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武田俊×長井短がポッドキャストを開始 掘り下げる「文化と社会」

MOTION GALLERY CROSSING
インタビュー・テキスト・編集
タナカヒロシ
武田俊×長井短がポッドキャストを開始 掘り下げる「文化と社会」

留学先で「自分の国のことについて知らない恥ずかしさで、いろいろ調べていったらSDGsが出てきた」(長谷川)

武田:お二人の取組みの中からの具体的な部分も、ぜひ教えていただきたいと思います。長谷川さんがSDGsに興味を持ったきっかけは?

長谷川ミラ(はせがわ みら)<br>1997年7月7日生まれ。南アフリカ人の父と日本人の母を持つ。13歳より芸能活動を開始し、主にモデルとして活躍。2017年より自身のブランド『JAMESIE』を立ち上げ、2018年にはロンドンの芸術大学「セントラル・セント・マーチンズ」に入学。現地でファッションに関連する環境問題やフェミニズムへの興味を深め、各種メディアや自身のSNSを通じて積極的に発信。2020年4月からはネスレ「キットカット」公式YouTubeチャンネルで、環境問題をテーマに全国各地を取材。2020年10月からはJ-WAVE『START LINE』ナビゲーターも務めている。
長谷川ミラ(はせがわ みら)
1997年7月7日生まれ。南アフリカ人の父と日本人の母を持つ。13歳より芸能活動を開始し、主にモデルとして活躍。2017年より自身のブランド『JAMESIE』を立ち上げ、2018年にはロンドンの芸術大学「セントラル・セント・マーチンズ」に入学。現地でファッションに関連する環境問題やフェミニズムへの興味を深め、各種メディアや自身のSNSを通じて積極的に発信。2020年4月からはネスレ「キットカット」公式YouTubeチャンネルで、環境問題をテーマに全国各地を取材。2020年10月からはJ-WAVE『START LINE』ナビゲーターも務めている。

長谷川:私も2~3年ほど前なんですけど、ロンドンにあるセントラル・セント・マーチンズ美術大学に通っていたときに、イギリスでは当時からレジ袋税があって、学生の私からしたら毎回そこに10円を払うのはもったいないなと思っていんですけど、それでも袋がないっていうときはあるじゃないですか。でも、横を見たら、おばちゃんがルイ・ヴィトンの大きいバッグにバーッて野菜を入れてたり、おじさんが手にいっぱい野菜やお肉を持って出ていったりする様子を見て、袋って必要であればもらえばいいし、必要ないときにはもらうものじゃないよなって、そういう実体験があったんです。

学校でもプロジェクトにどんどん取り組むみたいなことを繰り返していたんですけど、基本的にファッションっていうのが、そのときの社会問題を照らし合わせることが、すごく多くて。たとえば最近だと、ディオールが男女平等を謳いたいと思ったときに、フェンシングの衣装は男女一緒だから、フェンシングの衣装をもとにコレクションを作ろうとか。そういうリサーチの仕方を学ぶ学校だったんです。

それでクラスメイトとディスカッションをするなかで、45%が海外勢だったので、イギリス人だけじゃなくて、アジアのいろんなところ、ヨーロッパのいろんなところ、アフリカの子もいたし、中東の子もいたし、情報がすごかったんです。あと、たとえば「ディオールはこういうのやってるけど、ミラは何やる? 日本ではどうなの?」って言われたときに、(日本では)まわりと比べたら知ってるほうだと思っていたんですけど、たとえばジェンダーギャップのランキングが日本は低いといったところで、私にはその解決方法とか、なんで低いのかとか、どういう作用でそういう事実が起きてしまっているのかみたいなところまで答えられなくて。

それに対してクラスメイトたちは、どんどん答えているわけですよ。そこでレベルの差というか、自分の国のことについて知らない恥ずかしさで、いろいろ調べていったらSDGsっていう言葉が出てきて。たとえば、男女平等だったり、教育の話だったり、海洋ゴミ問題とか、そういうのもSDGsの目標に当てはまるじゃん! っていう感じで知ったんですよね。

私もSDGs(で定められた)17ゴール全然覚えてないくらいで。日本ではこうして取り扱っていただけてますけど、私のいまの知識レベルって、ヨーロッパに戻ったら一般人と同じなので。日本の同世代の子とかが、そのくらいの知識量は最低限持っておいたほうがよくない? っていうのを伝えていきたくて、メッセージを発信させてもらっているんです。

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武田:なるほど。長井さん、ここまでどうです?

長井:字面だと小難しい話としか伝わってこなかったんですけど、こうやってきっかけから教えてもらえると、私もここを入口にしたら考えられそうって想像できるようになってくるので、とってもありがたい時間です。

「報道番組にCMがついていることで、その企業の悪いことは報道できない」(長谷川)

武田:お二人のお話を聞いていると、共通しているのが、そもそもSDGsにフルコミットというよりは、これまで自分が携わっていた仕事や学んできたことが、どうやらSDGsの17個のゴールのどれかにマッチする部分があるよね、という感じがします。であれば、それをタグのように扱い、自身の活動とひもづけて、いろんな人と会話ができる。そういうタグのようなものとして、このSDGsは活用できるかもしれません。

もう一つお二人に共通するのが、海外への留学経験。日本国外の大学に行かれたことで受けた影響というのもあるかもしれません。このSDGs、国内では「なんか環境とかの大事なやつでしょ?」くらいの認知はされていると思うのですが、お二人が海外で活発な議論をしたようなレベルの会話は、目に見える形では、まだあまりないのかなと。少なくともぼくの生活実感からは、そう想像できます。だとしたら、この諸外国とのギャップは、どういうところから生まれていると思われます?

長谷川:こういうメディアとかじゃないですかね。ちょっと踏み込んだことを言うと、報道番組にCMがついていることで、その企業の悪いことは報道できないから、そういう部分が日本はあるなって。あとは芸能人さんだったり、表に出る方の発言の少なさが、広告とかにも影響してきているっていうのは間違いなく思っていて。

やっぱりクライアントが強すぎるから、芸能人さんが言わない。海外だとアメリカ大統領選とかは、たとえばハリウッドセレブが投票期間中に「私の今日のメイクはこれです」とかインスタに載せると、それが炎上するんですよ。「何やってんの? いま大統領選中でしょ。あなたは影響力があるんだから、もっとそういうポストをしなさいよ」みたいな。

近藤:まったく逆ですよね、日本と。

長谷川:日本は「なんでそういうことに介入するんだ、言うな」みたいな、それが要因なんじゃないかなって。いままでは消費者のせい、企業のせい、国のせいだとかって思っていたんですけど、それぞれ取材していって最近思うのは、メディアや表に出る人なんじゃないかなって。

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「企業は明確にノーとか言わないんですけど、自主規制しちゃう」(近藤)

武田:確かに真逆ですよね。近藤さんは広告やメディアに携わるお仕事ですけど、いまの話はどう聞こえます?

近藤:まったく同感ですね。

長谷川:よかった(笑)。

近藤:メディアの責任が相当大きいと思いますね。別に、企業が明確にノーと言うわけじゃないんですけど、メディアが自主規制しちゃうんですよね。あと、いまSNSだと、すぐに叩かれちゃうじゃないですか。この間もモデルの方が環境問題についてしゃべったら、「じゃあ、お前は自給自足生活するのか」とか、極端なバッシングに合う。そうするとやっぱり嫌ですよね。あと、選挙中に日本のメディアは選挙のこと自体、満足に放送しなかったりしますよね。

長谷川:選挙後とかに放送されますよね。

近藤:そうそう、本当にひどい。よしもと芸人もSDGsの取り組みなどやってますけど、ゴールデンの時間帯に選挙期間中でさえ、全然関係ないことをやってたり。一方で飢餓やフードロスが問題となるなかで、いまだに大食い番組などもバンバンやってて、海外だったら、すぐに叩かれると思うんですけど、そういうのが平気でやってる。ほんと、しょうもないテレビ番組がいっぱいありすぎて。

そうした遠因にあるのは、日本が豊かだからと思うんですよね。安くておいしいものがたくさん食べられるし、家賃もサンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドンとかに比べると全然安い。だから、あまり難しいことを考えなくても、そこそこ暮らせる。だから、権力を持つ側も国民に政治や本質的なことを考えさせないように、適当に娯楽を与えておく方がコントロールしやすくて都合よいというところもあるのかなって。

長谷川:考えさせないってことですよね。

近藤:なんか、エンタメだけ楽しむバカにしておいたほうがいいんじゃないかっていう。

左上から:武田俊、長井短、近藤ヒデノリ、長谷川ミラ
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番組情報

『MOTION GALLERY CROSSING』
『MOTION GALLERY CROSSING』

編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が「これからの文化と社会のはなし」をゲストとともに掘り下げていく、クラウドファンディングサイト「Motion Gallery」によるポッドキャスト番組。毎月テーマに沿ったゲストトークが行なわれるほか、「Motion Gallery」で進行中の注目プロジェクトも紹介。東京・九段下の登録有形文化財「九段ハウス」で収録され、毎週水曜に最新回が公開されている。

プロフィール

武田俊(たけだ しゅん)

1986年、名古屋市生まれ。編集者、メディアリサーチャー。株式会社まちづクリエイティブ・チーフエディター。BONUS TRACK・チーフエディター。法政大学文学部兼任講師。大学在学中にインディペンデントマガジン『界遊』を創刊。編集者・ライターとして活動を始める。2011年、代表としてメディアプロダクション・KAI-YOU,LLC.を設立。2014年、同社退社以降『TOweb』『ROOMIE』『lute』などカルチャー・ライフスタイル領域のWebマガジンにて編集長を歴任。2019年より、JFN「ON THE PLANET」月曜パーソナリティを担当。メディア研究とその実践を主とし、様々な企業のメディアを活用したプロジェクトに関わる。

長井短(ながい みじか)

1993年生まれ、東京都出身。「演劇モデル」と称し、雑誌、舞台、バラエティ番組、テレビドラマ、映画など幅広く活躍する。読者と同じ目線で感情を丁寧に綴りながらもパンチが効いた文章も人気があり、様々な媒体に寄稿。近年の主な出演作品として『書けないッ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』『真夏の少年~19452020』『家売る女の逆襲』、舞台KERA×CROSS第二弾『グッドバイ』、今泉力哉と玉田企画『街の下で』、映画『あの日々の話』『耳を腐らせるほどの愛』などがある。執筆業では恋愛メディアAMにて『内緒にしといて』、yom yomにて『友達なんて100人もいらない』、幻冬舎プラスにて『キリ番踏んだら私のターン』を連載。2020年に初の著書『内緒にしといて』(晶文社)上梓。

近藤ヒデノリ(こんどう ひでのり)

1994年に博報堂入社後、CMプランナーを経て、NYU/ICP修士課程で写真と現代美術を学び、9.11を機に復職。近年は「サステナブルクリエイティビティー」を軸に様々な企業・自治体・地域に携わり、2020年に創造性の研究実験機関「UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)」サステナビリティ領域のフィールドディレクターに就任。編共著に『INNOVATION DESIGN-博報堂流、未来の事業のつくりかた』など。「Art of Living」をテーマとした地域共生の家「KYODO HOUSE」主宰。2019年よりグッドデザイン賞審査員。湯道家元で元バックパッカー。

長谷川ミラ(はせがわ みら)

1997年7月7日生まれ。南アフリカ人の父と日本人の母を持つ。13歳より芸能活動を開始し、主にモデルとして活躍。2017年より自身のブランド『JAMESIE』を立ち上げ、2018年にはロンドンの芸術大学「セントラル・セント・マーチンズ」に入学。現地でファッションに関連する環境問題やフェミニズムへの興味を深め、各種メディアや自身のSNSを通じて積極的に発信。2020年4月からはネスレ「キットカット」公式YouTubeチャンネルで、環境問題をテーマに全国各地を取材。2020年10月からはJ-WAVE『START LINE』ナビゲーターも務めている。

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