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確実にどこか間違ってる 赤い公園インタビュー

インタビュー・テキスト:柴那典(2012/05/11)

ロックバンドというフォーマットは、まだまだ手付かずの「白紙の領域」を開拓することができる。最新のテクノロジーを導入したり目新しいジャンルにチャレンジしたりしようとしなくても、視点をちょっと変えるだけで、自由で新鮮なポップを鳴らすことができる。それが、「赤い公園」という一風変わった名前を名乗る4人組ガールズバンドの鳴らす音楽から感じた、正直な印象だ。

高校の軽音楽部で結成されてから2年、噂が噂を呼ぶような形で次第に注目を集め、今年2月にミニアルバム『透明なのか黒なのか』でメジャーデビューを果たした彼女たち。白い衣装を身にまとう謎めいたキャラクターにまずは目がいくが、聴いているうちに、独特のズレを持ったセンスと、どこか荒涼としたエモーションに、虜になる。

5月9日にリリースされるのは、荒々しくオルタナティブな「黒盤」の『透明なのか黒なのか』と対になる、キラキラとしたポップな一面を象徴するという「白盤」ミニアルバム『ランドリーで漂白を』。ただし、キュートなメロディと不協和音ぎりぎりのハーモニーを笑いながら同居させる彼女たちの音楽性は、単純に「ポップ/オルタナ」という単純な2面性だけで語れるものではないはず。全曲の作詞作曲、プロデュースを担当するギターの津野米咲(つのまいさ)を含む4人に、その不思議な音楽性の由来を訊いた。

PROFILE

赤い公園
佐藤千明(Vox/Key 1993.1.14)、津野米咲(Gt/Cho 1991.10.2)、藤本ひかり(Ba 1992.10.31)、歌川菜穂(Drs/Cho 1992.8.28)、女子4人による“ポストポップバンド”。高校の軽音楽部の先輩後輩として出会い、佐藤、藤本、歌川の3名によるコピーバンドにサポートギターとして津野が加入。そのままズルズルと現在に至る。2012年2月デビューミニアルバム(上盤/黒盤)「透明なのか黒なのか」、5月にデビューミニアルバム(下盤/白盤)「ランドリーで漂白を」を発売した。
赤 い 公 園

「ここにこの音を入れたら超面白くない?」「マジウケる!」みたいにして曲作りが進んでる。

―今日は赤い公園というバンドについて、2つの仮説を持ってきたんです。まず『ランドリーで漂白を』というこのアルバムについて、あくまでキャッチコピーとしては「キラキラ&ポップ」という言葉がありますけれど、バンドの根っ子にあるのは「わかりやすいポップさ」とは別のものなんじゃないか、というのがひとつ。で、あくまで4人のバンドというスタイルでやってるけれど、音楽を生み出しているCPUやエンジンの部分は、バンド以外の発想で動いているんじゃないか、というのがもうひとつ。どうでしょう?

津野(Gt/Cho):まず、根っ子の部分がポップじゃないという仮説については、自分達ではそうじゃないと思ってます。ポップだと思っているし、それが好きなんです。でも、バンドでやってるんだけどバンドじゃないというのは、まさにおっしゃる通りです。私、ギターで曲を考えるのがすごく苦手なんですよ。だから、ピアノで全部のパートを作って、それを無理やりギターでやってるんです。そこは見透かされてしまいました(笑)。

―特に、赤い公園の曲って、ポップスとかロックのセオリーだったら不協和音になる音をあえて使ってる気がするんですけれども。

津野:そう! 大好きですね。

―どちらかというとラヴェルとかドビュッシーみたいな。

津野:おお! 私の好きなドビュッシーが出てきた!(笑) 大好きなんですよ。不協和音そのものが好きなわけじゃないけど、曲の流れで不協和音になった瞬間にピンと張り詰める感じ、そこから戻った瞬間に緩む感じが好きなんです。変態なんですよ(笑)。

―それは津野さんがバンドを組む前から好きだったということ?

津野:そうなんです。

―そもそも赤い公園って、高校の軽音楽部で、1年先輩の津野さんが後から加入する形で結成されたんですよね。バンドの始まりはどんな感じだったんでしょうか?

津野:もともとコピーバンドをやってたんですけど、ギターが抜けちゃって、代わりに私が入ったんです。高校を卒業するタイミングで、記念にオリジナル1〜2曲作ろうよってやったのがきっかけで。

赤い公園

―それ以前は?

藤本(Ba):ひたすらコピーばっかりで、オリジナルをやったことはなかったんですよ。だからその時も「そっか、これがオリジナルかぁ、すごいねぇ!」みたいな感じで(笑)。

津野:まあ、今もそんな感じだよね。「ここにこの音を入れたら超面白くない?」「マジウケる!」みたいにして曲作りが進んでるんで。


2/3ページ:ポップにしたかったのに、確実にどこか間違ってるんですよね。そこを愛していただければ、これ幸いです。

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