴らしさを改めて発信する」意義も大きいという。

岡田:日本の皮革加工技術と伝統的なもの作りの腕は、細かなこだわりを追求する品質において、けっして世界にひけをとりません。しかし、ことレザーアイテムは、長く皮革加工の歴史と伝統を持つヨーロッパのメーカーには、ブランド力で負けてしまう。

そこで、世界に通用する日本の素晴らしいコンテンツをファッションアイテムにのせることで、ジャパンレザーの品質の良さと、伝統文化の良さを同時に広めたい。昨年、京都とイタリア・フィレンツェで「琳派」をテーマにした展示会を開き、大変好評を得たこともあって、次はよりポップな「北斎」をテーマにしようと考えました。

海外を視野に入れた日本のアニメ・マンガと通底する北斎コレクション

今回の北斎コレクションは第1弾ということだが、注目すべきはモチーフとなる原画のチョイスだ。「現代版機械転写×北斎名作」のTシャツ風ウェア、帽子、バッグには、『百物語』の妖怪絵「小はだ小平二」と「お岩さん」をセレクト。

「現代版機械転写×北斎名作」のTシャツ風ウェア
「現代版機械転写×北斎名作」のTシャツ風ウェア

『百物語』の妖怪絵「小はだ小平二」と「お岩さん」が帽子に
『百物語』の妖怪絵「小はだ小平二」と「お岩さん」が帽子に

コースターセットやポーチ類、カードケースなどには有名な『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」をはじめ、『北斎漫画』から「百面相」や「魚」、「浮膜巻」が。焼印のシリーズには市井で流行していた踊りを図解した『踊独稽古』といった、今見ても愉快なポップな絵柄がフィーチャーされている。

『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」、『北斎漫画』から「魚」「浮膜巻」のコースターセット
『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」、『北斎漫画』から「魚」「浮膜巻」のコースターセット

『北斎漫画』から「百面相」のコースター"
『北斎漫画』から「百面相」のコースター

岡田:北斎の作品は数が多すぎて、どの絵を選ぶかは大変苦労しましたが、海外を視野に入れたデザインには、高く評価されている日本のアニメ / マンガカルチャーを思わせる北斎のポップさをアピールしました。日本の若者にも、とても可愛く感じてもらえると思います。

このコレクションに使っている、今や日本でも伝統が失われつつある貴重な「植物性タンニンなめしレザー」は、細密な絵をプリントするのに非常に向いている。そのレベルの高さを見ていただきたいです。

「北斎コレクション」は、2016年12月にはイタリア・フェレンツェ、2017年1月にはフランス・パリでも開催が決定している。海外ファッショニスタたちの反応も楽しみだ。さらに国内では、一部作品である『踊独稽古』刻印柄のしおり、マグネットとカップホルダーが、「すみだ北斎美術館」オリジナルグッズとして館内で発売中。「すみだ北斎美術館」を訪れる際は、ぜひ手に取ってみてほしい。

『踊独稽古』刻印柄のヌメ革カップホルダー
『踊独稽古』刻印柄のヌメ革カップホルダー

イベント情報

日本皮革デザイン促進委員会 国内展示会

2016年11月8日(火)~11月10日(木)
会場:東京都 市ヶ谷 株式会社クイーポ1階ロビー

海外展示会

2016年12月
会場:イタリア フェレンツェ

2016年1月
会場:フランス パリ

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