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青木良太(陶芸家) インタビュー

青木良太(陶芸家) インタビュー

インタビュー・テキスト
松本香織
撮影協力:金澤美術

僕らは「今という時代に合った焼き物を作る」という気持ちでやっていかなきゃいけない。

―え? そうなんですか?

青木:日本では「ご飯はこれに盛ろう」「肉じゃがにはこれ」って器を選ぶでしょう? 僕、海外に行って気づいたんですけど、ほかの国では選ばないんですよ。みんな同じお皿でいいじゃん、って。ヨーロッパ、アメリカ、全部そう。

―それぞれの料理に合わせて器を選ぶのは日本だけなんですね。

青木:なぜそうなったかというと、400年前の桃山時代に、織田信長、豊臣秀吉たちが「茶の湯」という文化を発展させたから。言ってみれば、ちょっと昔のヒルズ族みたいな人たちが「俺、こんなすげえ茶碗を持ってるんだ」と自慢したり、武功に対して茶入を与えたりという世界。それで陶芸が浸透したんです。

でも、その後の陶芸家たちは、桃山時代に作られた志野や織部なんかを再現しているだけなんですよ。その繰り返しだったから、陶芸はどんどん廃れていったんです。理由はそれだけではないと思うのですが。だから僕らは、桃山時代の精神を受け継いで、「今という時代に合った焼き物を作る」という気持ちでやっていかなきゃいけない。そうしていくのが僕の役目かな、と勘違いしながらやっているところです。

青木良太(陶芸家) インタビュー

―今、陶芸界の若手ってどうなんですか?

青木:すごいですよ、20年ぶりくらいに盛り上がっていると言われています。けど、作家同士はお互いのことを知らないんですよ。備前や益子で活躍している人の作品は見るけど、本人のことは知らない。どうやって生活しているかも分からない。別に知らなくてもやっていけるんですけどね。だけど僕はそれがすごくさびしくて、全国の若手陶芸家を集めて、毎年飲み会をやってるんです。そのときは仲良くなるために、1人1点、自分の作品を持ってくる。そうしたら「俺、こんなの作ってるんだぞ」って話ができるじゃないですか。

去年はお盆にやったんですけど、それでも150人くらい来てくれて。もう、みんな陶芸家ですよ! 今年(2009年)も8月の29日、30日にやります。その会、名前がダサいんですけどね。「イケイケヤング陶芸家集会☆」、略して「イケヤン☆」(笑)。

―趣旨はただ「楽しく飲んで騒いで終わろう」なんですか?

青木良太(陶芸家) インタビュー

青木:まあ、そうやって30代前後のうちに仲良くなっておいて、いずれみんなでコラボして、バーンと展覧会をやれたらな、と。そうしたら400年前と同じように、陶芸界が活性化するかもしれない。たとえば僕の同世代の作家の作品を持って、渋谷とか原宿の若者に「これどう?」って見せたら、やっぱり「ヤベえ、かっこいいじゃん!」という反応が返ってくるんですね。

ふつうギャラリーでは、おばさんたちが作品を見て「すてきですね」と言いますけど、そういう若者がフラッと入って来ると、「これヤバくね?」(笑)。雰囲気変わるんですよ。あ、分かる人には分かるんだ、って。とりあえずみんなに陶芸を知ってもらうには、表に出るしかないな、って。

―青木さん、本気ですよね。アトリエに日の丸を貼って「日本代表」を目指しているだけありますよ!

青木:本気ですよ。陶芸と心中するつもりでやってますもん、僕。

―今後のご活躍を楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。

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イベント情報

『青木良太個展』

2009年4月15日(水)~4月27日(月)
会場:燈々庵(あきる野市)
時間:11:00~20:00(最終日~15:00)
休廊日:火曜日
料金:無料
備考:会期中18日(土)、19日(日)は作家在廊

2009年5月1日(金)~5月10日(日)
会場:アートサロン光玄(愛知県名古屋市)
時間:11:00~18:30
休廊日:月・火曜日
料金:無料

2009年5月1日(金)~5月10日(日)
会場:ギャラリー曜耀(茨城県笠間市)
時間:10:00~18:00(最終日は~17:00)
休廊日:火曜日
料金:無料

2009年5月28日(木)~6月20日(土)
会場:TKG Daikanyama(代官山)
時間:11:00~19:00
休廊日:日・月曜日、祝日
料金:無料
備考:作家初のオブジェ展。初日にオープニングパーティーあり

その他、6月にはロサンゼルス、7月にはニューヨークで個展を開催予定。

プロフィール

青木良太

1978年富山県生まれ。2002年、多治見市陶磁器意匠研究所卒業後、陶芸作家となる。2004年、スイス・ジュネーヴのEcole de arts decoratiftsに研修生として留学。Sidney Myer Found International Ceramics Award、テーブルウェアコンテストグランプリ、台湾国際桃源ビエンナーレ特別賞ほか、国内外で数々の賞を受賞。「週刊モーニング」(講談社)で連載中のマンガ『へうげもの』(山田芳裕)から生まれた若手陶芸家ユニット「へうげ十作」のリーダーとしても活動中。

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