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退屈をあきらめない YOMOYAインタビュー

退屈をあきらめない YOMOYAインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:木下夕希
2011/05/10

「あ、今こういうモードなんだな」っていうのは、スタジオでわかることが多いんです。それの寄せ集め…パズルみたいなもんかな(笑)。

―リードトラックになってる“Baby”は、いかにもシティポップスって感じのドライビングソングになってますね。

山本:これはセッションからできたんですけど、最初はホントにノリでしたね。サビからできたんですよ、「ベイベ~♪」っていう(笑)。

―「ベイベ~♪」って言いたい、みたいな(笑)。

山本:シティポップ好きの白シャツの男(長倉)が、「いいね!」って言い出してやることになったんですけど、結局僕もシティポップとかニューミュージック的なものは好きなので、そういう色に変えていって、ストリングスも入れてっていう。

―シティポップとかニューミュージックに対する愛情って、以前よりも深まってるんですか?

山本:それも一面だと思ってやった感じですかね。アルバム全体がそういう印象ではなくて、“Baby”が特にそういうテイストなんだと思うんで、持ってるものの一部って感じですね。僕らとしてはリードトラックは何でもよくて、個人的には“体温”押しだったんですけど。

―ああ、“体温”めっちゃいい曲ですよね。僕サンプル聴かせてもらって、すぐに「“体温”いい曲」ってTwitterでつぶやいたもん(笑)。

山本:だから、そういういろんなものをひとまとめにするのがYOMOYAのカラーなんですよね。

―“一秒、いらないさ”はシューゲイザーだったりしますしね。じゃあ、そういういろんな側面があるっていうのは前提として、その中でもこの2年で最もはまった、影響を受けたものって何かありますか?

山本:去年一番聴いたのはWilcoですかね。でも、聴いてるものをそのまま引きずることってないんですよ。多少あったとしても、結局変換するんです。

―影響のひとつとしてはあるけど、それがそのまま出るんじゃなくて…

山本:そのまま出さないって感じですね。

退屈をあきらめない YOMOYAインタビュー

―あえて、出さない。

山本:3人のフィルターを通すと変わってきちゃうんで。それぞれが持ってるものを集めて曲を作るっていう共通認識はあるんですけど、「こういう音楽をやろう」って話はあんまりしないんですよ。わざわざそれを共有することはしなくて、「あ、今こういうモードなんだな」っていうのは、スタジオでわかることが多いんです。それの寄せ集め…パズルみたいなもんかな(笑)。


価値観の窓口をちょっと広げて、こういうことも言ってみたい、聴いてみたいっていう、それをやっても自分にとって危険じゃないと思えるようになったんです。

―では、歌詞についてお聞きします。山本君の歌詞は基本的に内面を描いた歌詞が多いと思うんだけど、前作の『Yoi Toy』では「不安だ」とか「いざ笑え 嘲笑え」とかって、どちらかというとマイナスな言葉の印象が強かったように思います。そういう言葉が今回は減ってるなって思ったんだけど、それはなぜなんでしょう?

山本:これまではホントに選択する人間だったんですよ。いいと思ってるものはいいし、それしか自分の中に取り込まないし、嫌いなものはホント嫌いっていうのがずっと続いてたんですけど、最近はいい意味でそれがなくなったっていうか…あるんですけど、それまで選択してきたから、自分の中で絶対的なラインはできてるんです。その上で、価値観の窓口をちょっと広げて、こういうことも言ってみたい、聴いてみたい、こういう本も読んでみたいっていう、それをやっても自分にとって危険じゃないと思えるようになったんです。僕あんまり人と話すの好きじゃなかったんですけど(笑)、それもアリっちゃアリっていうか、そういうのも歌詞に出てると思いますね。

―じゃあ最初の話に戻すと、マイナスな言葉の印象が減ったっていうのは、つまり、これまでは拒否していたプラスの言葉も受け入れられるようになったっていうことでしょうか?

山本:そうかもしれないですね。“KITAINEIRO”の歌詞は、最初は全然違ったんですよ。シンセの音を出し方を変えたら、サビの部分がたまたまスペーシーな感じの強い音になってたんですね。前のと全然違うんだけど、それがすごくよくて、そうなるとそれまでの歌詞が合わなかったんですよね。

―最初はどんな歌詞だったんですか?

山本:前はマイナスな方の歌詞だったんですよ。曲調もニューウェイブな感じだったんで、あんまり意味を持たせるのもなって感じだったんですけど、シンセの音で曲のイメージが変わって。それでできたのがこういう、軽い宣言みたいな。

―「ペン落とすほど 涙出るほど 鳴らすこの音」ですもんね。

山本:偶然だとしても、3人で出してる音がYOMOYAだと思ってるんで、これだけ強い音だったら、強いこと言ってもいいじゃんっていう気持ちで。そういう歌詞の書き方は今までなかったですね。

3/4ページ:今は生活あっての音楽だと思ってるんですよ。

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リリース情報

YOMOYA『Yawn』
YOMOYA
『Yawn』

2011年5月18日発売
価格:1,800円(税込)
&records / YOUTH-120

1. Baby
2. KITAINEIRO(feat.I AM ROBOT AND PROUD)
3. 体温
4. プールサイド
5. 水圧
6. 一秒、いらないさ
7. KITAINEIRO(original version)

イベント情報

『YOMOYA「Yawn」Release Tour 2011』

2011年7月1日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO
出演:
YOMOYA
シラオカ
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2011年7月2日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:大阪府 鰻谷 sunsui
出演:
YOMOYA
CARD
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2011年7月9日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 O-nest
出演:
YOMOYA
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料金:全公演 前売2,000円 当日2,500円(共にドリンク別)

プロフィール

YOMOYA

2003年より活動を開始。2008年6月、アルバム『YOURS OURS』でデビュー。ポストロック、オルタナ、USインディー、フォークなどを消化した高次元の音楽性と人懐っこさが同居したサウンド、電飾を施したステージで繰り広げる激しさと繊細さが交錯するパフォーマンス、そしてなにより文学性や叙情性を感じさせるメロディー、日本人の心の琴線に触れる声が最大の特徴。2011年5月、OGRE YOU ASSHOLEを手がけた斉藤耕治プロデュースによる3rdアルバム『Yawn』をリリース。

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