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名もなきバイトが日本屈指のプロに。チョークボーイのバイト時代

名もなきバイトが日本屈指のプロに。チョークボーイのバイト時代

マイナビバイト「ほぼプロチャレンジ」
テキスト
阿部美香
編集:野村由芽

アルバイトから日本屈指のチョークアーティストになった、チョークボーイのバイト時代とは?

人はプロとして生まれてはこない、プロになるのだ。そんな言葉を思い出させてくれる、熱のこもったプロジェクトが始動している。それが、アルバイトを通してワカモノの成長を応援する「ほぼプロチャレンジ」。「ワカモノだけで、プロが認めるお店をプロデュースすることはできるのか?」をテーマに、初顔合わせとなるワカモノたちがチームを組んで仕事にチャレンジする企画だ。「アルバイト」と聞くと、小遣い稼ぎをするために、楽な仕事を片手間に……というイメージが強いが、そこで「本気」を出したとき、何が起きるのだろうか?

アルバイト経験が未来に結びついた一人が、全国を飛び回り、手描きの文字や絵で黒板を彩るアーティスト・チョークボーイだ。手描きとは思えぬ精緻なチョークアートで知られるチョークボーイは、プロフィールに「カフェのバイトで毎日黒板を描いていたら、どんどん楽しくなってきて気がついたら仕事になっていました」と書いているように、「ほぼプロ」を「プロ」へと昇華させた人物。そんな彼のアルバイト時代を訊いた。

チョークボーイ:僕がチョークアートを始めるようになったきっかけは、カフェのアルバイトでした。とはいえ、最初からやりたくて始めたわけではなくて、黒板にメニューを描く仕事がアルバイトのシフトに組み込まれていたんです。それが終わると休憩に入れたので、僕は黒板を描く時間も休憩のようにサボりたいと考えていました。

最初は手を抜くことで楽をしてたんですけど、それだとやっぱり怒られて(笑)。それで逆にちゃんと描くようにしたんです。そしたら、先輩やお客さんの目を楽しませられたし、描いているときに視線を感じると、やっぱりノってくるわけです。

チョークボーイはそのうち、いちアルバイトの身でありながら、お抱えチョークアーティストとしての仕事が増えていったのだとか。

チョークボーイ:カフェを運営している会社の社長にも、「絵が面白いね」と認められて、新店舗がオープンすると、アルバイトなのに出張にも行きました(笑)。他店のプロデュース事業のメンバーに抜擢されたとき、僕を紹介するのに、会社としては「ただのアルバイトを連れてきた」とは言いにくい(苦笑)。「アーティスト」を名乗るように言われて、そこからアーティストとしての活動が始まりました。

チョークボーイがアルバイトとして出張したときに描いた黒板その1
チョークボーイがアルバイトとして出張したときに描いた黒板その1

チョークボーイがアルバイトとして出張したときに描いた黒板その2
チョークボーイがアルバイトとして出張したときに描いた黒板その2

自分に合った仕事を続けるほうが、「短期・高収入」よりも生産性が高い

これこそ、アルバイトで黒板描きをしていた「ほぼプロ」が、チョークアーティストという「プロ」になった瞬間だ。また、チョークボーイは「そのカフェでは結局、22~23歳頃から約6年間、アルバイトしていました」と言う。短期でたくさんのお金を稼ぐことが目的となる場合も多いが、6年間という長い期間、彼がアルバイトを続けたのはなぜだったのだろう。

チョークボーイ:チョークアートの腕を磨いたことで、自分の居場所ができたことが大きかったと思います。高校ではデザインを学んでいたんですけど、もともとは将来音楽で食べていきたいと思っていて、アルバイトで生計を立てていました。そのカフェは音楽やデザインのイベントをやるような場所だったので、バイト仲間も表現に携わる人が多く、気が合ったんです。

それまでにテレアポのような高収入バイトをしたこともあったけど続かなくて、次のバイトを探すときにタイムロスが生まれてしまった。自分に合った仕事をしたほうが、結局いろんな意味で効率的だし、生産的なんですよね。

彼がアルバイトから学んだことは、他にもあると言う。

チョークボーイ:カフェの親会社が大型商業施設の店舗開発をやっていたので、僕もひたすら経済新聞の切り抜きを集めたりする下っ端仕事をさせられていて。そこで経済や流行など、世の中の仕組みの裏側を学んで、意外かもしれませんが、今チョークボーイとして活動する上でのブランディングを考えるときにすごく役立っているんです。

チョークボーイの最近の作品その1 2017年の『森、道、市場』の出店ブース
チョークボーイの最近の作品その2 大阪・京阪沿線の楠葉モールのリニューアル&アニバーサリーのメインビジュアル

斜に構えるより、本気になったほうが楽しい

今回の「ほぼプロチャレンジ」の第一弾は、「本場のイタリア人が認めるイタリアンレストランを作ろう」というもの。

レストラン勤務をしてみたいという大学生、専門学校生ら18~21歳の男女10名が参加してチームを結成し、イタリア料理研究家のベリッシモ・フランチェスコの下で1か月半の研修を積み、実際に1日レストランをオープンしてコース料理を振る舞った。素人だった彼らが、プロフェッショナルに近づいた「ほぼプロ」として成長していった1か月半の過程は、動画として刻まれ、配信されている。

「ほぼプロチャレンジ」の他の動画を見る #1 #2 #3 #4 #5

チョークボーイの例に限らず、「ほぼプロチャレンジ」の参加者も、ベリッシモの厳しいダメ出しのもとすっかり顔つきが変わり、誰かがミスをしてもフォローし合うチームワークを身につけ、プロ意識を芽生えさせていく様子が、手に取るように感じられる。はじめは気軽な気持ちで始めた挑戦かもしれないが、1日レストランを終えた後、逞しい表情で「辛いこともあったけど楽しかった」と達成感を語る生の言葉は、ちょっと感動的だ。

チョークボーイ:アルバイトでも何でもそうですが、目的意識を持てばどんどん楽しくなるんですよ。例えば「バイトリーダー」って、時に揶揄されたり、煙たがれたりするけど、斜に構えている人よりも、バイトリーダーのほうが、ずっと仕事を楽しんでるんだろうなって思うんです。本気になったことは、どんなことでも将来、絶対に他のことに活かせる。僕も今、経済新聞の切り抜きがめちゃめちゃ役立っていますから(笑)。

今回の「ほぼプロチャレンジ」は、アルバイトを通してワカモノの成長を応援する「ワカモノ成長プロジェクト」の一環。ほかにも、将来なりたい職業の著名人のインタビューが読めて、関連アルバイトが探せる「逆引き成長バイト辞典」や、今まさにアルバイトに従事して成長中の人にインタビューする「アルバイト成長宣言」などのプロジェクトも進行中。イタリアンレストラン作りが第一弾となった「ほぼプロチャレンジ」が、第二弾、第三弾でどんなチャレンジを仕掛けるかも楽しみだ。

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プロジェクト情報

マイナビバイト「ほぼプロチャレンジ」

アルバイトの「経験」と「挑戦」を通じて成長したい若者をサポートする「ワカモノ成長プロジェクト」の一環として、ワカモノだけで、プロが認めるお店をプロデュースすることをめざす「ほぼプロチャレンジ」が発足。第一弾の「ほぼプロレストラン」では、「レストランをプロデュースしてみたい。」という共通の思いを持って応募し、選ばれた10人のワカモノたちが1ヶ月半にわたり、試行錯誤を重ねます。

  • 「ワカモノ成長プロジェクト」サイトを見る
  • プロフィール

    チョークボーイ

    5年ほど前までアルバイトを続けた大阪・梅田のカフェ「カフェ&ブックス ビブリオテーク」のメニュー黒板を担当すると、その黒板が評判を呼ぶように。チョークの楽しさにハマり、気づいたらいつの間にかそれが仕事になり、チョークボーイとして活動を始める。日本をベースに世界中、黒板のあるところならどこでも描きに行く。自身のノウハウを詰め込んだ著書『すばらしき手描きの世界(主婦の友社)』も発売中。

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