『クリエイターのヒミツ基地』

『クリエイターのヒミツ基地』 Volume16 水尻自子(アニメーション作家)

『クリエイターのヒミツ基地』 Volume16 水尻自子(アニメーション作家)

「お気に入り」に溢れた自宅兼作業スペース

女子美術大学の学生時代から住み慣れた東京都杉並区の方南町。駅からほど近いマンションの一室を自宅兼作業スペースにして制作に励んでいます。壁にはお気に入りの美術作品が飾られ、照明はやや暗め。リラックスできる落ち着いた雰囲気の仕事場で、水尻さんのクリエイティブを支えるヒミツ道具を紹介してもらいました。

トレース台

トレース台

下からライトを当て、イラストを透かして見えるようにすることで複写を可能にするトレース台。5年間愛用しているお気に入りで、それ以前はガラスのテーブルの下に裸電球を設置して作業していたと言います。

「3、4分の短編でも2千枚ほどのイラストを描くことになるので、なるべく長い時間集中できるよう、ライトなどの機械音がうるさくないものを選んで使っています。夏はライトの温度がこもって熱くなりますが、裸電球の時代から比べるとだいぶ進化したと思います(笑)」

メンディングテープ

メンディングテープ

トレース台にイラストを貼付ける際に用いるヒミツ道具。通常はトレース台の上部にある留め具で原稿を固定しますが、イレギュラーな位置にイラストを配置して、複製したい時などに使用するそうです。

「特にどのメンディングテープがいいというのはないんですが、とにかく剥がしやすいものがいいですね。一応ほかのテープとも比較して、一番使いやすいものを選んで愛用しています。普通のセロハンテープだと紙を傷つけてしまいますから」

消しゴム

消しゴム

手書きでイラストを描くことが多い水尻さんにとって、当然、消しゴムは必須のアイテム。こだわりは太さが違う3つの消しゴムを使いこなすことだと言います。

「1番太い消しゴムはイラスト全体を消すとき、真ん中の太さの消しゴムは線1本1本を消すとき、1番細い消しゴムは線の太さを調整するときに使います。アニメーションの制作では、少しの線のズレも許せない場面があって、そういう時には1番細い消しゴムを使って線を削る細かい作業をすることになります」

ドキュメントスキャナー

ドキュメントスキャナー

手書きのイラストをすばやく読み込み、動画を確認するために使っているとのこと。「スキャンすると勝手にパソコンに読み込んで連番で保存してくれるので本当に便利」なのだそうです。

「通常のスキャナーより動作が早い分、読み込む際に若干のズレが発生してしまうため、あくまで確認用として重宝しています。Photoshopを使って画面上でイラストを作成する場合はそのまま確認できるのですが、紙でイラストを描く際は相当な枚数を読み込まなければいけません。動きをチェックして何度も書き直す作業をするので、スピーディーに読み込んでくれるドキュメントスキャナーは強い味方です」

ペンタブレット

ペンタブレット

□□□(クチロロ)のライブ中に、アニメーション制作の過程を映像で流すパフォーマンスに参加した水尻さん。その際に購入したのが、液晶画面にそのまま描画することができる「Cintiq 12WX」という液晶ペンタブレットです。紙にイラストを描いてスキャニングするのではとてもライブ中に映像を完成させるのは不可能なため、購入を決意したのだといいます。

もともと、ライブパフォーマンス以外にも、Photoshopでイラストに色付けするときには必ずペンタブレットを使用しているとのことです。

「紙に描くことに対してこだわりがありましたが、ペンダブレットを使えばそれとほぼ同じ感触で作業できます。紙に描くのではなく、ペンを使って描くということにこだわっていたのだと思います。特に液晶ペンタブレットは、液晶画面にそのまま描くことができるので、本当にアナログの感覚に近いです」

終始マイペースな語り口で、自身の人生や作品について説明してくれた水尻さん。しかし、その根底に自身の作品についてブレない芯を持っているからこそ、観る者の「感覚」に訴えかけるアニメーションを制作することができるのでしょう。もちろん、それは愛用するヒミツ道具にも言えること。あなたも自身のこだわりを支えるヒミツ道具を、ぜひ探してみてください。

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