在宅ワークを快適に。コロナ禍でさらに注目の音声メディアを紹介

コロナ禍以降、在宅ワークが進み外出も制限され、気軽に人と会うことがままならなくなって、かれこれ一年半以上が経つ。日常が大きく変化したなかで、仕事とのオンオフがつきにくくなったり、孤独を感じやすくなったという声も多く聞く。

そんななか、近年注目されるラジオやポッドキャストなどの音声メディア。「誰かの他愛のない話」をこっそり聞けるような感覚があったり、パーソナリティーが自分だけに話してくれているような親密さを感じられたりと、いまを生きる人たちの「心のよりどころ」になっていることが人気の理由かもしれない。

そんな「音声メディア」について、かねてからラジオやポッドキャストを愛聴し続け、自身のポッドキキャスト番組も持つライターの黒田隆憲氏がその魅力を綴る。長く愛される芸人の深夜ラジオから、スターバックスが配信するポッドキャスト番組『STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT -Stories to lead your mood-』まで、幅広く紹介する。

新型コロナウイルスの感染拡大によるステイホームが続き、仕事との向き合い方やライフスタイルにも大きな変化が訪れた。なかでも「音声メディア」との付き合い方は、筆者自身コロナ以前と比べて格段と「密」になった気がする。

もともと音声メディアは好きだった。はるか昔、受験時代の友だちは深夜ラジオだったし、勤め人だったころは移動中の車のなかで、FMラジオから思いがけず流れてくるお気に入りの音楽に心を踊らせたものだ。バンドでメジャーデビューを果たした20代後半、『山下達郎のサンデー・ソングブック』(TOKYO FM)に自分の曲が流れたときの心の震えは、いまも忘れることはできない。

数年前、思うところがあってテレビを処分してからは、ますます音声メディアとの付き合いも増えてきた。それがコロナ禍に一気に加速した感がある。ラジオやポッドキャストがいままで以上に心のよりどころになっている人は、私だけではないはずだ。

「radiko」の普及がつないだ、若者とラジオ

ビデオリサーチによれば、若者(ここでは「18~24歳の男女」と定義)の間でラジオを「週に1日以上聴く」層が、2018年から2020年にかけて年々増えており、その層のなかでも「radiko」(スマホやパソコンでラジオを手軽に楽しめるアプリ)の利用者が大きく増加しているという。

またそれにともない、radikoの「タイムフリー」(番組放送後1週間以内であればいつでも聴取できる機能)の利用経験者も、とくに若者の間で増えているようだ。時間に縛られることなく聴きたいときに聴きたい、SNSなどで話題になった番組だけ効率よく聴きたい、といった若者の要望に、radikoの機能がうまくマッチングしたことが、利用者数増加につながったことは間違いないだろう。

音声メディアが愛されるわけ。リスナーとパーソナリティーの間に生まれる「親密さ」と「コミュニティー」

音声メディアの魅力はいろいろあるが、なかでも「ながら聞き」ができることは、忙しい現代人にとって大きなメリットだ。通勤通学の合間や、ちょっとした隙間時間、またはリモートワークをしながら、耳だけ傾けていれば情報が収集できる。

また、視覚に頼らず音声のみで情報を得ようとすると、そのぶん想像力も鍛えられる。継続して聴取している番組だと、パーソナリティーの声色によってその日の気分やコンディションまでわかってしまうこともあり、それが聴き手とパーソナリティーの間の、ある種の「親密感」にもつながっていると思う。

実際、ラジオやポッドキャストでレギュラー番組を持っているパーソナリティーが、自身の重大発表をその番組ですることは多い。リスナーとパーソナリティーの距離が他のメディアよりも近いぶん、リスナー同士の「絆」や「コミュニティー」が生まれやすいのも音声メディアの特徴といえるだろう。

また音楽ファンにとっては、ミュージシャンの新曲がラジオで先行発表されたり、ラジオブース内でスペシャルライブが行われたり、そこでしか得ることのできない情報があるのも魅力的だ。そしてそれは、コロナ禍にフェスやライブを楽しむ機会が激減してしまったいま、より強く求められているのではないだろうか。

近年盛り上がるポッドキャスト。聴くだけでなく、誰でも自分の番組を持つことができるのも魅力

ラジオだけでなく、近年はポッドキャストが大きな盛り上がりを見せており、番組数もすごい勢いで増えている。その背景には、Amazon MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスでも聴取できるようになったことや、個人でも気軽にポッドキャスト番組を始められるようになったことが挙げられる。

実際、私の周りでも自分のポッドキャスト番組を始めた人は多く、僭越ながら私自身もピーター・バラカンさんと『BARAKAN CINEMA DIARY』という番組を立ち上げ、不定期に更新している。こうしたアクションも、大手スポンサーが必要なテレビやラジオの番組では考えられなかったことだ。

そうした音声メディア熱の高まりは、他の媒体にも少なからず影響を与えている。たとえば、ジェーン・スーによる同名エッセイをドラマ化した『生きるとか死ぬとか父親とか』(テレビ東京)では、劇中でスーをモデルにした主人公・蒲原トキコが出演する人生相談番組『トッキーとヒトトキ』が描かれているが、これはスー本人がパーソナリティを務めていたTBSラジオ『週末お悩み解消系ラジオ ジェーン・スー相談は踊る』(2014~2016年 / TBSラジオ)をモチーフにしたもの。また、伊藤万理華が主演を務める深夜ドラマ『お耳に合いましたら。』は、ポッドキャストのパーソナリティ成長記として、テレビ東京とSpotifyが連動したユニークな作品だ。

愛聴するラジオ番組をご紹介。「単独首位」を独走する、深夜の芸人ラジオ

さて、ここからは私自身が普段愛聴している番組をいくつか紹介していきたい。

まず深夜枠では『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を、毎週必ず聴いている。2009年10月にスタートしたこの番組は、ビデオリサーチによるラジオ聴取率調査にて、2016年2月度の調査以来32回連続で全局中「単独首位」を獲得しているモンスター番組である。

オープニングトークの後、若林正恭と春日俊彰が一人ずつフリートークを行なう極めてシンプルな構成で、だからこそ二人のパーソナルな魅力が問われる。

さらに、『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)と『山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ)は、若林と山里の漫才ユニット「たりないふたり」にインスパイアされたCreepy Nutsが同名曲をリリースするなど、三者は深い関係があり、その裏話を「のぞき聞き」できるという意味でもこの3つの番組は欠かせないのだ。

他にはないコンテンツづくりが話題。平日朝の報道番組

また、平日の朝6時から8時まで放送されている報道番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』(ニッポン放送)を聴くのも私の日課だ。

ジャーナリストの佐々木俊尚や数量政策学者で元大蔵省官僚の高橋洋一らゲストが日替わりで登場し、国内外の政治経済やエンタメ、スポーツなど幅広いニュースを取り扱う人気番組で、今年6月には安倍元首相の独占インタビューを放送するなど、他にはないコンテンツづくりが毎回大きな反響を呼んでいる。

幅広いリスナーから支持される、平日昼の人気番組

前述のジェーン・スーがリスナーのさまざまな悩みに応える『生活は踊る』(TBSラジオ)や、アナウンサーの赤江珠緒がカンニング竹山や博多大吉ら日替わりゲストとともにトークを繰り広げる『たまむすび』(TBSラジオ)も、仕事をしながらよく聴く番組だ。

どちらもパーソナリティーの等身大の語り口が人気で、平日の昼間という時間帯にも関わらず学生からビジネスパーソンまで幅広い層から支持を得ている。これもまた、radikoのタイムフリー機能が果たした役割は大きいはずだ。

数ある番組から、自分の関心事にあわせて。おすすめポッドキャスト番組をご紹介

ポッドキャストにもお気に入りの番組がいくつかある。とりわけジェーン・スーとTBSアナウンサー堀井美香による『OVER THE SUN』と、講談社のウェブマガジン「mi-mollet」編集部の「バタやん」こと川端による『真夜中の読書会~おしゃべりな図書室』は、毎週の更新を楽しみにしている。

『OVER THE SUN』は、リスナーからのお便りを紹介しつつ、二人がトークを繰り広げていくのだが、話の広げ方や視点のズラし方、ユーモアとシリアスのさじ加減などすべてが絶妙で、笑ったり唸らされたりしながら、ついつい聴き入ってしまう。『真夜中の読書会~おしゃべりな図書室』はリスナーからのお便りをもとに、毎回バタやんがおすすめの書籍を紹介してくれる番組で、本選びの良きコンシェルジュとして愛聴している。

各界で活躍するビジネスインフルエンサーが登場。在宅ワーカーの「おとも」として

国内スターバックスブランド初となるブラック無糖のショート缶コーヒー、STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOTの発売に合わせて、6月からスタートした『STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT -Stories to lead your mood-』も、愛聴するポッドキャスト番組だ。サッシャがナビゲーターを務める本番組は、各界で活躍するビジネスインフルエンサーからワークスタイルを中心にSTARBUCKS® BLACK COFFEE SHOTを飲みながら話を聞くというもの。

エピソード1~2にはインテリアスタイリストの遠藤慎也が、エピソード3~4には建築家の岡野道子がゲストとして登場。現在の職に就くきっかけや、クリエティブな発想の仕方、普段のインプット方法など、雑談を交えながらざっくばらんに明かしていくビジネスパーソン向けのコンテンツだ。本日公開のエピソード5および9月6日公開予定のエピソード6には、ブックデザイナーの佐藤亜沙美が登場し、書籍のデザインにまつわる日々の仕事内容から、在宅ワークに欠かせないお気に入りアイテムを紹介している。

収録の合間の様子。左から:佐藤亜沙美、サッシャ(撮影協力:J-WAVE(81.3FM)

さまざまなゲストの仕事への向き合い方や考え方、在宅ワークを快適に過ごす工夫などを紹介するこの番組は、コミュニケーションロスや自宅作業によりモチベーションが上がりづらかったり、オンオフが切り替わらず集中力が高まりづらかったりするビジネスパーソンの心に寄り添い、背中を押してくれる「仕事のおとも」のような存在だ。

具体的な内容は実際に聴いていただくとして、ゲストが実際に使用しているツールや、気分転換のためのグッズが紹介されるので、「自分だったらそれをどう活用するかな?」などと思いを巡らせるのも楽しい。「ながら聴き」ではなくしっかり聴きたくなるコンテンツなので、筆者はいつも仕事の合間にじっくり聴いている。番組で出演者たちがSTARBUCKS® BLACK COFFEE SHOTのプルタブを開ける、「プシュ!」という音に合わせて自分もコーヒーブレイクをとれば、彼らと同じ空間にいるような気分も味わえるのだ。

思えばいまから10年前、東日本大震災のときにも音声メディアの重要性を思い知らされた。総務省の調べによれば、震災発生時は即時性の高いラジオの評価が、他のメディアと比較し高くなっていたという(「震災当初はラジオが唯一の情報入手手段であった」という声も多かった)。

ときには勉強や作業の「おとも」として、ときには孤独に寄り添う「話し相手」として、そしてときには災害時の「有力な情報源」として、私たちのライフスタイルを支えてくれる音声メディア。アフターコロナ / withコロナの不確実な世界で、今後ますますその重要性が高まっていくのは間違いないだろう。

番組情報
『STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT -Stories to lead your mood-』

「STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT」オリジナル音声コンテンツとして、Amazon Musicのポッドキャスト機能にて配信中。音楽とトークによるこころ導く瞬間をお届けします。

キャンペーン情報

抽選で合計250名様に(第一弾)「STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT」30本入り1ケースと、オリジナルステッカー「Coffee Connection Card」をプレゼントするキャンペーンを開催中。エピソード5(8月30日配信)とエピソード6(9月6日配信予定)で発表する各キーワードを集めて、「STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT」特設ページから応募できます。

応募期間:2021年8月30日〜9月13日

商品情報
スターバックス® ブラックコーヒーショット

2021年5月25日(火)発売
容量:165g / 30本入



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