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ヨコハマトリエンナーレ2011 参加作家インタビュー連載vol.4 誰もがクリエイティビティを持っている カールステン・ニコライインタビュー

ヨコハマトリエンナーレ2011 参加作家インタビュー連載vol.4 誰もがクリエイティビティを持っている カールステン・ニコライインタビュー

Hitomi Moro
撮影:小林宏彰
2011/09/12

カールステン・ニコライはビジュアル・アーティスト、そしてサウンド・アーティストとしてアートと音楽というジャンルを横断しながら国際的に活躍する数少ないアーティストだ。現在開催中の『ヨコハマトリエンナーレ2011』 OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?―』でも作品を公開している。これまでに日本国内でも山口情報芸術センターや森美術館、ワタリウム美術館をはじめ数多くの展示を行ってきているが、その作品に限らず、どこか謎めいた雰囲気を持ったアーティストだと感じている人も多いだろう。しかし、展示準備で来日したカールステン・ニコライに聞くと、意外にも「アートを観るときには深く考えず、感じることが大事」だという。このたび、作品の構想から震災後の日本と世界について、そして彼の創作を刺激する存在としての「日本」など、幅広い話題について伺った。

PROFILE

カールステン・ニコライ(Carsten Nicolai)
アーティスト/ミュージシャン。1965年、ドイツのカール・マルクス・シュタット(現ケムニッツ)生まれ。ベルリンおよびケムニッツ在住。サウンド・アーティストとしては、ノト(noto)、アルバ・ノト(alva noto)の名で活動。1992年にnoton.archiv fr on und nichttonを共同で創立し、1999年に音楽レーベルraster-noton(ラスター・ノトン)を共同創立。池田亮司とのユニットであるCyclo.としての活動や坂本龍一とのコラボレーションも盛んに行い、世界各地でパフォーマンスを行っている。ビジュアル・アーティストとしては、過去にニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館、パリのポンピドゥー・センター、ロンドンのテート・モダンなどで展示を行っている。
carsten nicolai

実際には手で触れることができない、という側面にも魅力を感じました

―まず、今回『ヨコハマトリエンナーレ2011』で展示する作品のコンセプトについて教えて頂けますか?

CN:今回は2つの作品を展示しています。1つは『fades(フェーズ)』という作品で、過去に何度か展示したことのある作品です。「プロジェクション(投影)」という非常にシンプルなコンセプトの作品ですよ。ただし投影そのものがテーマではなく、投影することで生まれる光の筋とその形こそが「彫刻」としての意味を持っています。それをより強調するために、靄がかかったような空間を演出し、光の存在感を与えています。

―あなたの作品によく見られる、数学的で物理的なコンセプトを持った作品なのでしょうか?

CN:投影している映像自体は、モノクロのグラデーションを使っていろいろ計算しながら作ったものなので、時にシンプルな模様を見せているかと思えば、より複雑な模様を生み出していたりもします。つまり、この光の筋を生むために数学的なプロセスをたどっているわけですが、実際目にしてみるとオーガニックな表情を見せてくれることもありますよ。

『ヨコハマトリエンナーレ2011』 参加作家インタビュー連載vol.4 誰もがクリエイティビティを持っている カールステン・ニコライインタビュー
Carsten NICOLAI《fades》2006/2011
Installation view for Yokohama Triennale 2011
Courtesy Galerie EIGEN+ART, Leipzig / Berlin and The Pace Gallery
Photo by KIOKU Keizo
Photo Courtesy of Organizing Committee for Yokohama Triennale

―本作の構想はいつからあったんでしょう?

CN:きっかけとなったのは、こんな出来事です。きっと皆さんも同じような経験があると思いますが、せっかく映画館に行ったのに映画自体が面白くなくて、スクリーンでなく映写機の方を見上げてしまうような状態ってありますよね(笑)。

―ありますね…(笑)。

CN:私は子どものころから、そのとき起きている現象にすごく興味があったんです。つまり、映写機から照らし出されている光の筋や、それが音とシンクロしている様子ですね。それから、「光が『彫刻』としてそこに在ったとしても、実際には手で触れることができない」というような側面にも、魅力を感じていたんです。

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