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broken hazeインタビュー
国内外の有名アーティストも多数参加の注目アルバム『raid system』をリリースしたbroken haze。エレクトロニカやHIP-HOPを吸収した独自のトラックメイキングで知られる彼が、最新作では耳触りのいいメロディーを巧みに取り込み、幅広いリスナー層から賞賛されている。最新作を作るにあたって、彼にどんな心境の変化があったのか。『raid system』と名付けられた最新作について、お話を伺った。
(インタビュー&テキスト:柏井万作)
鋭利で攻撃的なビートと叙情的なメロディーを融合した「Electronica meets hip hop」型アーティスト。2005年ソロEP『phase.01』を発表。その後は、Insector laboの盟友chaosのアルバムへの参加やryukeへの楽曲提供、2006年にはテクノレーベルAsianDynasty RecordsからリリースしiTunes StoreではElectronic Chart 5位を記録するなど、「エレクトロニカ要素を取り入れた新しいテクノスタイル」と賞賛を得た。ライブ活動では、AUDIO ACTIVEのギタリストCut sighや、schematicやmerckからのリリースで知られるkiyoとのコラボレーションライブを行い、新たな世界を模索し続けている。 音楽レーベルInsector laboとraid systemを主宰し、Insector laboのニューカマーjogaとのユニット「mad smack」では、ヒップホップ的要素を全面に押し出した新たな試みも行う。
音の追求から音楽の追求へ
─まずはbroken hazeの経歴からお話をお伺いしたいのですが、いつ頃からどんな音楽を作り始めていたんですか?
broken haze:2000年頃からヒップホップのDJをやり始めたのがきっかけでした。その頃は、ターンテーブリズムにのめりこんでいて、世界的に有名なターンテーブリスト集団のINVISIBL SKRATCH PIKLZやBeat Junkiesたちのプレイを見て研究してました。その後にDJが自分の中で一段落ついた時、macを手に入れてトラックを作りだしたんです。その時はDJ KRUSHさんの影響が大きかったので、かなりアブストラクトな方向性でしたね。さらに、そこからオリジナリティをだそうとして、よくも悪くも実験的なサウンドを求めていたと思います。
─broken hazeは恐らく「エレクトロニカ meets ヒップホップ」とカテゴライズされると思いますが、そういう音楽は実験的で難解な音楽が多いように思います。broken hazeの旧作にもやはり「難解さ」があったと思いますが、今作『raid system』はとても聴きやすくなりましたよね。何か心境の変化などがあったのでしょうか?

broken haze:音楽に対する考え方が変わってきたんだと思います。ご指摘のとおり、実験的で難解なものがエレクトロニカといわれるものには多いと思います。ぼくも前作のEPなどでは、「音的」な追求に集中していて、よい意味でも悪い意味でも実験的だったと思いますし、そのときはそれが自分にとっての正解でした。
今回のアルバムが出来上がる前にも、そうした「実験的」な音で構成されたアルバムをほぼ完成させていたんですよ。でもその作品は、アルバムとしてのコンセプトや伝えたいことをしっかり言えていなかったし、前作の延長線上のような気がして、リリースする気になりませんでした。その後に今作の『raid system』を作ったわけですが、まずはコンセプトやストーリーを先に考えて作り始めたんです。その結果、実験的な要素は薄まったかもしれないですが、コセンプトやストーリーを表現するためにわかりやすいメロディーを使うことにはまったく抵抗がないですし、むしろそれを出していきたいとさえ考えていました。
─アルバムひとつボツにしてたんですか!(笑) 「わかりやすさ」を敢えて避けてしまうアーティストも多いと思いますが、音楽で何かを伝えようとした時に、コンセプトを表現する為の「わかりやすさ」というのはリスナーに親切で嬉しいです。
broken haze:そうですよね。個人的には、音の追求から曲としての追求になっていったんだと思います。だから今となっては、音がいいとか悪いとかは以前と比べて変なこだわりはなくなりました。ぼくは、音のピースを作ってるのではなくて、音楽を作っているのだと。そう思えたのは、自分にとってとてもプラスになったと思います。ちなみに、ぼくはメジャーでミーハーな音楽も好きです。「意外!」といわれますが…。
─ミーハーとマニアックって、二分されているように思われがちですもんね(笑)。『raid system』は、クラブはもちろん家でも聴ける幅の広さがあると思いますが、 そういう部分にも「マニアックなだけじゃない」というbroken hazeらしさが出ているのかもしれませんね。
broken haze:ありがとうございます。今回はメロディーをできるだけ前に出したし、音楽を聴く環境にできるだけ左右されない曲を作りたいと思っていたので、そういっていただけるととてもうれしいです!クラブじゃないと体感できないような、かなり低い位置で鳴っている音もあるんですが、基本的にはふつうのスピーカーでも聴けるようには努めたつもりです。
─わかりやすいメロディーが入ったものの、やはり「ビート」というのが常にbroken hazeの音楽の根っこにあるように思います。これまでどんな「ビート」に刺激を受けてきたんでしょうか?
broken haze:ビートという面でぼくを構築してきたのはやっぱりヒップホップだと思います。90年前後、ニュースクール期のヒップホップはリアルタイムで聴いていましたし。
─特に好きだったビートメーカーはいますか?
broken haze:GANGSTARRのDJ PREMIERの存在はぼくにとってとても大きいですね。太いキックと後頭部を叩かれるようなスネアが気持ちいいんです。あとはさっきも言ったDJ KRUSHですね。でもヒップホップだけではなくて、エレクトロニカとかバンドものとかも常に聴いていました。バンドのライブなども観に行くし、今回もジャムバンド「旅団」のギターリストtoshitaka mukaiyama氏にも参加してもらってますしね。
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