シンガーソングライターの目から見た社会の姿

命の大事さは音楽で訴えることじゃない。いま折坂悠太が歌うこと

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くの野外音楽フェスが開催を断念した2021年夏、『FUJI ROCK FESTIVAL』は大幅に規模を縮小するかたちで8月20日から22日にかけて開催された。

出演アーティストのなかには揺れ動く思いをステージ上から吐露する者もいたが、22日に出演を予定していた折坂悠太は直前に出演辞退を表明。「感染者が一人も出なかったとしても、直接的、間接的にもたらす影響が、遠い場所で、死角にいる一人の人生を変えてしまう」と記された表明文はこれまでにTwitterで1万件以上リツイートされ、各メディアでも取り上げられた。

前作『平成』からおよそ3年ぶりとなる折坂のフルアルバム『心理』。そこには迷い、格闘し、それでもなお音楽を奏でる折坂の姿が、一切の装飾や演出のないまま曝け出されている。近年活動を共にするバンド「重奏」の面々のほか、イ・ランやサム・ゲンデルも参加。

近年の折坂はドラマの主題歌となった“朝顔”のヒットもあって華々しい活動を展開してきたが、本作は自身の内面へ語りかけるような内省的な一面も持つ。

先の見えないコロナ禍において、シンガーはどのように言葉を紡ぎ、どのような歌を歌うことができるのだろうか。モニターの向こうの折坂が、一つひとつの言葉を慎重に選びながら、『心理』の背景にあるものを話しはじめた。

2020年12月に開催された『KEEP ON FUJI ROCKIN' Ⅱ ~On The Road To Naeba 2021~』より

折坂悠太の『フジロック』出演辞退の裏には、どのような葛藤があったのか

―またもやすごいアルバムをつくってしまいましたね。

折坂:ありがとうございます。

―アルバムの前の話として、まずは8月20日に『FUJI ROCK FESTIVAL』(以下、『フジロック』)の出演辞退を表明したことについて伺いたいと思います。辞退に対する思いはステートメントに書かれていますが、言葉の端々に結論に至るまでの迷いや悩みが表れていますね。

折坂:迷いはすごくありました。簡単にあの結論に達したわけじゃなくて、ほんの少しのきっかけで出てきたとも思いますし……いまもいろんな思いがあります。

―メンバーやスタッフの方とも事前に話し合ったんですか。

折坂:そうですね。8月15日に京都でやった最終リハーサルの段階では出演する方向だったんですけど、リハが終わったあとに「正直どうするか迷っている」ということをメンバーに伝えました。

折坂:ただ、最終的には自分ひとりで決めたんです。マヒトさん(GEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポー)と連絡を取ったり、ちょくちょく周囲の人と話したりしたんですけど、あまり相談してしまうと純粋に私の見解じゃなくなってしまう感じがして。

―折坂さんのステートメントはさまざまなメディアで取り上げられましたが、自分の言葉がひとり歩きし、予期しない力を持ってしまうことに対する恐れはあったんでしょうか。

折坂:それもありましたけど、あのまま私が出演することで発せられるメッセージのほうが怖かった。ニュアンスまでちゃんと伝わっていたのかどうかは別の問題かもしれませんが、伝わっていたからこそ「政治のせいにするな」という意見も聞いたし。

―ぼくも『フジロック』の配信を見たんですが、出演している側もまた折坂さんのようにいろんな思いがあって、多くの出演者がその思いをMCで口にしていましたよね。折坂さんも配信をご覧になったんですか。

折坂:(青葉)市子さんとGEZANは見ました。ただ、寂しくなっちゃうのでそれ以外は見られなかった(笑)。「ああ、ここでライブをやりたかったな」という気持ちがすごくあったので。

―なかにはかなり悲痛な表情で思いを吐露している出演者もいて、「ここまでのことを出演者が背負わなくてはいけないんだろうか」とも感じました。

折坂:それは正直あると思います。でも、考えてみれば普段立っているステージも同じだと思うんですよね。舞台に立つ責任というのはもともとあったものだと思うし、それが可視化されたのだとも思いますね。

いま政治的な意見を表明するのは、最低限守るべき安全と命の問題だから

―ステートメントのなかでは政府に対する憤りも書かれていて、少し驚いたんですよ。というのも、数年前にインタビューした際、折坂さんは政治的な意見をSNSで発信するべきか迷っていて、その段階では「結局表明しないようにしている」とおっしゃっていました。

折坂:確実に違うのは、あのときとは状況がかなり違うということですよね。違うというか、甘く見ていたということでもあるかもしれない。

折坂は『平成』のリリース時、CINRA.NETの取材において「Twitterでも政権批判の投稿をする寸前までいくんですけど、最終的にはいつも投稿できないんです。『俺の表現はそこじゃないだろ』という意識がどこかにあるんでしょうね」と話していた(記事を開く

折坂:当時の自分を否定するのもよくないと思うんですけど……『フジロック』に関しては、自分についてきてくれるバンドメンバーやスタッフ、観に来てくれる人たちの命を巻き込んでいるという気持ちがあったので、「アーティストとしての表明」だけでは足りないというか、迷いみたいなものを表せないと感じていて。

最低限、守るべき安全と命をどう考えているか、ということを前提にしないと話ができなくなってきたということでもあると思うんですね。

守るべき安全と命を守らないことに対する憤りは示していかないといけない。「それ(政治的な意見)を示すことで壁をつくってしまう」と言っていては手遅れになる感じがして……。

折坂:理想としては「誰の命も等しく大事である」という前提で議論していきたい。そこからいろんなことがはじまると思うんですよ。

でも、いまは悲しいことにその前提条件をまずつくらないといけない状態で、「そこは最低限共有しようよ」ということですよね。命に対する感覚がすごく鈍くなっているとも思うんです。かといって私が「命って大事だよね」と歌うのも、ちょっと違うかなと思っていて。

―実際、今回のアルバムにも政治性を帯びた言葉は見られないですよね。もちろん、すべての言葉は政治的ともいえるわけですが、あのステートメントに見られるような政治に対する直接的な言及はない。

折坂:それは感情で誘導してはいけないことだと思うんですよ。命が大事なのは感情に訴えかけて伝えることじゃなくて、むしろ真顔で言わなきゃいけない。音楽でうやむやにせず、言うべきことはあるというか……音楽の出番はもっと他にあるという感じがする。

この先何十年か経って、いまのことをどう思うんだろうと考えるんです。そういう局面にあって、音楽だけでは守れないものがあると思うし、だからこそきちんと言葉にするべきなのかなと。そう言ったことも含めて『フジロック』の出演を辞退する文章を書いたんです。

折坂悠太“トーチ”を聴く

月9主題歌“朝顔”が収録されなかった『心理』で折坂悠太が手を伸ばしたもの

―『心理』の制作は2019年冬からはじまったそうですが、2020年4月に予定していたレコーディングが緊急事態宣言で中止となり、収録楽曲を見直したそうですね。

折坂:そうですね。2021年になってそれまでの前提から変わってしまった感じがして。一人ひとりの孤独感、孤立感によりフォーカスしたものにしようと、収録楽曲や構成をイチから見直しました。

去年と比べてかなり危ないことになっていると思うんですけど、それでも(ライブを)やらざるを得ない状況下にあって、「自分を見つめるいい機会だ」とも言っていられなくなった。去年以上にかき乱されている感じがするんですよ。

―収録楽曲を見直す前に想定していたのは、ドラマの主題歌としてヒットした“朝顔”を中心にしたアルバムということだったんですか?

折坂:そうです。“朝顔”をEPで出したことによって、自分のなかでひと段落したような感覚があったんですよ。

“朝顔”をこのアルバムに入れることになっていれば、作品として別の答えの出し方があったとは思うんですけど、今回は『心理』という答えを選択をしたということだと思います。

折坂悠太『朝顔』を聴く

―『心理』の演奏は近年ライブを共にしている「折坂悠太(重奏)」のメンバーが中心になっていますが、それまで共に活動していた「合奏」とは音の肌触りがまったく違いますよね。即興演奏も取り入れられていて、「2020年代のオルタナティブ」ともいえる先鋭的な音だと思います。こうした方向に折坂さんが向かったのはなぜだったのでしょうか。

折坂:前作の『平成』では「時間の流れ」「時代性」を意識していたのですが、次は「地点」というか、京都や韓国といった特定の地域で何かをやることを考えていました。

―地点ということでいうと、『平成』リリース直前には投げ銭ツアーをやって地方の小さな会場を細かく回ったりしていました。京都は重奏のメンバーの拠点ですし、韓国はイ・ランさんとの交友もあって折坂さんとはゆかりが深い土地ですね。

折坂:ただ、重奏でやるうちに自分のなかにあったそうしたテーマよりも、一緒にバンドをやるなかでお互いに与え合う影響のほうが大事な気がしてきて。

そこからこの音がかたちづくられていったんですよね。重奏のメンバーが京都でやっている即興演奏の肌触りみたいなものが持ち込まれたことも大きいと思います。

折坂:あと、重奏のメンバーとやる前からライブでラジオを使いはじめたりと、その場ならではの変動する要素を加えることで、自分の音楽が生き生きしてくるという手応えがあったんですよね。

重奏のメンバーの即興性、流動的に歌に寄り添う感覚が、自分のなかのそうした手応えとマッチしたところはあったと思います。

―去年の11月に取材した際、折坂さんはこう話していましたよね。

「ここ数作のコンセプチュアルな作り方ではなくて、自分の感覚で何かを作れるタイミングなのかもしれない。もうちょっと自由になれるんじゃないかなと思ってるんです」

ライブ音源作品『暁のわたし REC2013-2019』特設サイトより(サイトを開く

―この発言は、いまの話とつながりますね。それまでの自分からさらに自由になるために重奏みたいなバンドを必要とした?

折坂:それはあるかもしれない。重奏のなかで演奏していると、すごく自由でいられるんですよ。

『Mステ』などを通じて大衆に歌を届ける一方、持ち前の実験精神とはどう折り合いつけているか?

―折坂さんが持つギターも変わりましたよね。以前はガットギターを弾いていましたけど、重奏とやるようになってからRozeo(日本のギターブランド)のエレキを弾くようになりました。

折坂:以前はエレキって面倒くさいイメージがあったんですよ。ギターにもツマミがあってエフェクターにもツマミがあって、その状態で同じサウンドをつくり出すなんて無理なんじゃないかと思っていた。

でも、毎回同じ状態をつくり出す必要なんてないんですよね。演奏する場所そのものとチューニングを合わせようとしたとき、エレキのほうが音をより広く、細かく調整できるわけで。最近では弾き語りでもエレキを使うようになりました。

折坂悠太『心理』初回限定盤DVDに収録されるUSEN STUDIO COASTのライブのダイジェスト映像

―最近のライブではルーパーで声を反復させたり、音を鳴らす方法論をより拡張させていますね。その一方で、『ミュージックステーション』のようなテレビ番組で“朝顔”を歌っていたりもする。折坂さんのなかでは、実験的な演奏活動と歌謡界のど真ん中で活動することのバランスについてはどう考えているんですか。

折坂:バランスがとれてないんですよね、正直言って(笑)。そこは少し苦いところでもあって。

ああいうふうにテレビに出させてもらったり、ドラマのために音楽をつくったりするなかで培ってきたもので現在何かをやっているという実感があまりないんですよ。

ああいう体験を自分のなかにどう落とし込むのか、迷っているところもあります。ただ、このアルバム自体には、そういう意味での迷いはないんです。

―『ミュージックステーション』で歌っている折坂さんではなく、(京都の多角的アートスペースである)UrBANGUILDで歌っている折坂さんのほうに近い?

折坂:そうですね。そういう迷いからは距離を置いてつくったアルバムだと思います。

―折坂さんのウェブサイトには『「心理」発売のご挨拶』というテキストがアップされていますが、そこにはこんな一節があります。

「何かに例えることができない。このアルバムは、簡単な物語に消化される事を拒んでいます。それでも私は表現者なので、表現できなければ終わりです」

折坂悠太『「心理」発売のご挨拶』(特設サイトを開く

―折坂さんのなかでは自分の歌が簡単に共有・消費されることに対する居心地の悪さがあるんでしょうか。

折坂:(長い沈黙のあと)……ドラマやコマーシャルの仕事をやった期間というのは、ひとつの感情、ひとつのメッセージをより広く伝えるためのものだったと思うんですね。でも、そこから取りこぼしてしまう「いまの気分」みたいなものがあると思っていて。

「わかりやすく感情的なほうに日々誘導されている感じがするんですよ」

―いまの気分?

折坂:そうです。“朝顔”は失ったものに対する感情を私なりに映し出したものであって、そういう曲もひとつの表現としてあってもいいとは思うんですけど、いまの状況や自分の心の動きを考えると、それだけでは言い尽くせないものがあるんですよね。

折坂:あと、自分がしんどくなるかなというのもあります。テレビもそうだし、SNSを見ていても思うんですけど、わかりやすく感情的なほうに日々誘導されている感じがするんですよ。

私も感情的なものに簡単に流されてしまうこともあるけれど、発信する側の人間でもあるので、その流れに加担するのはちょっと嫌だなと。そこは一度考え直したほうがいいところだなと思っていますね。

―とてもよくわかります。簡略化されたキャッチコピーみたいな言葉で、人を右から左へ誘導するというのがひとつの方法論として当たり前になってきている。広告や政治戦略だけじゃなく、SNSでもそういう言葉が溢れていて、ひとりの書き手として怖さを感じることも多いんですよね。「発売のご挨拶」にもそうした現状に対する感覚を感じました。

折坂:ただ、そこもせめぎ合いだと思うんですよ。私がやっているポップミュージックは引っかかる言葉を紡ぎ出し、さらにそこにコードをつけるわけで、悪く言えば(聞き手を)コントロールする作業をやっている。

感情的に受け取ってこそのポップミュージックだったりもするので……魚屋さんが「魚を食べないでください」と言っているようなものだとも思うんですけど(笑)。

―たしかに(笑)。

折坂:私は言葉の仕事をやっているとも思っているので、その点は自分に対する宿題でもあるとは自覚していますね。

人の感情をコントロールしようとする言葉で溢れる時代に、折坂悠太が選んだ歌のあり方

―「発売のご挨拶」には「いま私がするべきことは、ここに(そこに)ある心を見つめ、問いかけつづけること」とも書かれています。『心理』はまさにそういう作品で、自分の心に問いかけ続ける苦しさみたいなものが、ある種の重苦しさとして表れているとも感じるんですよ。

折坂:たしかにそういう作品ですよね。重奏でギターを弾いている山内さん(山内弘太)は、即興演奏のライブであっても、終わりにかけてどんどん盛り上がっていくのが定型になってしまうことに疑問を抱いていて、それではできない表現があるんじゃないか、ということを以前話していたんですよ。それってすごく大事な話だと思うんです。

大きな音を出してエモーショナルに盛り上げるという演奏方法は、ひとつの手段ではあるけれど、それが目的になってはいけないなと。

そうじゃない演奏のかたちがあると思うんですよ。このアルバムには「ここで軽やかにはしてやらん」って抗いがあるのかなとは思います(笑)。

折坂悠太“春”を聴く

―歌詞にも「心を見つめ、問いかけつづける」という姿勢が表れていますね。“悪魔”や“鯱”“荼毘”あたりは、内面を覗き込んだときに浮かび上がってきた折坂さんの心象風景みたいな感じもする。

折坂:あるとき、自分が何を伝えたいかを明確にして、それをプレゼンするような考え方で歌詞を書いていた、ということに気がついたんですよ。それは嫌だなと思って。なので、“悪魔”は自分でも意味のわからない言葉を羅列してみて、そこから書きはじめたんです。

―へえ、それはおもしろい。

折坂:でも、自分の性格上、完全にそのかたちで書くのは無理で。いまの思いにどうしてもつながってしまうんですけど、そういうプロセスを経由して辿り着いたものと、プレゼン的な発想でつくったものはちょっと感じが違うなと思いました。

―“爆発”には<もういいかい>という言葉があったりと、いくつかの曲には問いかけ・呼びかけのニュアンスがはっきり出ています。ただ、その呼びかけとはかつて(忌野)清志郎さんが叫んだ「愛し合ってるかい?」みたいなものではなく、もっともっと抽象的なものですよね。このアルバムで折坂さんはいったい誰に呼びかけているんでしょうか。

折坂:今回の収録曲の歌詞を活字にして見たとき、意識のない人がベッドに横たわっていて、その人に対して話し続けているような歌詞だと思いました。返答のないものに対し、ひたすら投げかけ続けているという。

それはもしかしたら自分に対して呼びかけているのかもしれないし、見えない相手に向けて言っているのかもしれない。自分は曲をつくることで誰かに何かを返してもらおうって考えが本当になくて……。

「声にして出す」という行為そのもの意味がある。嘆きや叫び、歌に、声の大きさは関係ない

折坂:(長い沈黙)……たとえば、私の曲を聴いて「すごく元気が出ました」と言ってもらえるのはすごく嬉しいんですけど、でも、それはその人の出した答えなので、いまの私とあまり関係がないんです。

でも、そういうことを考えていくと、途端に梯子を外されたような感じがするんですよね。「自分はテレビとか出てるけど、一体何がやりたいんだろう?」って……。

―“心”のなかに<やまびこのように>という一節がありますが、いまの折坂さんにとっての歌とは「やまびこ」みたいなものなのかもしれませんね。

―「ヤッホー」という言葉には何の意味もないし、それを聴いた誰かに何かを感じとってほしいという思いさえないんだけど、「ヤッホー」と叫ぶことで「私はここにいるぞ」と訴えかけている。いまの折坂さんの歌とそういう純粋な叫びは、どこかで通じている気がするんですよ。

折坂:至るところでいろんな人がやまびこを起こせるようになるのが、私の考える楽しい社会なんでしょうね。誰かが誰かを誘導してやろうという作為なくて、誰かのやまびこを押し込められない社会。

街を歩いていると、何かの目的がある言葉に埋め尽くされていることに気づかされますけど、そういうものだけじゃなくて、純粋に声を出す楽しさ、自分の意見を持つ楽しさを体現できたらいいなと思っていますね。

―“윤슬(ユンスル)”ではイ・ランを迎えていますが、この曲などはまさにお互いに「ヤッホー」と呼びかけ合っているような曲ですよね。イ・ランのような友人が海外にいて、なおかつこういうかたちで呼びかけ合えることは折坂さんにとっても救いになってるのでは?

折坂:そうですね。それぞれが好きなように声を出し、好きなように踊るという光景を、韓国の『Seoul Soldout(서울인기)』というフェスに出たとき目の当たりにしたんです。

海外から来たからそういうふうに見えたのかもしれないけど、一人ひとりが誰の真似もせず、それぞれ違う踊り方をしていて、違う楽しみ方をしている。その光景がすごく自由に見えたんです。

『折坂悠太「心理」オンライン先行試聴会』のゲストとして出演した際、イ・ランは「大きい声を出さないと、(心が)ぎゅうぎゅうになってつらくなるんです」と語っていた

折坂:イ・ランは自分のストレスや悲しみについてよく嘆くんですけど、嘆くことによって自分と同じ価値観の人に何かを訴えかけたいのではなく、自分が嘆くことそのものに意味があるという感覚なんですよね。嘆くことによって誰かの声も聞こえてくる、そういう感覚。

歌も含めた「声を出すこと」の重要性は、韓国に行ったり、イ・ランと出会ったことで決定的なものになったと思います。「声を出す」といっても必ずしも大きな声じゃなくてもいい。それは、“ユンスル”のイ・ランみたいに、耳元で語りかけるものでもいいはずなんです。

リリース情報
折坂悠太
『心理』初回限定盤(CD+DVD)

2021年10月6日(水)発売
価格:5,280円(税込)
ORSK-015

[CD]
1. 爆発
2. 心
3. トーチ
4. 悪魔
5. nyunen
6. 春
7. 鯱
8. 荼毘
9. 炎 feat. Sam Gendel
10. 星屑
11. kohei
12. 윤슬(ユンスル) feat. イ・ラン
13. 鯨

[DVD]
・『折坂悠太単独公演2021<<<うつつ>>> 2021年6月4日(金) 東京・USEN STUDIO COAST Live & Tour Document』
1. 春
2. 心
3. 芍薬
4. 朝顔
5. トーチ
6. のこされた者のワルツ
7. 鶫
8. 轍
9. 鯱
10. 炎
11. よるべ
12. 坂道
・河合宏樹によるドキュメンタリー映像
※DVDは初回限定盤に付属
折坂悠太
『心理』通常盤(CD)


2021年10月6日(水)発売
価格:3,300円(税込)
ORSK-016

[CD]
1. 爆発
2. 心
3. トーチ
4. 悪魔
5. nyunen
6. 春
7. 鯱
8. 荼毘
9. 炎 feat. Sam Gendel
10. 星屑
11. kohei
12. 윤슬(ユンスル) feat. イ・ラン
13. 鯨
イベント情報
『折坂悠太 「心理ツアー」』

2021年10月29日(金)
会場:大阪府 サンケイホールブリーゼ

2021年10月30日(土)
会場:広島県 JMSアステールプラザ 中ホール

2021年11月2日(火)
会場:愛知県 名古屋市芸術創造センター

2021年11月6日(土)
会場:宮城県 日立システムズホール仙台 シアターホール

2021年11月20日(土)
会場:福岡県 博多 福岡国際会議場 メインホール

2021年11月22日(月)
会場:北海道 札幌 共済ホール

2021年11月26日(金)
会場:京都府 ロームシアター京都 サウスホール

2021年12月2日(木)
会場:東京都 LINE CUBE SHIBUYA
プロフィール
折坂悠太
折坂悠太 (おりさか ゆうた)

鳥取生まれ、千葉県出身のシンガーソングライター。平成元年生まれの折坂ならではの極私的な感性で時代を切り取りリリースされた前作『平成』は、2018年を代表する作品として、『CDショップ大賞』を受賞するなど、高い評価を受ける。2019年には上野樹里主演、フジテレビ系月曜9時枠ドラマ『監察医 朝顔』主題歌に“朝顔”が抜擢され、2020年同ドラマのシーズン2の主題歌続投も行い、今年3月にはミニアルバム『朝顔』をリリースした。また、佐藤快磨監督、仲野太賀主演の映画『泣く子はいねぇが』では自身初の映画主題歌・劇伴音楽も担当するほか、今年4月には、サントリー天然水、サントリー角ウイスキーのテレビCMソングを担当するなど活躍の幅を広げている。2021年10月6日、3年ぶりとなる新作アルバム『心理』をリリースする。



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