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MaNHATTAN×大原大次郎(デザイナー)対談

MaNHATTAN×大原大次郎(デザイナー)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

自分の中では一応これもバンドワークなんです(笑)。(大原)

―ちなみに、大原さんはバンド経験は?

大原:憧れですねー(笑)。今も好きで1人でやってるわけじゃないんですけど、人と一緒にやりたいっていう欲求はすごく強いんです。まあ、今回のような形で一緒にできてるので、自分の中では一応これもバンドワークなんですけど(笑)。

―いろんな人とバンドが組めるわけですね(笑)。でも大原さんは本当に音楽ファンで、学生時代は友達とテープを作ったりしてたとか?

大原:そうです。ずっとテクノを聴いたりしてきたんですけど、友達にテープを作って、そのジャケットを自分で作り始めたのが今の仕事の入り口になってて。一緒にやってた友達は音楽の方に行って、今もDJやったりしてるんです。

藤井:どんなテープやったんですか?

大原:中高生ってお金ないから高いシンセとかは買えなくて、その友達が2万円くらいで買ってきたサンプラーで、「俺たちはこれで何でもできる」って思ってて(笑)。要はコラージュ・ミュージックを作り始めたんですけど、それがすごくユーモラスで面白い音楽で、それと似たようなコラージュのやり方でジャケットを作るようになって。

―その延長で、デザイナーの道に進んだわけですね。

大原:演奏とかはまったくダメだったんで(笑)、音楽の近くでできることを探して、デザインっていうのは近くにいられるなって。その当時ってまだインディーズでもCDを出すのが難しい時代だったんですけど、高校生がコラージュ・ミュージックを作ってるのを面白がってくれる人がいて、さっきの話に出た友達が高校生の時にCDデビューしたんです。それで、そのジャケットを作らせてもらって。

―それがデザイナーとしての初仕事だったと。

大原:その後の5年ぐらいお金をもらえるデザイン仕事はしてないから、奇跡みたいな仕事だったんですけどね。でもそれは大きいです、自分の作ったものが世に出たっていうのは。でもサンプリングには著作権的な限界があって世に出しにくいので、自分で書き始めたり、オリジナルのネタを撮るようになっていったんです。

―ちなみに、レビューとかも書いていたそうですね?

大原:ホントに生意気な、音楽雑誌風の辛口な、今だったら炎上しそうな新聞を作ったりしてました(笑)。友達5人でやってたんですけど、学校が学食だったんで、毎日親に400円とかもらってて、それを節約すると週末には12インチが1枚買えるんですね。5人いたから5枚買えるので、「お前がヒップホップなら俺はテクノ」みたいに担当を分けて、新聞を書いてたんです。2週間に1回くらいのペースで発行していて、毎回10枚ぐらいのレビューが載ってましたね。

MaNHATTAN×大原大次郎(デザイナー)対談

都会的な感じもあるけど、プリミティヴな感じもあって、それが混ざってる感じがいいなって。(藤井)

―ではジャケットの話に行きましょう。まずはシングルの『Giant Stomp』を手がけられたわけですよね。

大原:理由はわからないんですけど、ジャケットがこっち側を見てるようなモノにしたくて、「顔だな」っていう発想がまずあって。それでMaNHATTANのリズムを聴いて、どこの国かわかんないような絵柄とか、「何だろう?」みたいな中に顔があるのがいいと思ったんです。MaNHATTANでは毎回違う手法でそれをやりたいなって。こうやってバンドの1枚目からデザイナーとして関われるのって、なかなかないことなので。

―確かに、そうかもしれないですね。

大原:心理テストとかで、森の中にわからないように目とか書いてあるのあるじゃないですか? 危険察知能力って元々人間の中に組み込まれてるらしくて、目はすぐに探せるらしいんですね。心霊写真とかと同じで、変な気配って感じられるらしいんですよ。そういう風になっていったら面白いなって。

次松:ああ、でもそうですよね。壁の染みが顔に見えたりするのって、きっと目のせいやんな。

大原:そうそう。あとMaNHATTANには、洗練された、都会的なものよりも、土着的っていうか、プリミティヴなアートが合うなって思って、日本人に真似できないようなアートの芯の強さみたいなのが出せたらと思って。

―このジャケットを見てMaNHATTANのみなさんはどんな印象をもたれましたか?

次松:写真やったら奥行きっていうか、3Dになるじゃないですか? でもこれは平面というか2Dで…2Dとかってあんま普段使わへんけど(笑)。なんやろな…屏風から虎を出すみたいな…うちらは編成的に2Dみたいな音楽じゃないですか? せやけど、2Dから虎を出すというか、2Dなりの感じさせ方…結局2Dって連呼してるけど(笑)、そんな感じがして。

MaNHATTAN×大原大次郎(デザイナー)対談

藤井:ロゴも作ってもらって、都会的な感じもあるけど、プリミティヴな感じもあって、それが混ざってるのがいいなって。もっとはっきりした画をイメージしてたりもしたんですけど、やっぱりピックアップのされ方が面白いなって思いましたね。

―大原さんは普段から文字にこだわった活動をされていますが、それにはどんな理由があるんですか?

大原:グラフィックデザインの時代的な状況として、コンピューターが登場してから表現が似てきていて、デザイナーとして食べていくためにはどの方向でやっていくのか選択を迫られるんですよね。そうした中で、文字で、さらに言うと日本語の文字で変なことをやってる若者はわりと少なかったり、ASA-CHANGに僕の文字をいいって言ってもらったりしたこともあって、意識せざるを得なかったというか。それで文字で音楽に携われるようなことができればいいなって意識してた時期があって、今に至るって感じですね。

―バンドのロゴとかって結構重要ですもんね。

大原:育っていくっていう要素もあって、名前とかもそうだけど、最初は違和感があっても、だんだん連呼してるうちに馴染んでくるみたいな…

次松:2Dとか(笑)。

大原:(笑)。文字も同じで、1回世に出て、いろんな人が認識すると、文字が歩き出すんです。その余力を残した状態で、未完成っていうか、ちょっとフニャッとした状態で出すのがわりと好きなんです。ガチッと「これ以上動かせません!」じゃなくて。手書きはわりとその余白が乗りやすいんですよね。

3/4ページ:再生してるだけじゃなくて、その日にしかできひん、ホンマの音楽でありたいと思ってて。(濱本)

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リリース情報

MaNHATTAN『Far Trance』
MaNHATTAN
『Far Trance』

2011年7月13日発売
価格:2,415円(税込)
GLCD-0029

1. Far Trance
2. Gelo(far trance mix)
3. DUBBY(far trance mix)
4. Giant Stomp remixed by OORUTAICHI(far trance mix)
5. QEF
6. Xoo
7. PLANET
8. Giant Stomp(far trance mix)

MaNHATTAN『Giant Stomp』(CD+DVD)
MaNHATTAN
『Giant Stomp』(CD+DVD)

2011年2月2日発売
価格:1,260円(税込)
GLCD-0028

1. Giant Stomp
2. Gelo
3. DUBBY
[DVD収録内容]
1. Gelo
2. Xoo

プロフィール

MaNHATTAN

2009年、濱本大輔(Dr/赤犬)、藤井学(key/ex.The Miceteeth) により大阪にて結成。2010年、次松大助(synthesizer Bass/ex.The Miceteeth) が参加し現在の編成となる。スタジオ・インタープレイ を凝縮したようなセッションから繰り出される独特の「すきま」と「ノリ」。時代や様式ではなく“空想遊び”をしているようなダンスビートを展開。2010年渚音楽祭、バクト大阪出演。2011年2月オフィシャルとしては初となるシングル音源『Giant Stomp(CD+DVD)』をリリース。 3月OORUTAICHIとのコラボレーションによる限定 12inch『Xoo』を発表。7月にファーストアルバム『Far Trance』をリリース。

大原大次郎

1978年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、2003年独立。DIY性の高いタイポグラフィを基軸としたデザインワークや映像制作を中心に、文字のZINEシリーズ『MOZINE』の発行、フィールドワーク「文字採集」、展覧会、ワークショップなど、自発的なデザイン活動を展開する。

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