わたしたちのヘルシー

漫画家・瀧波ユカリが描く、パートナーとの避妊。話し合って考える「ピル」という選択肢

女性のビジネスキャリアやライフプランにおいて、悩みを抱える人も多い妊娠のタイミング。そのうえで、避妊(*1)に有効な薬が「ピル」だとなんとなく知っていても、実際にはハードルの高さを感じて服用に踏み切れない女性もたくさんいるはず。また、「ピル」に関して男性側の理解度も、一般的に浸透しているとは言えない現状もある。

今回、ピルを用いた避妊にまつわるエピソードを、『モトカレマニア』『わたしたちは無痛恋愛がしたい 〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜』などの作者として知られる漫画家の瀧波ユカリに描いてもらった。女性にとって、思い描いているキャリアを歩むうえでも、パートナーとより良い関係を築くうえでも、理想的な避妊のあり方とは?

あとがき(瀧波ユカリ)

避妊について、若い頃の私は相手と話し合いをしたことがあっただろうか。思い返してみると、私がしていたのは「話し合い」ではなく「お願い」だったように思う。「ゴムつけてね」と言えば相手はつけてくれたし(つけて"くれた"という言い方もどうかと思うが、当時はそういう意識だった)、それでいいのだと思っていた。

では、「お願い」ではなく「話し合い」をするなら、どんなことを語ればいいのだろう。まず思い浮かんだのは、「避妊はうまくいかないこともある」という事実。次に浮かんだのは、ピルなどで成功率を上げることもできる、ということ。

まだ妊娠はしたくない時期に、コンドームだけの避妊で安心できるのか? 妊娠させてしまうかもしれない側の男性も、不安を感じたりはしないのか? そう考えてみたら、ピルという選択肢について話し合うことは、とても前向きで大切なことだと思った。

しかし話し方によっては、女性がプレッシャーを感じることになってしまうかもしれない。そうならないように話し合う方法ってあるんだろうか?……そうしてひとつずつ考えながらつくったのが、このふじ子とみのるの物語です。

いまはまだ、こんなふうに話し合えるカップルはなかなかいないかもしれない。でも、「こうやって話し合うという選択肢もあるんだ」と知ってもらうことで、ふじ子とみのるはきっと現実に近づいていく。

男性と女性、それぞれが避妊の当事者であるという意識が少しずつでも根づくこと、そして、ピルという選択肢がいまよりもさらに身近になることを願っています。

監修医のコメント(産婦人科医・宋美玄)

コンドームやピル以外にも、日本で使用されている主な避妊法として、子宮内に挿入する器具やリズム法、避妊手術などがあります。また、漫画内で「コンドームだけでの避妊は、成功率90%以下」と紹介されていましたが、これはコンドームを正しく使用できていなかった場合も含む数値になります。広く普及しているコンドームですが、失敗率は比較的高くなっております。詳細はこちらをご覧ください。

今回、漫画内でご紹介されているのも避妊目的でのピルですが、月経困難症(*2)や子宮内膜症(*3)などの治療目的でピルを使用される方も増えています。現在はいろいろな種類のピルが発売されておりますので、服用を希望される方は必ず医師に相談して、自分のからだにあったピルを見つけてください。

加えて、ピルには副作用もあります。ピルを飲み始めて1、2か月ごろに、軽い吐き気や乳房のはり、頭痛、生理以外の出血(*4)などが現れることがあります(※通常は、飲み続けることによってみられなくなります)。なお、ピルが体質にあわない方や体重が重い方、喫煙されている方など、服用にあたり注意が必要な場合もありますので、医師にご相談のうえでお使いください。

パートナー企業情報
富士製薬工業株式会社

富士製薬工業は、約半世紀にわたり女性医療用医薬品の開発・製造・販売を行なっており、多様な女性疾患に対応する医薬品の品揃えに大きな強みを持っています。2030年のビジョンとして掲げている「世界の女性のwell-being向上に貢献する」を実現するため、医薬品の提供にとどまらず、女性の健康づくりのためのサポートをしています。思春期から更年期まで、世代を問わず幅広い女性が完全無料で利用できるスマートフォンアプリ『LiLuLa(リルラ)』もその一つです。ぜひご利用ください。
ウェブサイト情報
【心とからだの話をはじめるメディア】わたしたちのヘルシ―

https://watashitachino-healthy.com/
Women's Health Action×CINRAがお届けする、女性の心とからだの健康を考えるウェルネス&カルチャープラットフォームです。月経・妊活など女性特有のお悩みやヘルスケアに役立つ記事、専門家からのメッセージ、イベント情報などをお知らせします
プロフィール
瀧波ユカリ (たきなみ ゆかり)

1980年、北海道生まれ。漫画作品に『臨死!! 江古田ちゃん』『モトカレマニア』(ともに講談社)、コミックエッセイに『はるまき日記』(文春文庫)、『オヤジかるた 女子から贈る、飴と鞭。』『ありがとうって言えたなら』(ともに文藝春秋)など。現在は『わたしたちは無痛恋愛がしたい 〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜』をウェブ漫画マガジン「&Sofa」(講談社)にて連載中。

プロフィール
宋美玄 (そん みひょん)

産婦人科専門医、医学博士、丸の内の森レディースクリニック院長。大阪大学医学部医学科卒業。周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。ベストセラーとなった『女医が教える本当に気持ちいいセックス』、近著『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』など著書多数。



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