レビュー

原作無視のコラボレーションで名を上げたFROGMANが、架空のテレビ局で名作アニメをぶち壊す!?

萩原雄太
2014/02/18
原作無視のコラボレーションで名を上げたFROGMANが、架空のテレビ局で名作アニメをぶち壊す!?

『秘密結社鷹の爪』や『古墳GALのコフィー』で一躍Flashアニメ界に旋風を巻き起こしたアニメクリエイター・FROGMAN。その活動はパソコンのディスプレイを飛び越え、テレビアニメや劇場用映画、広告画像などさまざまなジャンルにまたがっている。まさに、ネット発クリエイターの代表格といえるだろう。そんな彼が、インターネット上で、新作アニメ『チャンネル5.5』を発表している。

「アナログ放送のチャンネルの5と6を同時に押すと映る」という設定の放送局「チャンネル5.5」を舞台に、シュールなキャラクターたちが、ドタバタコメディを繰り広げる本作。声優にはFROGMAN作品にはお馴染みの相沢舞や『進撃の巨人』『魔法先生ネギま!』などで知られる小林ゆう、女優の逢沢りならを起用しているほか、『秘密結社鷹の爪』などと同様、FROGMAN自ら声を吹き込んでいる。

この「テレビ局」で放送されるコンテンツの1つが、FROGMANによる名作推理マンガ『金田一少年の事件簿』のリメイク作品。これまでにも、『週刊シマコー』で大怪獣になった島耕作を描いたり、モンキー・パンチも認めた『ルパンしゃんしぇい』や、『となりの天才ヴァカボン』など、「コラボ」の大義名分を後ろ盾にして原作を壊し続けてきたFROGMAN。今回は、いったいどんな内容になるのだろうか?

『チャンネル5.5』より ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社
『チャンネル5.5』より ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社

『チャンネル5.5』より ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社
『チャンネル5.5』より ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社

「ファンの方も爆笑できるようなぶっ壊し方にしていきたいですね。1話目はやや落ち着いて、原型がわかる範囲にとどめていますが、2話目以降は飛ばしすぎて原型もわからない。かすかに『じっちゃん』と言ったかな……というくらいです(苦笑)」(FROGMAN)

と、意気込みは十分。ちなみに先日「飛ばしすぎた」という2話目にあたる最新話『金田一少年のお部屋探し』が公開されたばかり。どんな内容になっているのか、是非その目で確かめてほしい。今後「チャンネル5.5」では『金田一少年の事件簿』の他にも、数々の名作アニメとのコラボが予定されているとのことで、今後の展開が楽しみだ。



ところで、本作のスポンサーとなっているのが、大塚製薬の「カロリーメイト」。1983年の発売から30周年を迎え、累計販売個数は34億個(全アイテム総数2013年12月末時点)を誇る大塚製薬の看板商品。一方のFROGMANは、少年時代に桑原茂一や小林克也、伊武雅刀らが制作していた伝説のラジオ番組『スネークマンショー』の薫陶を受けて育ったクリエイター。老舗ブランドと異端アニメクリエイターという組み合わせは、ちょっと「美女と野獣」過ぎるのではないだろうか?

「ブランドのネームバリューに落ち着かず、新しい挑戦をしていくため、FROGMANさんに協力をお願いしました。今の時代、こちら側の伝えたいことだけを一方的にPRしても耳を傾けてもらえません。アニメでいじってもらいながら、カロリーメイトを身近に感じていただき、特徴なども少しずつ皆さんにお伝えできればと思います」(大塚製薬 仲尾氏)

これまでにも、俳優の荒川良々を起用した「イエローマン2010」キャンペーンでは、まだ現在ほど一般化していなかったTwitterをいち早く使用し、テレビCMとの連動を図っていたカロリーメイト。老舗の看板に甘んじることなく、常に新たな形での宣伝方法を模索しているようだ。しかし、FROGMANとのコラボは、さまざまなリスクをもはらんでいそうだが……。

『チャンネル5.5』より ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社
『チャンネル5.5』より ©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや/講談社

「カロリーメイトさんも、僕に作品を作らせるということは、『何をされても文句はない』という理解でいいんですよね?」(FROGMAN)

と、不敵な笑みを浮かべるFROGMAN。はたして、彼のシュールなセンスで、カロリーメイトの「バランスのよさ」と、どんな化学反応を起こすのか? それとも、あまりに過激な内容にストップがかけられてしまうのか? ある意味、大塚製薬という大企業の「懐の深さ」が試されているキャンペーンだとも言えるだろう。

関連リンク

『チャンネル5.5』

プロフィール

FROGMAN(ふろっぐまん)

1971年、東京都出身。映画やドラマの制作スタッフとして十数年のキャリアを積んだ後、島根県へ移住し「蛙男商会」名義で個人制作のFlashアニメを発表するや、エッジの効いた作風と制作手法が瞬く間に口コミで話題になる。テレビ・CM・映画など、分野を問わず次々に新作を世に送り出している。

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