特集 PR

“時をこえ” HYインタビュー

“時をこえ” HYインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2010/08/10

いろんなチャレンジをして、みんながそれに反応して「よかったよ」って言ってくれるから、じゃあ次はもっと違ったことをやってみようって向上心がどんどん出てくるんです。

―では、なぜ今こういう曲が生まれたんでしょう?

新里:HYとして十年を経て、いろんな経験を積み重ねてきて、ようやくこういったことを言葉にできる、歌にできる自信が身についたから、この歌ができたんだと思います。この歌が生まれるには、今までの経験が何一つ欠けてもできなかったと思うんですね。“そこにあるべきではないもの”(『TRUNK』(04)に収録)という沖縄のゴミ問題の歌ができて、そこから子供たちに対する歌を作ったり、沖縄で小学生とビーチクリーン活動をしたり、地球を大切にしようって事に取り組んできて、そういうことがどんどん積み重なって、ここに繋がったんだと思う。

―戦争とか環境問題とか、大きなテーマを歌うことってすごくリスキーでもあって、相当の覚悟が必要だと思うんですね。未だ20代半ばのバンドであるHYがそれをできてるのはなぜなんでしょう?

新里:それに共感してくれてるみんながいるからですかね。ファンのみんながいるから自分が成り立って、自分をさらけ出せる。いろんなチャレンジをして、みんながそれに反応して「よかったよ」って言ってくれるから、じゃあ次はもっと違ったことをやってみようって向上心がどんどん出てくるんです。自分を信じてくれてるみんながいるから、チャレンジできるんだと思います。

宮里:僕たちの曲がキッカケになって、いつもとは違う気持ちを持ってくれるのって、すごく嬉しいんです。それにお客さんからの反応をみてると、人それぞれの捉え方があって面白くて。それを手紙やメッセージで僕たちに教えてくれたりして、今まで気づかなかったことを、お互いに気づき合えたりするんですよね。そうやってまた、自分たちも成長できるんだと思います。

“時をこえ” HYインタビュー

―やっぱりHYの根底にあるのはお客さん、ファンとの関係性なんですね。そもそもHYが、環境問題も含めて、大きなテーマを扱うようになったキッカケを教えていただけますか?

新里:『HeartY』(08年)辺りからですよね。“この子達のために”と“青い地球”。

宮里:そうだね。

新里:『それでも生きる子供たちへ』という映画に心を打たれたのが大きかったですね。貧困だったり、親がいなかったり。世界にはいろんな状況があるってことを知って衝撃を受けたから、それを自分の中でとめて置くんじゃなくて、みんなに知ってもらいたいと思って作ったのが“青い地球”で。

―“この子達のために”は?

新里:子ども同士で殺し合ったりナイフを使ったり、ゲームの世界に入り込んで「自分は一度死んでも生き返れるんだ」と思ったり、テレビで子どもに対するいろんな報道があったから、「どうなんだろう? どうしたらいいのかな?」って考え始めたのがキッカケでした。そういう「時代」があったから、考えるようになったのかもしれない。

宮里:それからみんなで音楽以外の色んな活動をやったり、自分たちから行動を起こすようになりましたね。

まずは沖縄っていう素晴らしいところにみんなを呼んで、「こんなにもいい所があるんだよ」って教えたい気持ちです。

―では最後にもうひとつ、これもHYにとって根底にあることだと思うんですけど、今も沖縄に住み続けている理由を教えてください。

新里:落ち着くんですよね。生まれた場所で、自然もあって。ちっちゃい頃は海に行ってはカニとかを捕まえて、それを戦わせてかたっぽが死んだり、自分も手を挟まれて血を出したり、そういうことでちっちゃいながらも命を感じたり。自分を育ててくれた、お母さんみたいなところがあるんで。地元の子供に会ったら、同じ遊びをさせたいですけど、今は地元の海も汚れてきてますね。

―沖縄でもそうなんですね。

新里:埋め立てもすごくて、その埋め立てる土をどこから持ってくるかって言ったら、山を切り崩して持ってくるわけだから、また山も壊されるし、そこに雨が降ると赤土が海に流れて、珊瑚も死んでいくっていう。

―そういう状況に対して、どう向き合おうと考えていますか?

新里:守っていきたいっていう気持ちはもちろん強いんですけど、今の自分の気持ちとしては、まずは沖縄っていう素晴らしいところにみんなを呼んで、「こんなにもいい所があるんだよ」って教えたい気持ちです。沖縄の自然の美しさは沖縄の人たちだけのものではないし、海は世界中に繋がってる。自然っていうのはみんなのものだから、そういう素晴らしいものはみんなで共有しなくちゃって。ぜひ、沖縄の素晴らしい自然に触れてほしいですね。

Page 4
前へ
HY密着ドキュメンタリー放送決定

NHK総合『沖縄の「魂」を歌う“カリスマロックバンド”HY』
2010年8月15日(日)総合 23:15〜0:00放送

リリース情報

ACHI SOUND 〜HY LOVE SUMMER〜
HY
『ACHI SOUND 〜HY LOVE SUMMER〜』

2010年8月11日発売
価格:2,300円(税込)
HYCK-50001

1.
2. Street Story
3. そこにあるべきではないもの
4.
5. Ocean
6. HY(ラブ)SUMMER
7. ホワイトビーチ
8.
9. 時をこえ
10.
11. サヨナラ彼女(ボーナストラック)
12. たった一言(ボーナストラック)

プロフィール

HY

沖縄在住の5人組インディーズアーティスト。結成10周年を迎えリリースした最新アルバム『Whistle』は、インディーズとして最多となる4作目のオリコン1位を獲得する記録を更新しながらも、現在、全都道府県161本のライブハウスツアー“HY MACHIKANTY SO-TANDOH TOUR 2010-2011”で、彼らの原点でもあるストリート・ライブと変わらぬ“感謝の気持ちを直接伝えたい”という想いを全国に丁寧に届けている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

LUMINE ART FAIR - My First collection / Art of New York City

10月12日、13日にルミネ新宿で開催する『LUMINE ART FAIR -My First Collection』のために制作された動画。現地アーティスト2名の言葉と、リアルな空気感とともにNYのアートシーンを紹介している。「NY、かっこいい!」という気持ちがムクムク膨れ上がってくるはずだし、アートに触れるきっかけはそれくらいがちょうどいいと思う。(石澤)

  1. ドラマ『まだ結婚できない男』。新キャスト迎えて13年後を描く 1

    ドラマ『まだ結婚できない男』。新キャスト迎えて13年後を描く

  2. 中山美穂がダンサーに恋 松尾スズキ監督・脚本・主演『108』本編映像公開 2

    中山美穂がダンサーに恋 松尾スズキ監督・脚本・主演『108』本編映像公開

  3. セクゾ中島健人&菊池風磨が「ガルボ」のキニナル食感を70種の表情で表現 3

    セクゾ中島健人&菊池風磨が「ガルボ」のキニナル食感を70種の表情で表現

  4. 『全感覚祭』が10月13日に渋谷複数会場で急遽開催、千葉会場中止を受け 4

    『全感覚祭』が10月13日に渋谷複数会場で急遽開催、千葉会場中止を受け

  5. 宮藤官九郎の新作舞台『もうがまんできない』に阿部サダヲ、松尾スズキら 5

    宮藤官九郎の新作舞台『もうがまんできない』に阿部サダヲ、松尾スズキら

  6. フレデリックの表現がユニークな理由 双子の関係と想像力に秘密が 6

    フレデリックの表現がユニークな理由 双子の関係と想像力に秘密が

  7. 『水曜どうでしょう』漫画化、『週刊少年チャンピオン』で連載 7

    『水曜どうでしょう』漫画化、『週刊少年チャンピオン』で連載

  8. 宮沢氷魚と藤原季節が額をくっつける、今泉力哉『his』ポスター&場面写真 8

    宮沢氷魚と藤原季節が額をくっつける、今泉力哉『his』ポスター&場面写真

  9. 細野晴臣『NO SMOKING』特別映像公開 坂本龍一、高橋幸宏、星野源ら登場 9

    細野晴臣『NO SMOKING』特別映像公開 坂本龍一、高橋幸宏、星野源ら登場

  10. 小沢健二の新アルバム『So kakkoii 宇宙』11月発表、新曲配信&ライブも 10

    小沢健二の新アルバム『So kakkoii 宇宙』11月発表、新曲配信&ライブも