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田渕ひさ子×原田郁子対談 二人と音楽の関係は今、どうですか?

田渕ひさ子×原田郁子対談 二人と音楽の関係は今、どうですか?

toddle『Vacantly』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:森山将人 編集:山元翔一 取材協力:ABOUT LIFE COFFEE BREWERS

現在はtoddleでボーカル&ギターを務める田渕ひさ子と、クラムボンの原田郁子が、同じ女子高に通っていた同級生であったということは、知る人ぞ知る事実。しかし、この話にはあまり語られていない背景がある。実はこの二人、高校時代の交流はほとんどなく、むしろ東京に出てきてから互いの素生を語るうちに、その偶然の再会に驚き、意気投合したのだという。

そんな近そうでいて、お互い知らない時間のほうが多いと明かす二人を招いた対談は、親密さと緊張感の入り混じる不思議な時間だった。それぞれ人生経験を積んだ二人は、20年以上の時を経て教室の隅で語り合う少女のようでもありながらも、相手への配慮を欠かさない大人の距離感を保っていた。

同じ1975年生まれの女性として、彼女たちは、どんな感性と意志のもと、音楽活動を続けてきたのだろうか。実に軽やかな一枚となったtoddleの約5年ぶりのアルバム『Vacantly』を聴きながら、二人には高校時代や、まだ田渕がNUMBER GIRLに在籍していた当時も振り返ってもらった。原田との対話を通して、素朴ながらも実直ではっきりと物を言う田渕の人柄が垣間見えた。

NUMBER GIRLのライブの打ち上げに遊びに行って、そこでひさ子ちゃんと初めてしゃべったんです。そしたら、「え!? 同じ高校やん!」って(笑)。(原田)

―お二人は、福岡の同じ高校の出身というか、いわゆる同級生にあたるんですよね?

田渕:はい、一応(笑)。でも、高校時代は、しゃべったこともなくて。私が1組で被服科、郁子ちゃんが8組で普通科だったんです。クラス替えもなかったから、単純に物理的な距離が離れていたんですよね。ただ、郁子ちゃんと仲のいい子が私のクラスにいて、授業が終わると郁子ちゃんが、その子と一緒に帰るために来ていたことはなんとなく覚えていて。

―どんな学校だったんでしょう?

田渕:わりと自由な校風でしたね。中庭を野良犬が駆けまわっているような(笑)。

左から:田渕ひさ子、原田郁子
左から:田渕ひさ子、原田郁子

原田:おったねぇ。全体的には、「勉強せん!」っていう女子たちが選りすぐりで集まってきた学校で。その当時、公立の女子高では一番偏差値が低くて、風紀もゆるかったです。

田渕:その中でもうちのクラスはわりとキャラが濃いめで、ヤンキー系の人たちがたくさんいらっしゃって。年々、人数が減っていくっていうようなクラスでしたね。

―音楽的なところではどうでしょう? 軽音楽部で一緒だったとか、そういう感じではないんですか?

田渕:いや、うちの学校の軽音楽部は、ほとんど機能してなかったんですよね。当時からバンドは一応やっていたんですけど、主に学校の外で組んでいて。だから、バンドをやっていることが、特に学校で目立っていたわけでもなく。

原田:そう、私も入学当初、軽音楽部の部室を覗いたことがあって。でも、ベコベコになったドラムが打ち捨てられているだけで、誰も何もやってない感じだったんですよね。それで、「あ、この学校でバンドは無理かな」って思って。

田渕:私も文化祭で演奏してた人たちを見て、「うーん、ここでバンドは、ないな」って思った(笑)。軽音楽部がちゃんと活動していたら、そこで会ってたのかもしれないのにね。

田渕ひさ子

原田:今やったら、インターネットを使ってすぐ会えたかもしれんけどね。その頃の自分は、「どうしたらここを出られるか」とか「どうしたら面白い人に会えるんだろう」とか、外にばっかり目が向いていて。だから、3年間同じ学校に通っていたのに、私は「田渕ひさ子」という逸材に出会うことができませんでした(笑)。

田渕:みんな学校に何も求めていなかったんだよね。学校で何かをやろうって気合いの入った子もいなくて。まあ、その分、いじめとかもなかったし、他の人のことを気にせず、マイペースにやれたっていうのはあったかもしれないけど。

原田:だから、出会ったのは東京に来てからなんですよね。デビューしてたかどうかくらいの頃、NUMBER GIRLが下北沢でライブをやって、その打ち上げにクラムボンのみんなで遊びに行ったことがあって。そこでひさ子ちゃんとは初めてしゃべりました。

田渕:そうそう、そのときミトくんとかもいたんですけど、郁子ちゃんと福岡出身で同い年みたいな話をしていたら、どんどん距離が近づいていって。

田渕ひさ子

原田:「え!? 同じ高校やん!」っていう(笑)。だから、ちゃんと知り合ったのは、その頃からなんですよね。その後、2002年に『Re-clammbon』っていうアルバムで、1曲ギターを弾いてもらったりしたよね。即興で弾いてもらったんだけど、ものすごい空間が現れて。さすがだなぁ、と。

田渕:「もののけギター」って言われました(笑)。で、そのツアーに参加したりとか。それから、ミトくんに何度かギターで呼ばれたりっていう感じの関係ですね。

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リリース情報

toddle『Vacantly』
toddle
『Vacantly』(CD)

2016年7月27日(水)発売
価格:2,808円(税込)
KICS-3397

1. Disillusion
2. Beat Rotates
3. Branch in the Road
4. Parallel Lanes
5. Bitter Hours
6. Cloud Eater
7. Stirrer
8. Right-Hand Drive
9. Where the Alley Ends
10. Round Arrow
11. Vacantly
12. Illuminate

クラムボン
『clammbon 20th Anniversary「tour triology」2015.11.6 日本武道館』(Blu-ray)

2017年1月25日(水)からAmazon.co.jp限定で販売開始
価格:4,320円(税込)
TRP-10008

1. Lightly!
2. Rough & Laugh
3. the 大丈夫
4. GOOD TIME MUSIC
5. 君は僕のもの
6. ミラーボール
7. 便箋歌
8. agua
9. sonor
10. noir
11. はなさくいろは
12. バタフライ
13. バイタルサイン 14. シカゴ
15. アジテーター
16. Scene3
17. 波よせて
18. KANADE Dance
19. サラウンド
20. yet
21. はなれ ばなれ
22. Re-ある鼓動
23. Slight Slight
24. Lightly...

プロフィール

田渕ひさ子(たぶち ひさこ)

福岡県出身。1975年12月9日生まれのO型。13歳でギターを始めて以来、途切れることなくギャルバンでギターを弾き続ける。19歳でNUMBER GIRLに加入し、98年に上京。2002年に解散し、toddleを始める。03年bloodthirsty butchersにメンバーとして加入。 寝た子も起こす強烈なギターが印象的だが、toddleでは初めてのボーカルも担当し、これまでとは違った一面を見せる。忙しい毎日を送りつつ、色んなことを日々イメトレ中。

原田郁子(はらだ いくこ)

1975年、福岡生まれ。1995年にスリーピースバンド「クラムボン」を結成。歌と鍵盤を担当。バンド活動と並行して、ソロ活動も精力的に行っている。昨年で結成20周年を迎えたクラムボンは、メジャーレーベルを離れ、自身のレーベル「トロピカル」よりミニアルバム『モメントe.p.』を発表。可能な会場すべてでサイン会を行う、初の「手売りツアー」を開催した。現在、オフィシャルサイトにてCD販売店を募集中。ジャンルを問わず160店舗以上が取り扱っており、独自の広がりを見せている。2017年1月には、2015年11月行った初の日本武道館公演を映像作品化、Amazon限定でリリースすることが決定している。

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