国際女性デーに見たい、実話をもとにした映画&ドキュメンタリー6選

メイン画像:© Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.、©2018 Twentieth Century Fox、©2016Twentieth Century Fox、© Cable News Network. All rights reserved.

3月は女性史月間、そして3月8日には国際女性デー。女性たちのこれまで達成してきた成果を学び認識するとともに、ジェンダー平等についての意識を高めるべく、世界各地でさまざまなイベントが予定されている。

女性の権利は、年月をかけて推進されてきたが、世界では未だ女性の権利や自由が制限されている地域も各地に存在する。日本で女性に初めて参政権が認められたのは太平洋戦争後の1945年。雇用における機会や待遇などの性別による差別を禁じる男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年。36年前のことだ。コロナ禍では女性の自殺率が増加したというショッキングな報道もあり、改めて女性が置かれる窮状が浮き彫りになった。

ここでは、女性をエンパワーし、改めてジェンダー平等について考えるこの機会に観たい6本の映画をピックアップ。性差別との闘いを描く、実話をもとにした映画やドキュメンタリーを紹介する(※配信サービスは2022年3月7日時点の情報)。

イギリスの女性参政権運動を描く『未来を花束にして』(2015年)

『プロミシング・ヤング・ウーマン』などのキャリー・マリガン主演による2015年のイギリス映画。原題の「Suffragette(サフラジェット)」は、19世紀末〜20世紀初頭にかけて女性参政権運動を行なった活動家を指す言葉だ。

主人公は1900年代初頭のロンドンで、劣悪な環境の洗濯工場に勤める労働者階級の女性。彼女はサフラジェットの活動を目の当たりにしたことをきっかけに、次世代の女性たちへの搾取や苦しみを終わらせるため、女性参政権運動に身を投じていく。

100年前のイギリスで起きた実話をもとに、政府による厳しい取り締まりに合いながら、女性たちが連帯し、権利を求めて立ち上がる様が描かれる。主人公に影響を与える実在の活動家でWSPU(女性社会政治同盟)のリーダー、エメリン・パンクハーストをメリル・ストリープが演じている。

『未来を花束にして』予告編(U-NEXTで見る

全米初のセクハラ集団訴訟を起こした女性労働者たち『スタンドアップ』(2005年)

ミネソタの鉱山で数少ない女性労働者として働くシングルマザーが、同僚の男性たちからのたび重なる嫌がらせやセクハラに立ち上がり訴訟を起こすことを決めるも、職を失うことを恐れる同僚の女性たちからも協力を得られず苦戦を強いられる──『スタンドアップ』は1998年に和解が成立した、アメリカで初めてのセクシュアルハラスメントの集団訴訟を題材にした作品だ。

夫からの暴力に耐えかねて実家に戻り、子どもたちとの生活を支えるために鉱山で働き始める主人公をシャーリーズ・セロン、主人公と同じ鉱山で働く友人をフランシス・マクドーマンドが演じ、監督を『ムーラン』のニキ・カーロが務めている。ニキ・カーロは、サーフィン界の男女平等を求める4人の女性サーファーを題材にしたNetflix作品を手掛けることが報道されているが、同作にはセロンがプロデューサーとして参加しており、再びタッグを組んでいる。

『スタンドアップ』予告編(U-NEXTで見る

スポーツ界の性差別に立ち上がるテニスチャンピン『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017年)

女性運動が盛り上がる1970年代のアメリカを舞台に、全米女子テニスチャンピオンだったビリー・ジーン・キングと、男子テニス元世界チャンピオンのボビー・リッグスによる、歴史的な「男女対抗マッチ」描いた作品。女子選手の優勝賞金が男子の8分の1だったことに憤り、「女子テニス協会」を設立したビリー・ジーンが、女性蔑視な発言を繰り返すボビーに「男性至上主義のブタ対フェミニスト」の対決を挑まれる、というストーリーだ。

『リトル・ミス・サンシャイン』『ルビー・スパークス』のジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリスが監督を務め、ビリー・ジーンをエマ・ストーン、ボビー・リッグスをスティーヴ・カレルがコミカルに演じている。スポーツ界の男女収入格差は未だ根強く、アメリカのサッカー女子代表は2019年に男子チームと同水準の報酬を支払うよう同国サッカー連盟を訴え裁判に。今年2月に和解が成立した。

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』予告編(Disney+で見る

NASAの偉業支えた3人の黒人女性たち『ドリーム』(2016)

旧ソ連との熾烈な宇宙開発戦争を繰り広げたアメリカは、1962年に同国初の有人地球周回を成功させた。映画『ドリーム』は、国の威信をかけたこのプロジェクトを陰で支えた3人のアフリカ系アメリカ人女性の物語だ。

黒人で女性であることから二重の差別を受けながら、「前例がない」という固定観念を打ち破り、道を切り開いていく彼女たち。原題の「Hidden Figures」は「隠れた人々」という意味を持つが、実際にこの3人については、近年までアメリカでも広く知られていなかったという。

3人の女性を演じているのは、タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ。音楽はファレル・ウィリアムスが担当。『第89回アカデミー賞』では作品賞を含む3部門にノミネートされ、授賞式にはタラジ・P・ヘンソンが演じた数学者キャサリン・ジョンソン本人が登場して会場を沸かせた。

『ドリーム』予告編(Disney+で見る

アメリカの国民的アイコンの人生やキャリアを辿る『RBG 最強の85才』(2018)

2020年に逝去した「RBG」ことルース・ベイダー・ギンズバーグのドキュメンタリー。ルース・ベイダー・ギンズバーグは、アメリカ連邦最高裁の史上2人目の女性判事であり、フェミニストアイコン、カルチャーアイコンとして若者からも熱い支持を受けた人物だ。ドキュメンタリー映画『RBG 最強の85才』では、一貫して女性やマイノリティーの権利発展に尽力しつづけたギンズバーグの人生とキャリアを、本人や友人、家族らの言葉から紐解く。

本作が公開された同じ年には、ギンズバーグの伝記映画『ビリーブ 未来への大逆転(原題:On the Basis of Sex)』も公開されている。ギンズバーグの若き頃に焦点を当てたこの作品では、フェリシティ・ジョーンズ演じる弁護士時代のギンズバーグが、法律における性差別の是正を目指して、ある裁判の弁護に挑む姿が描かれる。

『RBG 最強の85才』予告編(U-NEXTで見る / FODで見る / Huluで見る

米国内の中絶の権利をめぐる闘い『彼女の権利、彼らの決断』(2018年)

1973年にアメリカ国内の人工妊娠中絶を合法化した、米最高裁の歴史的な「ロー対ウェイド判決」。ここで認められた権利はたびたび危機にさらされており、昨年9月にはテキサス州で人工中絶をほぼ全面的に禁じる法律が施行された。バイデン大統領は「ロー対ウェイド判決」を支持する考えを表明している。

Netflixで2018年に配信されたドキュメンタリー『彼女の権利、彼らの決断』は、アメリカにおける人工妊娠中絶と女性の権利をめぐる、プロチョイス派(中絶支持派)とプロライフ派(中絶反対派)の闘いを描いた作品。1973年の判決に至るまでの道のりと、その後の反対運動などを、過去の映像や支持派・反対派双方のインタビュー映像を通して描き出す。女性の身体の自己決定権にまつわる議論が、宗教的な思想などを背景に政治の争点になっていく様子がよくわかる。

『彼女の権利、彼らの決断』英語版予告編(Netflixで見る



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