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中村まりインタビュー

中村まりインタビュー

インタビュー・テキスト
柏井万作(CINRA.NET編集長)
2009/06/30

その時のジレンマが、「バンドの音がデカくてアコギが聴こえない!」というもので(笑)。

―中村さんは今、カントリーやブルースといったアメリカのルーツ・ミュージックが源流にある音楽を作っていますよね。こうした音楽はやはり、アメリカにいる際に出会われたんですか?

中村:そうだったらよかったんですけど、違うんです(笑)。アメリカにいる時は「洋楽に出会った」というくらいで。ルーツ・ミュージックを聴き始めたのは大人になってからで、結構意図的に聴き始めたんです。

―そうだったんですか。アメリカにいる頃はどんな音楽を聴いていたんですか?

中村:向こうにいた頃って、学生でお金もないから1枚のCDを何度も何度も聴くわけですよ。その1つがインディゴ・ガールズ(1980年代後半から活動している女性デュオ)で、それが私の原点だと思います。あとはエリック・クラプトンの『アンプラグド』が爆発的に流行ってて、それもよく聴いてましたね。

―マニアックなものではなく、アメリカでも人気のあったものを聴いていたんですね。

中村:そうですね。教えてもらったり、ラジオで出会ったりして。インディゴ・ガールズは学校のギターの先生が教えてくれたんですけど、テストにも出るんですから! 粋な先生ですよね(笑)。

―そういった音楽を中村さんが「好き」と思うポイントって何だったんでしょうか?

中村:考えてみると、アコギが入っているのが大事だったみたいです。アコギを持って歌っている人が出て来たら、取りあえず注目していましたから。ちょうどリサ・ローブが出て来て注目していたり、ですね。

―そうした音楽スタイルが好きだったから、自分でもやってみようと。歌い始めたのはどんなきっかけだったんですか?

中村:日本の大学で音楽サークルに入って、新人顔見せライブっていうのがあって、何かやれと。

―何か嫌な感じですね(笑)。それはバンドだったんですか?

中村:自分と同じようなことをしている人を見つけて、二人でやりました。もちろんインディゴ・ガールズをやらせたんですけど(笑)。

―そこで歌ってみたんですね。

中村:そう、歌ってみたら、英語だったのも珍しかったらしく、ちょっと変なことをやっている奴がいるぞって感じでかわいがってもらえて。

中村まりインタビュー

―それはまた嬉しいですね。

中村:でも、ロックとかソウルとか、どうもアコースティックじゃないものをやっているサークルだということに後から気づきました。何か話し合わないな~って(笑)。でも、とにかく音楽の知識が浅かったので色々と教えてもらって聴いていたんです。そしたら、「ジョニ・ミッチェル(1960年代から活動する最も影響力のある女性シンガー・ソングライターの1人)を一緒にやりませんか?」という人が現れてですね。

―それは間違いなく良い出会いですね!

中村:それで一緒に組んだバンドが大きな転機でした。まさに私が理想とする編成のアコースティク・バンドで、私がアコギを持って歌い、アコギでソロを弾いてくれる人がいて、ベースがいて、パーカッションがいて。古い洋楽を沢山カバーしましたね。

―すごく楽しかったんでしょうね。

中村:もう本当に楽しかったですね。今にして思えば、若いのになんて渋いバンドやってたんだろうって思いますけど(笑)。「クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング」とか、難しいー!!って言いながらもカバーしたりして(笑)。ギターもその頃に意識的にやり始めるようになって、少しは上達しましたね。

―楽しいとどんどんやりたくなりますもんね。オリジナルの曲を作り始めたのもその頃ですか?

中村:そうですね。「オリジナルバンドをやりませんか?」と誘って下さった方がいて、「曲を書いてみたら?」って言われたんですよ。それまでは何故か、曲って自分で書いて良いものだなんて思っていなかったので、ハッとして。かなり適当に書いてみたら、意外と演奏する形には整っていて、ライブハウスでもオリジナル曲をやり始めたんですね。

―音楽性は今のものに近かったんでしょうか?

中村:近いと思いますね。でもカントリー・ブルースは全然やってなくて、その頃目指していたのはリサ・ローブだったんです。ロックバンドが後ろにいるっていうのを前提にしていたんです。

―今のスタイルとは若干違いますね。

中村:それというのもその時のジレンマが、「バンドの音がデカくてアコギが聴こえない!」というもので(笑)。アコギもライヴ中にはハウリングが理由で音量を下げられてしまうこともしばしばだし、せっかく自分の中で練ったアレンジも台無しになってしまったりして。バンドの中にアコギが居る意味がないというやるせなさを感じ始めて(笑)。次第にもうちょっとアコギを聴かせるような音楽をやりたいなと思うようになりました。それと同時に、自分でプロデュースしたい欲求が強すぎることにも気づきまして(笑)。

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リリース情報

中村まり『Beneath the Buttermilk Sky』
中村まり
『Beneath the Buttermilk Sky』

2009年6月10日発売
価格:2,500円(税込)
Moving On ANTX1017

1. A Brand New Day
2. Invisible Man Blues
3. Little House
4. From the Other Way Around
5. Black-Eyed Susan
6. If Only I Had Known
7. Bye-bye Street
8. How Sweet!
9. This Old Map
10. Caught in a Roundabout
11. Lonesome Valley Blues
12. Night Owls
13. Going Back to My Home

イベント情報

中村まりニューアルバム『Beneath the Buttermilk Sky』発売記念ライヴ

2009年7月12日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:吉祥寺MANDA-LA2(ワンマン)

出演:中村まり
ゲスト:安宅浩司(Guitar)、岸本一遥(Fiddle)、原さとし(Banjo)、松永孝義(Bass), 楠均(Drums)

料金:前売2,700円 当日3,000円(1ドリンク別)
前売り券店頭販売6月1日~
※立見になる可能性があります。ご了承ください。
メールでのお取り置き(整理番号なし・入場順は当日券と同様になります)はコチラまで

プロフィール

中村まり

1977年生まれ。14歳~17歳までの約四年間を米国オハイオ州にて過ごす。その後バンド活動を通して作詞作曲を始める。2002年、完全自主制作による初のオリジナル・アルバム『Traveler And Stranger』を発表。2005年2月9日Mule Recordsよりフルアルバム『Seeds To Grow』をリリース。同年7月31日には『FUJI ROCK FESTIVAL’05』 Avalon Fieldステージに出演、2006年9月9日には『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2006』に出演。現在都内を中心にライヴ活動を継続的に展開中。2009年6月に4年振り待望のニューアルバムをリリース。7月には『FUJI ROCK FESTIVAL’09』への出演も決定。

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