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ラックライフ・PONが語る、不安と戦い続けるバンドマンの人生観

ラックライフ・PONが語る、不安と戦い続けるバンドマンの人生観

ラックライフ『Life is beautiful』
インタビュー・テキスト
阿部美香
撮影:豊島望 編集:山元翔一
2017/03/14
  • 79

「なんて正直なバンドなのだろう」――ラックライフの音楽に触れた人は、誰もがそう感じるに違いない。何気ない日常生活における、心の奥に潜む生きづらさ、悶々と抱え続けている不安や葛藤。それらを打破したい想いと自分への期待を抱くからこそ、手を伸ばし続ける希望と感謝の気持ち……。ラックライフの音楽には、楽しさに任せて闇雲にバンドに賭けていた10代から、何度かの人生の転機を迎えながら「歌うこと」を辞めなかった20代までのPON(Vo,Gt)とバンドの「等身大」が、1mmの足し引きもなく、そこにある。

今から12年前、高校の同級生同士で前身バンドを結成し、バンド名をラックライフと改めてから9年。昨年5月にシングル『名前を呼ぶよ』でメジャーデビューを果たし、ついに完成した1stアルバム『Life is beautiful』には、そんな彼らがやってきたことの集大成が、あるがままにさらけ出された。あまりにも真っ直ぐに、あまりにも不器用に自分自身を表現しているPONに、これまでの歩みと「なぜ、こんなに正直に歌うのか?」を聞いた。

「今こんなことでしんどいやんか、でも、こうしたらきっとよくなるんちゃう?」みたいな温度感で曲を書いてる。

―ラックライフの音楽が世の中に広く伝わったきっかけは、メジャーデビュー曲で、テレビアニメ『文豪ストレイドッグス』(2016年)のエンディングテーマにもなった“名前を呼ぶよ”だと思うんですね。そのときにいちばん感じたのが、とにかく何もかもをストレートに歌うバンドなんだなということで。<僕が僕でいられる 理由を探していた>という歌い出しからも、聴き手の心に刺さるPONさんの切実な歌声からも、ひとつも格好つけない「ありのまま」を感じたんです。

PON:昔から、僕らはずっとそうです。

PON
PON

―別の機会にお話を聞かせてもらったとき、PONさんは「自分が思ってないことは絶対に歌にできないんだ」と言っていましたよね。

PON:インディーズ時代の自主制作CDで、一度だけ妄想で曲を書いたことがあって。そのときは七夕の曲を書いたんですけど、バンドを始めてから12年間、それ以外で、想像で曲を書いたことはないです。

―自分のことだけ書くというのは、表現者にとっては諸刃の剣だと思うんです。この御時世、SNSがその最たる例ですけど、みんな他人をこき下ろすことに夢中じゃないですか。そういう世の中で格好つけず、しかも多くの人に届く音楽でおのれをさらけ出すのはきっと怖いことだろうし、自分の身を削ることになるはず。特に、素直なラックライフの楽曲はそうなんじゃないかなと。

PON:そうですね。だから、僕はホンマのことを書いたあとに理想を書くんです。自分がこんなことで苦しんでいます、今こんなこと思って迷ったりしています……そのあと、こういう人間になりたいっていう理想像とか、手が届きそうな夢とかを、絶対後ろにつける。それを書くことによって、自分が元気になるんです。

PON:だから、曲で自分を表現しているというよりも、自分に対して曲を書いてることが多い。人に向けて書いた曲でも、その人に元気になってほしいから、「今こんなことでしんどいやんか、でも、こうしたらきっとよくなるんちゃう?」みたいな温度感で。これはある意味、自分に言い聞かせる洗脳術でもあって(笑)。頭ではわかっているけど心はついてこないとき、曲を書いて歌うことで気持ちの整理をする、みたいなところはあります。

「歌をやっていくのがホンマにいちばん幸せな方法なんかな?」とか考えては落ち込んでました。

―なぜPONさんは、そういう曲の書き方をするようになったんでしょうね?

PON:なんでですかね? 昔から、こういうスタンスやったかもしれないです。基本的にマイナスのことじゃないと、曲になるところまで心に引っかかってくれないというか。

例えば、友達とめっちゃ楽しく遊んで、帰って家で一人ポツンとなって寂しさが押し寄せてきたときに、「あ、あのとき楽しかったな」って思い返す。そういう瞬間が、どんどん曲になっていくんです。じつは夜中とか、けっこうひどくて。何に落ち込んでいるわけでもないけど、落ち込むときってあるじゃないですか。僕には、その周期が定期的に訪れるんですよ。

PON

―PONさんがすごくポジティブに見える裏には、日常的な葛藤や不安があったんですね。ちなみにそれは学生時代からなんですか?

PON:どうやろうなぁ。でも、大人になってからのほうが多い気がしますね。高校からバンドやっている人間が、進学もせんと音楽の道でやっていくことになって、「高校生」っていう社会的な身分も失ったときなんて、不安定もいいところじゃないですか。自分の作った歌次第で、これからの人生が変わっていくってすごいことやなと思うと同時に、「俺、いったい今何をしてんのやろ?」とか「歌をやっていくのがホンマにいちばん幸せな方法なんかな?」とか、終わりのないことばっかり考えては落ち込んでました。

―なるほど。それって、学生時代からバンドを続けてきた人なら、誰もが通る道かもしれないですね。

PON:そうだと思いますよ。でも、僕は特にそうやったかも知れない。僕が音楽を好きになったきっかけはKinKi Kidsやし、中学時代は『ASAYAN』(1995年から2002年にかけて放映されたオーディションバラエティー番組)を見て育ったんで、CHEMISTRYとかEXILEとかも好きでソロシンガーになりたかったんです(CHEMISTRYは『ASAYAN』の番組内で結成、EXILEのATSUSHIも同番組に出演していた)。

PON

PON:それで、高校に入って、先輩のバンドをライブハウスに観に行ったら、何の興味もなかったのに感動しちゃって。目立てるし、女の子にモテたいという健全な理由でバンドを始めたけど、高校卒業が近づくと周りの同級生バンドとかも、どんどん受験で音楽を辞めていくんですよね。

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リリース情報

ラックライフ『Life is beautiful』
ラックライフ
『Life is beautiful』(CD)

2017年3月15日(水)発売
価格:3,024円(税込)
LACA-15620

1. サニーデイ
2. 初めの一歩
3. view
4. shutto
5. アイトユウ
6. 君の匂い
7. 風が吹く街
8. 素晴らしい世界
9. ラブリープリティーミュージック
10. 変わらない空
11. モーメント
12. 赤い糸
13. 名前を呼ぶよ

イベント情報

『GOOD LUCK 2017』

2017年4月29日(土)
会場:大阪府 なんばHatch

『「生きてるだけで丸儲け」対バンツアー』

2017年5月12日(金)
会場:宮城県 仙台 enn 3rd

2017年5月13日(土)
会場:神奈川県 横浜 BAYSIS

2017年5月14日(日)
会場:愛知県 豊橋 club KNOT

2017年5月16日(火)
会場:京都府 MUSE

2017年5月19日(金)
会場:新潟県 GOLDENPIGS BLACK STAGE

2017年5月21日(日)
会場:北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE

2017年5月24日(水)
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE

2017年5月26日(金)
会場:群馬県 高崎 club FLEEZ

2017年5月27日(土)
会場:埼玉県 西川口 HEARTS

2017年5月28日(日)
会場:千葉県 千葉LOOK

2017年6月2日(金)
会場:三重県 四日市 club chaos

2017年6月9日(金)
会場:佐賀県 佐賀 GEILS

2017年6月10日(土)
会場:福岡県 Queblick

2017年6月11日(日)
会場:広島県 BACK BEAT

2017年6月16日(金)
会場:鳥取県 米子 AZTiC laughs

2017年6月17日(土)
会場:島根県 出雲 APOLLO

2017年6月18日(日)
会場:岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room

『「生きてるだけで丸儲け」ワンマンツアー』

2017年7月8日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-WEST

2017年7月17日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋 ell.FITS ALL

2017年7月21日(金)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

プロフィール

ラックライフ
ラックライフ

大阪・北摂出身の4ピースギターロックバンド。2005年、高校の同級生であったPON(Vo,Gt)、イコマ(Gt,Cho)、たく(Ba)、LOVE大石(Dr)により前身バンドを結成。2008年3月にバンド名を「ラックライフ」に改名し、大阪・東京を中心に全国的な活動をスタート。以降、徹底的に現場主義を貫いたライブ活動を軸に、デモ音源を軒並み完売させるなどコンスタントにリリースを重ねる。2016年5月11日には、TVアニメ『文豪ストレイドッグス』エンディング主題歌となるシングル『名前を呼ぶよ』にて、メジャーデビューを果たす。若くして10年越えのキャリアと絆が培ったグルーヴ、言葉の一つひとつが伝わる力強いメッセージと歌声、ヒットポテンシャルを存分に備えたグッドメロディ……全国津々浦々で熱い血が通ったポップミュージックをかき鳴らし、オーディエンスのみならず時にバンドマンをも魅了する、ザ・ライブバンド。

関連チケット情報

2017年5月12日(金)
ラックライフ
会場:LIVE HOUSE enn 3rd(宮城県)
2017年5月13日(土)〜5月28日(日)
ラックライフ
会場:BAYSIS(神奈川県)
2017年5月14日(日)〜6月2日(金)
ラックライフ
会場:club KNOT(愛知県)
2017年5月16日(火)
ラックライフ
会場:KYOTO MUSE(京都府)
2017年6月9日(金)
ラックライフ
会場:佐賀GEILS(佐賀県)
2017年6月11日(日)
ラックライフ
会場:HIROSHIMA BACK BEAT(広島県)
2017年6月16日(金)〜6月18日(日)
ラックライフ
会場:米子laughs(鳥取県)
2017年7月8日(土)
ラックライフ
会場:TSUTAYA O-WEST(東京都)
2017年7月21日(金)
ラックライフ
会場:梅田クラブクアトロ(大阪府)

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