6月公開の映画をあらすじとともに紹介。『F1／エフワン』『マキシーン』『フロントライン』など9作

2025.05.31 Sat

いよいよ梅雨入りを迎える6月。天気も気になるところだが、映画館にも注目作品が続々と登場する。今回は、その中から特に話題の9作品をピックアップして紹介する。

A24による『MaXXXine マキシーン』や、小栗旬主演でコロナ禍のダイヤモンド・プリンセス号に派遣された医療チーム「DMAT」の姿を描く『フロントライン』、『トップガンマーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督最新作でブラッド・ピットが主演を務める『F1／エフワン』などラインナップしている。

6月公開映画から9作品をあらすじとともに紹介

A24が贈る『X エックス』『Pearl パール』に続く最新作

『MaXXXine マキシーン』

6月6日公開。
主演：ミア・ゴス
監督：タイ・ウェスト

A24が贈る同作は『X エックス』『Pearl パール』に続く3部作の最新作。監督・脚本は『X エックス』『Pearl パール』に続きタイ・ウェストが務めており、同シリーズで主人公のマキシーンとシリアルキラー・パールの両方を演じてきたミア・ゴスが今回も主演を務める。

『X エックス』で描かれたテキサスでの凄惨な猟奇的殺人事件の現場から、ただ1人逃げのびた主人公マキシーンの6年後を描いた物語。

ポルノ界で人気を極めたマキシーンは主演の座を射止め「ハリウッドスター」への夢が現実になる時が近づくが、ロサンゼルスを震撼させる連続殺人鬼や、謎の私立探偵、FBIがマキシーンの前に立ちはだかるというあらすじだ。

全米を震撼させた実在の連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」の恐怖に包まれていた1985年のハリウッドが舞台となっている。

深川麻衣が「京都人」に翻弄される？

『ぶぶ漬けどうどす』

6月6日公開
監督：冨永昌敬
主演：深川麻衣

京都を舞台に、京都が大好きすぎてこの街のいちばんの理解者になろうとした主人公が思いもよらず引き起こした大騒動を描くシニカルコメディー。「本音と建前」を使い分ける県民性が騒ぎの火種となって、その技を器用に駆使する「京都人」と東京から来た「ヨソさん」である主人公との攻防が展開する。

東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライター・澁澤まどか役に深川麻衣がキャスティング。まどかの義母である老舗扇子店の女将・澁澤環役を室井滋が演じるほか、小野寺ずる、片岡礼子、大友律、若葉竜也、松尾貴史、豊原功補が共演する。

監督は『南瓜とマヨネーズ』『白鍵と黒鍵の間に』の冨永昌敬。企画・脚本を『his』『そばかす』のアサダアツシが担当した。

小栗旬×松坂桃李×池松壮亮×窪塚洋介が未知のウイルスに挑む

『フロントライン』

6月13日公開
監督：関根光才
主演：小栗旬

物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港し、その後日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。出動要請を受けた災害派遣医療チーム「DMAT（ディーマット）」が命を危険に晒しながら奮闘する姿を描く。

小栗旬がDMATの指揮官であり救急医の結城英晴役、松坂桃李が厚生労働省の役人・立松信貴役、池松壮亮がDMAT隊員・真田春人役、窪塚洋介が医師・仙道行義役を演じる。

企画、脚本、プロデュースは映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』、Netflixドラマ『THE DAYS』などを手がけた増本淳。監督は映画『生きてるだけで、愛。』『かくしごと』などの関根光才が務めた。

タイで記録的ヒット

『おばあちゃんと僕の約束』

6月13日公開
監督：パット・ブーンニティパット
主演：プッティポン・アッサラッタナクン

タイ史上初となる『アカデミー賞®』国際長編映画部門ショートリスト入りを果たした同作は、2024年4月にタイで公開され、年間最大のオープニング成績を記録した作品。大学を中退してゲーム実況者を目指す青年エムは、従妹のムイが祖父から豪邸を相続したと聞いたことをきっかけに、お粥を売って生計を立てる一人暮らしの祖母メンジュに近づき、相続を得ようとするが、やがてその慎ましく懸命に生きる姿や考えに触れていくというあらすじだ。

製作は『バッド・ジーニアス危険な天才たち』などを手がけたGDHが担当。エム役をドラマ『I Told Sunset About You 〜僕の愛を君の心で訳して〜』で知られるプッティポン・アッサラッタナクン、ステージ4のがんに侵されているメンジュ役を78歳で俳優デビューを果たしたウサー・セームカム、エムの母親役をサリンラット・トーマスが演じた。

メキシコの鬼才が描く厨房エンターテインメント

『ラ・コシーナ／厨房』

監督：アロンソ・ルイスパラシオス
主演：ラウル・ブリオネス

スタッフの多くが移民で構成されたニューヨークの観光客向け大型レストラン「ザ・グリル」を舞台に、その人間関係を時にユーモラスに、時に痛烈に描いた作品。

先進的な街と、レストランで働きながらアメリカンドリームを求めて滞在する移民たちの対比が全編ほぼモノクロームで描かれる。

麻原彰晃の娘が加害者家族として生きる姿

『それでも私は Though I’m His Daughter』

6月14日公開
監督：長塚洋

前作『望むのは死刑ですかオウム“大執行”と私』でオウム事件と向き合ってきた長塚洋監督が6年の取材を経て完成させた『それでも私は Though I’m His Daughter』は、オウム真理教教祖・麻原彰晃の娘・松本麗華が加害者家族として生きる姿を追ったドキュメンタリー。

松本麗華は、地下鉄サリン事件の首謀者の娘として12歳で父の逮捕を経験。以来、「どう償うのか」という問いに直面し続けてきた。

社会が父の死を望んだと感じた麗華は、深い悲しみと絶望のなかで人並みの生活を望むも、「幹部認定」の取り消しを国に拒否され、定職や銀行口座の開設も困難を極めるなど、多くの壁に直面し続ける。

巨匠がアダム・ドライバーを主演に迎えた新作

『メガロポリス』

6月20日公開
監督：フランシス・フォード・コッポラ
主演：アダム・ドライバー

『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』で知られるほか、ソフィア・コッポラ監督の父としても知られている巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督。14年ぶりの新作となる『メガロポリス』は、幼少期に観たH・G・ウエルズ原作の映画『来るべき世界』より着想を得て1980年代より脚本を構想した作品だ。

同作の舞台は、富裕層と貧困層の格差が社会問題化したアメリカ共和国の大都市ニューローマ。古代ローマの叙事詩を現代のアメリカと重ね合わせたことについて、コッポラ監督は「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と語っている。

出演は、天才建築家の主人公カエサル・カティリナ役のアダム・ドライバー、カエサルと対立する新市長フランクリン・キケロ役のジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘・ジュリア役のナタリー・エマニュエルら。

『トップガンマーヴェリック』監督×ブラピ

『F1／エフワン』

6月27日公開
監督：ジョセフ・コシンスキー
主演：ブラッド・ピット

『トップガンマーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督、脚本のアーレン・クルーガー、同作のプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーが再びタッグを組み、ブラッド・ピットを主演に迎えた『F1／エフワン』は、F1の世界を舞台にした作品。ブラッド・ピット演じる伝説的元カリスマF1レーサーのソニーが最弱のF1チームを救うため現役復帰を果たし、命がけで夢「スピードの頂点」に挑む姿を描く。

F1の全面バックアップを得て制作された同作は、F1グランプリと同じロゴを映画ロゴに使用するほか、世界各国の本物のサーキットコースを使用。出演者は数か月のトレーニングを積みF1カーを実際に操縦するなどリアルを追求したという。

プロデューサーには現役F1レーサーのルイス・ハミルトンも名を連ね、脚本執筆プロセスに参加したほか、エンジン音などにもこだわったとのこと。