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受賞作品が出揃った『MEC Award 2018 入選作品展』授賞式レポート

SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム『MEC Award 2018 入選作品展』
テキスト
内田伸一
編集:宮原朋之 撮影:瀧岡健太郎
受賞作品が出揃った『MEC Award 2018 入選作品展』授賞式レポート

映像表現を軸としながらもパフォーマンスあり、実食イベントあり、ライブありの多様な受賞式

審査員4名の総評では、まず『トランスフォーマー プライム』『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』などの作品制作で知られるデジタルアニメーションスタジオ、ポリゴン・ピクチュアズの塩田周三代表が登壇した。

塩田:最近はコンテンツが優れているのは大前提で、それをどんな「箱」に入れて届けるかが大切になっています。『MEC Award』は一次審査でコンテンツを、最終審査でそれをどう展示するかを問う点で、時代に合った公募展。その点では、展示でもうひと驚きさせてほしかったというのが正直な感想ですが、『ワタヤ』は完成度の高さが評価されました。

塩田周三(ポリゴン・ピクチュアズ代表)
塩田周三(ポリゴン・ピクチュアズ代表)

続けて、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]や『札幌国際芸術祭2014』、メディアアートフェスティバル『AMIT』などで先見的な仕事を手がけ続けるキュレーターの四方幸子はこうコメントする。

四方:今年は「これを20歳の人がひとりで?」と驚かされたり、パフォーマンスや音楽などボーダーレスに諸要素を使いこなし、コラボする様子に従来からの変化を感じたりもしました。展示においても、大画面でディテールまで伝わるもの、会場に教室を再現したものなど、いずれも良かったです。

四方幸子
四方幸子

四方は入選作品の『群生地放送図鑑』について「インスタレーションをもう少し頑張れたら、と残念な思いもあった」という厳しい意見も。しかし、実はこの作品は彼女が審査過程で特に興味を抱いた作品でもあり、だからこその「これからへの期待を込めた叱咤激励」だったようだ。この後、作者の藤倉と話し込む姿も見られた。

3人目の審査員は、アーティストの森弘治。『恵比寿映像祭』『越後妻有アートトリエンナーレ』『ヴェネツィア・ビエンナーレ国際企画展』などに参加し、『MOTアニュアル2016 キセイノセイキ』展ではディレクション / キュレーションを主導したことでも知られる。

:私も実写を使った映像インスタレーションを作っています。その立場から言えば、『10424』のようにジャーナリスティックな視点とフィクションとしての映像が混ざることで知覚を揺さぶっていくような作品は、いま世界的にも注目されていると思います。また私自身、作家としての第一歩を踏み出すのにすごく苦労しましたが、今回の受賞がひとつのきっかけとなって、みなさんが今後活躍できることを楽しみにしています。

森弘治
森弘治

最後に、Perfumeやビョークとの仕事でも知られ、今年のゲスト審査員を務めた電通CDC / Dentsu Lab Tokyoの菅野薫が登場(特集記事:菅野薫が語る映像の力とは?「本当に起きたこと」に賭ける方法論)。

菅野:広告賞の審査をよくしますが、今回のように、まず純粋に作家さんのやりたいことがあり、そこから今後の可能性にフォーカスする議論は新鮮でした。「なぜこれを作ろうと思ったのだろう?」と思わせる作家さんたちの視点や美学は刺激にもなりました。

受賞を励みに次に進むのも良いし、評価が低いと感じた方は「審査員も古臭いな」「どうすればより評価されたのだろう」と、どちらの方向にせよ自分に問いかけるきっかけにしていただけたらと思います。

菅野薫
菅野薫

なお授賞式会場では、佳作に選ばれた13作品からも『リーゼントさんどこへいく?』の作者、しょーたがパフォーマンスを披露。ナマ歌と奇妙な動きで作品のオフビート感を増幅させるようなステージとなった。また同じく佳作から、佐藤瑠美のAR映像インスタレーション『サーモンちゃんのあじ』の体験コーナーも出現。専用ゴーグルを付けて実物の寿司をつまみ取ると、そこに奇妙な擬人化キャラが現れ、「キャラクターを食べる」という新体験が可能になる。

菅野薫『リーゼントさんどこへいく?』の作者、しょーたがパフォーマンスを披露
菅野薫『リーゼントさんどこへいく?』の作者、しょーたがパフォーマンスを披露

佐藤瑠美のAR映像インスタレーション『サーモンちゃんのあじ』の体験コーナー
佐藤瑠美のAR映像インスタレーション『サーモンちゃんのあじ』の体験コーナー

ラストに登場したのは、入選作『CuBerry』の作者、CuBerryによるライブ。この日はバンド形態で、数曲を映像と共に演奏した。映像表現を軸としたパフォーマンスあり、実食イベントあり、ライブあり。新しい表現者たちによる自由で多彩なイベントが繰り広げられたこの日は、今後の「MEC Awardらしさ」を指し示すもののように感じた。

入選作『CuBerry』の作者、CuBerryによるライブパフォーマンス
入選作『CuBerry』の作者、CuBerryによるライブパフォーマンス

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イベント情報

『MEC Award 2018(Media Explorer Challenge Award 2018)入選作品展』

2018年3月17日(土)~4月8日(日)
会場:埼玉県 川口 SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム
参加作家:
今治建城
CuBerry(河原雪花、小林奏子)
清水はるか
藤倉麻子
渡辺栞
小林颯
平野正和
久保雄基
松島友恵
佐藤洵佑
鷲尾怜
楊秦華
西片例
鈴木隆斗
佐藤瑠美
古本一樹
吉田真也
しょーた

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