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武田俊×長井短がポッドキャストを開始 掘り下げる「文化と社会」

MOTION GALLERY CROSSING
インタビュー・テキスト・編集
タナカヒロシ
武田俊×長井短がポッドキャストを開始 掘り下げる「文化と社会」

入社1年目にブラッド・ピットのCMと阪神・淡路大震災を体験。「プロモーショナルなことに疑問を感じちゃった」(近藤)

長井:私はSDGsを全然知らなかったんですけど、お二人が興味を持ったきっかけは何だったんですか?

近藤:僕はSDGsの専門家っていうわけじゃないんですけど、最初に触れたのは2年くらい前ですかね。当時やっていたLocal.Bizというプロジェクトの関係でちらほら聞くようになって、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)のSDGsをテーマにした蟹江研究室や、環境省による地域とSDGsをテーマにした説明会に行ったんです。

それで聞いてみると、「世界のいろんな問題って、実はつながりあってるよね。でも一個だけ解決すると、他に悪影響を及ぼしちゃうので、全体を見渡して問題解決していこうよ」って。そういうことを国連で決めて共通のゴールを整理することで、みんなで取り組みやすくしたマークみたいなものと思ってはいますね。

近藤ヒデノリ(こんどう ひでのり)<br>1994年に博報堂入社後、CMプランナーを経て、NYU/ICP修士課程で写真と現代美術を学び、9.11を機に復職。近年は「サステナブルクリエイティビティー」を軸に様々な企業・自治体・地域に携わり、2020年に創造性の研究実験機関「UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)」サステナビリティ領域のフィールドディレクターに就任。編共著に『INNOVATION DESIGN-博報堂流、未来の事業のつくりかた』など。「Art of Living」をテーマとした地域共生の家「KYODO HOUSE」主宰。2019年よりグッドデザイン賞審査員。湯道家元で元バックパッカー。
近藤ヒデノリ(こんどう ひでのり)
1994年に博報堂入社後、CMプランナーを経て、NYU/ICP修士課程で写真と現代美術を学び、9.11を機に復職。近年は「サステナブルクリエイティビティー」を軸に様々な企業・自治体・地域に携わり、2020年に創造性の研究実験機関「UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)」サステナビリティ領域のフィールドディレクターに就任。編共著に『INNOVATION DESIGN-博報堂流、未来の事業のつくりかた』など。「Art of Living」をテーマとした地域共生の家「KYODO HOUSE」主宰。2019年よりグッドデザイン賞審査員。湯道家元で元バックパッカー。

武田:近藤さんは広告代理店でお仕事をされてきて、ビジネスとクリエイティブの結びつきに、いろいろお考えがあったと思うのですが、SDGsを知られたことをきっかけに、かなり能動的にコミットされてきたじゃないですか。どういう部分に自分が携わっていこうと思ったんでしょう?

近藤:もともとは、広告会社に勤めて入社1年目に「俺はCMプランナーとして、CM作るんだ!」ってワクワクしていたんです。でも、上司に元バックパッカーだと言ったら、関西に飛ばされて(笑)、西宮に住んでいたら、阪神・淡路大震災が起きたんですよ。家の真ん前の電柱とかも全部倒れちゃって、まさに緊急事態。そんな最中に仕事ではブラッド・ピットなど外タレが出るCMをつくっていて…。入社1年目で、そうした商業的なものと、人が生きたり死んだりすることを同時に経験して、商業的なことに疑問を感じちゃったんです。

そんなことがスタートにあったので、それから休職してNYに留学したりしながら、「自分は一人のクリエイターとして社会に何ができるんだろう?」って、ずっと考え続けてきたんですよね。だから(自分のなかで)SDGsに関わり始めたのは2年前くらいですけど、単にモノを売る広告を作ることにはあまり意味がないことには、入社してすぐ気づいてたので。そこからは広告業界のなかで何ができるのか、あるいは辞めようかなとか、常に考えながら、二足のわらじを履いたり、三足のわらじを履いたりしながら、いまだに会社にいるとは思いもしませんでした。

10年前くらいにも、コカ・コーラさんで「い・ろ・は・す」という水があって、当時はペットボトルを軽くするということで、「1・2・3で世界は変えられる」というキャンペーンをやって、ペットボトルの軽量化による環境を争点にして、売上の一部を水源を守るNPOに還元するなどやってきて、ソーシャルとかサステナブルを軸にしたブランドをサポートしてきたんですね。

あとは芸術祭やアートアワードなど、アートや文化にまつわるブランディングやプロモーションをずっとしてきたので、そういう意味ではSDGsっていうマークができて、これは便利なツールだなと思って。新しいものというよりも、ようやくこういう世界共通の目標ができたのなら、使えばいいなと思ったんです。いま、企業も、政府も、地域もそれを使って動き始めているので、SDGsのいい部分と足りない部分を見極めながら、僕は自分のできること、クリエイティブなことを中心に、そうしたテーマを楽しい、ワクワクするものにできればと思っています。

持続可能性は「『きれいごとだよな』みたいな感じで、自分がそれをモロにやるっていうふうには思えなかった」(近藤)

武田:入社直後に華やかな広告代理店の業務を横に見ながら、目の前では生活空間が震災で大変なことに。そのジレンマや違和感、その後の留学、あるいは大企業でのプロモーションに携わっていかれたときの問題意識が、もともとお持ちだった価値観と重なって、SDGsというバッジにピタッとハマったということなんですか?

近藤:そうですね。こういう持続可能性とか環境問題って、なかなかしっくりと自分ごとにはならなくて。やっぱり僕はアートやカルチャーとか、クリエイティブなことが大好きだったので、「きれいごとだよな」みたいな感じで、自分がそれをモロにやるっていうふうには、なかなか思えなかったんです。

そんな中できっかけの一つは、パタゴニアさんの「ツール会議」という場に講師として呼んでもらったときに、全国のNPO団体と気候変動の問題やその解決策を考える機会があって、様々な専門家から気候変動や環境問題が本当にいま、大変なことになってることを聞いて、スイッチが入った感じはありましたね。

そのあと「UNIVERSITY of CREATIVITY」(博報堂が運営する創造性の研究実験機関)の開校に向けて、プログラムを考えるなかで調べていくうちに、気候変動や生態系の問題の深刻さにますます気づいて。そうこうしているうちに台風19号が来たり、うちは東京で「エアコンのいらない家」を建てたんですけど、去年などはさすがに暑すぎて、これはちょっとエアコンなしではヤバいなと。それで僕らに、UoCで何ができるんだろうって、頭ぐるぐるしながら、みんなで考えるみたいな。そんな感じです、いまは。

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番組情報

『MOTION GALLERY CROSSING』
『MOTION GALLERY CROSSING』

編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が「これからの文化と社会のはなし」をゲストとともに掘り下げていく、クラウドファンディングサイト「Motion Gallery」によるポッドキャスト番組。毎月テーマに沿ったゲストトークが行なわれるほか、「Motion Gallery」で進行中の注目プロジェクトも紹介。東京・九段下の登録有形文化財「九段ハウス」で収録され、毎週水曜に最新回が公開されている。

プロフィール

武田俊(たけだ しゅん)

1986年、名古屋市生まれ。編集者、メディアリサーチャー。株式会社まちづクリエイティブ・チーフエディター。BONUS TRACK・チーフエディター。法政大学文学部兼任講師。大学在学中にインディペンデントマガジン『界遊』を創刊。編集者・ライターとして活動を始める。2011年、代表としてメディアプロダクション・KAI-YOU,LLC.を設立。2014年、同社退社以降『TOweb』『ROOMIE』『lute』などカルチャー・ライフスタイル領域のWebマガジンにて編集長を歴任。2019年より、JFN「ON THE PLANET」月曜パーソナリティを担当。メディア研究とその実践を主とし、様々な企業のメディアを活用したプロジェクトに関わる。

長井短(ながい みじか)

1993年生まれ、東京都出身。「演劇モデル」と称し、雑誌、舞台、バラエティ番組、テレビドラマ、映画など幅広く活躍する。読者と同じ目線で感情を丁寧に綴りながらもパンチが効いた文章も人気があり、様々な媒体に寄稿。近年の主な出演作品として『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』『真夏の少年~19452020』『家売る女の逆襲』、舞台KERA×CROSS第二弾『グッドバイ』、今泉力哉と玉田企画『街の下で』、映画『あの日々の話』『耳を腐らせるほどの愛』などがある。執筆業では恋愛メディアAMにて『内緒にしといて』、yom yomにて『友達なんて100人もいらない』、幻冬舎プラスにて『キリ番踏んだら私のターン』を連載。2020年に初の著書『内緒にしといて』(晶文社)上梓。

近藤ヒデノリ(こんどう ひでのり)

1994年に博報堂入社後、CMプランナーを経て、NYU/ICP修士課程で写真と現代美術を学び、9.11を機に復職。近年は「サステナブルクリエイティビティー」を軸に様々な企業・自治体・地域に携わり、2020年に創造性の研究実験機関「UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)」サステナビリティ領域のフィールドディレクターに就任。編共著に『INNOVATION DESIGN-博報堂流、未来の事業のつくりかた』など。「Art of Living」をテーマとした地域共生の家「KYODO HOUSE」主宰。2019年よりグッドデザイン賞審査員。湯道家元で元バックパッカー。

長谷川ミラ(はせがわ みら)

1997年7月7日生まれ。南アフリカ人の父と日本人の母を持つ。13歳より芸能活動を開始し、主にモデルとして活躍。2017年より自身のブランド『JAMESIE』を立ち上げ、2018年にはロンドンの芸術大学「セントラル・セント・マーチンズ」に入学。現地でファッションに関連する環境問題やフェミニズムへの興味を深め、各種メディアや自身のSNSを通じて積極的に発信。2020年4月からはネスレ「キットカット」公式YouTubeチャンネルで、環境問題をテーマに全国各地を取材。2020年10月からはJ-WAVE『START LINE』ナビゲーターも務めている。

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