ロイ・アンダーソン
1943年、スウェーデン・ヨーテボリ生まれ。スウェーデン・フィルム・インスティチュートで文学と映画の学位を取得。少年少女の恋のめざめを瑞々しく描いた初の長編映画『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』(70)が、ベルリン国際映画祭で4つの賞に輝き、世界的な成功をおさめた。続く長編2作目の「ギリアップ」(75)も、カンヌ国際映画祭監督週間に出品。映画界で躍進する一方、75年にはCMディレクターとしてのキャリアをスタート。世界最大級の広告賞カンヌライオンズでゴールドライオンを8度獲得、CM界にもその名を轟かせる。81年、自由に映画をプロデュース・制作するため、自身のプロダクション“Studio 24”をストックホルムに設立し、独自のユニークな映画制作スタイルを発展させる。その後、長編3作目『散歩する惑星』(00)が、カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝き、大きな注目を集める。続く長編4作目『愛おしき隣人』(07)も同映画祭ある視点部門に出品、スウェーデン・アカデミー賞で作品賞含む主要賞を獲得するなど、名実ともにスウェーデンを代表する巨匠として不動の地位を確立。この2作で、固定ショット、綿密に構想された絵画的なシーン、不条理コメディ、そして本質的なヒューマニティを特徴とするスタイルが確立された。09年には、ニューヨーク近代美術館(MoMA)でレトロスペクティブが開催され、映画だけではなくCMの上映も行われた。長編5作目『さよなら、人類』(14)は、数々の話題作を抑えヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を受賞。『散歩する惑星』『愛おしき隣人』から続いた“リビング・トリロジー”(人間についての3部作)が、同作の発表により15年かけて完結した。長編6作目となる最新作『ホモ・サピエンスの涙』(19)は、ヴェネチア国際映画祭にてプレミア上映され、見事、銀獅子賞(最優秀監督賞)に輝いた。
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何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)
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