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中村まりインタビュー

中村まりインタビュー

インタビュー・テキスト
柏井万作(CINRA.NET編集長)
2009/06/30

古い音源を今の人が今のサウンドでやっているのを聴いて、「私がやりたいのはこれだ!」と思ったんですね。

―自分のやりたい方向性を押し進めたかったんですね。

中村:そうなんでしょうね。バンドって複数人でやるから、自分の意見はバンドにとって何分の一でしかないじゃないですか。民主的に多数決で意見を決めるようなやり方だと音楽を作るのが難しくて(笑)。それでバンドを辞めて一人で音楽活動を始めたんです。

―1人で音楽活動をやるのって、すごく勇気のいる決断ですね。活動の仕方も全く変わってきますよね?

中村まりインタビュー

中村:そうなんです。だからまず、「1人でできるギタースタイルってどういうのだろう?」と思って教則ビデオを漁り始めて。そしたらさっき「ジョニ・ミッチェルやりませんか?」と誘ってくれた人が、ステファン・グロスマン(ギタリスト兼カントリー・ブルースの研究家。カントリー・ブルースの再発見、紹介者として大きな功績をもつ)先生のビデオを買って練習してて、それを貸してくれたんですね。そしたら私のほうがはまっちゃって(笑)。

―カントリー・ブルースに開眼した瞬間ですね!

中村:そうそう。このステファン・グロスマンという人は、カントリー・ブルースの布教に勤しんでいて、「このCDを聴いたことがなかったら、今すぐビデオを止めて買いに行ってください!」とか言っちゃうような人で(笑)。

―それが今の中村さんのスタイルに大きな影響を及ぼしているんですね。

中村:そうですね。あとはその頃、ミシシッピ・ジョン・ハート(1892年 - 1966年。ブルースシンガーでギタリスト)のトリビュートアルバムというのが出まして。昔は私、古い音源って馴染めなかったんです、サービス精神が足りない気がして(笑)。でも、そのトリビュートで古い音源を今の人が今のサウンドでやっているのを聴いて、「私がやりたいのはこれだ!」と思ったんですね。だからステファン・グロスマンとミシシッピ・ジョン・ハートのトリビュートは、私にとって本当に大きな存在になりました。

へたくそでも全部を自分で作りあげて表現できることがすごく嬉しいし、安心したんですね。

―そうして音楽性が形作られていき、CDリリースに至るわけですね。

中村:始めての作品は、自分で手作りで作ったんです。それを出してから、やっと人前で演る意識が高まってきましたねぇ。

―どうして人前を意識出来るようになったんですか?

中村:音源を作ると、自分の考えている音楽が一つの形にまとまるじゃないですか。そこで初めて自分の音楽を客観的にみれたんです。それまでは、自分の演奏などで手一杯だったんですけど、客観的になれたことで余裕も出て来て、周りが見れるようになってきたんでしょうね。

―なるほど。音源を作るとアーティストが成長すると言いますが、音源を作ることで気づくことが沢山あるんですね。

中村:そうですね。特に私の場合、普段は1人で曲を弾語りますよね。でも音源として曲をまとめるときは色んな音を足せるから、より明確に自分が思い描いている音楽を表現できるんです。それがすごい楽しくて。自分でMTR(録音機材)を買って、録音することの楽しさを見いだしちゃった(笑)。以前に感じていたジレンマからすると、へたくそでも全部を自分で作りあげて表現できることがすごく嬉しいし、安心したんですね。

―自分で作り上げる、その強度はすごく強いですよね。みんなの意見を万遍なくケアしてる作品って、上手く出来ているかもしれないけど、衝撃を感じないことが多いですから。

中村:良い方向に理解して頂いて嬉しいですね(笑)。でも、人と一緒にやることで素晴らしい音楽を作り上げている方もいるから、そういうのは学ばなくちゃいけないなとも思っているんですよ。

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リリース情報

中村まり『Beneath the Buttermilk Sky』
中村まり
『Beneath the Buttermilk Sky』

2009年6月10日発売
価格:2,500円(税込)
Moving On ANTX1017

1. A Brand New Day
2. Invisible Man Blues
3. Little House
4. From the Other Way Around
5. Black-Eyed Susan
6. If Only I Had Known
7. Bye-bye Street
8. How Sweet!
9. This Old Map
10. Caught in a Roundabout
11. Lonesome Valley Blues
12. Night Owls
13. Going Back to My Home

イベント情報

中村まりニューアルバム『Beneath the Buttermilk Sky』発売記念ライヴ

2009年7月12日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:吉祥寺MANDA-LA2(ワンマン)

出演:中村まり
ゲスト:安宅浩司(Guitar)、岸本一遥(Fiddle)、原さとし(Banjo)、松永孝義(Bass), 楠均(Drums)

料金:前売2,700円 当日3,000円(1ドリンク別)
前売り券店頭販売6月1日~
※立見になる可能性があります。ご了承ください。
メールでのお取り置き(整理番号なし・入場順は当日券と同様になります)はコチラまで

プロフィール

中村まり

1977年生まれ。14歳~17歳までの約四年間を米国オハイオ州にて過ごす。その後バンド活動を通して作詞作曲を始める。2002年、完全自主制作による初のオリジナル・アルバム『Traveler And Stranger』を発表。2005年2月9日Mule Recordsよりフルアルバム『Seeds To Grow』をリリース。同年7月31日には『FUJI ROCK FESTIVAL’05』 Avalon Fieldステージに出演、2006年9月9日には『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2006』に出演。現在都内を中心にライヴ活動を継続的に展開中。2009年6月に4年振り待望のニューアルバムをリリース。7月には『FUJI ROCK FESTIVAL’09』への出演も決定。

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