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表現者たちが本気でバトル 「BOYCOTT RHYTHM MACHINE」という試み

表現者たちが本気でバトル 「BOYCOTT RHYTHM MACHINE」という試み

インタビュー・テキスト
金子厚武

やってどうなるかわからないことをやるっていうのは、(出演者側に)すごくリスクがあると思うんですね。

―そして、その1年半後に今度はCD+DVDという形で『BOYCOTT RHYTHM MACHINE II:VERSUS』がリリースされます。この「音楽による異種格闘技戦」というコンセプトはどのようにして生まれたのでしょう?

清宮:デートコースとか渋さ(知らズ)とか「バンド」はいいんですけど、例えば不破(大輔:渋さ知らズの中心メンバー)さんが小編成のライブをやってもお客さんは渋さのようには集まらない。当たり前のようですが、そこに開きがあり過ぎるように思っていました。

表現者たちが本気でバトル 「BOYCOTT RHYTHM MACHINE」という試み
『BOYCOTT RHYTHM MACHINE II』ジャケット

―個人活動には興味をもってもらえなかったわけですね。

清宮:そうですね。深追いまではしないという事でしょうか。もちろんバンドもいいんですけど、毎日のようにやっているライブ活動があった上でたまに大編成のバンドがあるっていうのが新鮮で刺激的だったので、その面白さを伝える方法がないかと思って。あと、同じ曲でも日々全然違うアプローチをしていたりして、即興の要素にすごく惹かれていきました。

―ただし、実際、即興で多くの人を集めるのはなかなか難しいですよね。

清宮:そう、まだその時点では単に面白いからと言って、即興のアルバムを作っても届かないのではないかと。卓越した即興能力のあるミュージシャンたちを、活動拠点となっている「ジャズ」ではない、もうちょっと若い、初めて会う人たちと戦わせたらどんなものができるのかな? っていう、異種格闘技的発想ですね。それと、お客さんを入れることができない代わりに、場所や映像などシチュエーションをきっちり作り込む事でライブに近い状態でモチベーションを高めてもらえるのではないかと思いました。

―面白い発想ですよね。そこにDVDを付けたのはどんな理由だったんですか?

清宮:最初はCDにしようっていう話だったんですが、やっぱりそれだけだと、興味を持ってくれる人は増えていかないと思ったんです。きちんと興味を持ってもらうためには、音楽は音楽として残した上で、そこに至るまでのストーリーを映像で伝えないとダメだと思って。

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『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2010』の会場となる国立科学博物館

―映像もすごく楽しめる内容でした。

清宮:演奏してる場面だけではなくて、その人の生い立ちとか、対決してみた感想などをドキュメントとしてまとめたかったんです。でも、そのせいで結構時間がかかっちゃって(笑)。ホントは『I』のすぐ次に『II』を出すって話だったんですけど、対戦ごとに全部別の日に撮って、またその後の別の日にインタビューしてっていう風に、ものすごく時間と労力がかかってしまいました。

―対戦相手のチョイスは清宮さんが全て決めたんですか? それとも少しは「どんな人とやりたい?」みたいな相談もあったんですか?

清宮:一切ないです。相手側のCDを持って、「この人とやってほしいんですが…」って。

―当然「ああ、この人ね」って場合もあれば、「誰この人?」っていう場合もありますよね。

清宮:ジャズの方は誰も断らないんですよ。「何でもやる」っていう基本姿勢があるので。逆側の方に断られたケースはあります。やってどうなるかわからないことをやるっていうのは、すごくリスクがあると思うんですね。それを承知で出てくださるっていうのは、ホントにありがたいと思っています。いきなり音を出し合わないといけないから、当然出来上がりを保証出来ない。リハーサルをしながらとか会話しながら作り上げる事が出来ないので、躊躇してしまうのは当然だろうし。

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『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2010』に出演する渋谷慶一郎(左)とDJ BAKU(右)

―アーティスト側の不安も当然あるだろうし、制作側の不安もありますよね。何も生まれないことだってありうるわけですもんね。

清宮:実際上手くいかなかったなあと感じた日もあります。でもその辺はどうにもならないんですよね。やっていくうちに仲良くなる組み合わせもあれば、ほとんど会話もしないで終わってしまう組み合わせもあるし、仲良くなったから出来上がりがいいとか、仲良くならなかったから悪いとかいうわけでもありません。そういう感じなので、いろいろと提案したり、仕向けたりといった事はしないようにしています。

―作っちゃうと別物になっちゃいますからね。

清宮:セッションをしてほしいわけではなくて、「VERSUS」といういう名前なんで、対決してほしかったんです。そういう意味で、前向きにゲーム性を汲み取って楽しんでくれている方たちはクオリティも抜群ですね。

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イベント情報

『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2010』

2010年12月12日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 国立科学博物館

出演:
渋谷慶一郎 vs DJ BAKU
AFRA vs Open Reel Ensemble B.R.M set
ASA-CHANG vs 康本雅子

料金:予約4,000円 当日4,500円

■当日券について
当日券は12月12日(日)17:30より、国立科学博物館入口のSL前にて、30枚+α販売致します。
(+αは当日までの予約キャンセル数となります。)
規定枚数以上の方が集まった場合は同時刻に抽選を行う予定です。

イベントに関するメール問い合わせはこちら
Boycott Rhythm Machine Versus LIVE

プロフィール

「BOYCOTT RHYTHM MACHINE」

2004年に、渋さ知らズ、DCPRG、大友良英NJO、ROVOらによる新録のコンピレーションアルバム『BOYCOTT RHYTHM MACHINE』、2006年には7つの即興対決をドキュメントしたCD+DVD『BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUS』をリリース。同作品や、それ以降はライブとして、日本最先端・最新鋭の音楽シーンを牽引するアーティスト同士による異種格闘技戦をテーマにした即興対戦がこれまでに全20戦行われている。

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