特集 PR

インドの多文化社会が生んだアート トゥクラール&タグラの世界

インドの多文化社会が生んだアート トゥクラール&タグラの世界

インタビュー・テキスト
Hitomi Moro
撮影:小林宏彰, テキスト作成協力:東京画廊+BTAP

日本の若い世代の人たちにも、もっと積極的にお互いを魅了するっていう意識を持ってもらえたらいいな、と思っています

―1991年以降インドの経済が自由化したとのことですが、それもあなた方の作風に影響を与えているのでしょうか?

トゥクラール:見てもらえば分かるとおり、僕たちは英語も話すし、服装だって日本人と変わらないでしょう? もちろん、ヒンドゥー文化が嫌いなんてことはないんですが、僕たちが学生のころから、そういう多文化社会だったんです。実際、ヒンドゥー文化のみの生活をした記憶も全く無いくらいで。

インドの多文化社会が生んだアート トゥクラール&タグラの世界

―多文化的な環境だったんですね。

タグラ:インドには常に新しい文化が入ってきているし、僕たちは必ずしもアメリカンカルチャーだけを追い続けてきたわけではないんです。スパイダーマンやバットマン、スーパーマンに囲まれて育ったけど、決してアメリカンカルチャーのアイコンとして影響を受けているというわけではないんですね。僕たちは、ミックスされた文化の中で生きている。

―なるほど。

タグラ:スーパーマンは今や非常にグローバルなアイコンでしょう。ボリウッドやハリウッドに限定せず、僕たちのメッセージを伝えるメタファー(比喩)としてピッタリでした。さらには、オーディエンスからの反応も良かったし。インドの若者はポップカルチャーが大好きで、特にハリウッドとボリウッドの融合というコンセプトは非常に喜ばれました。

トゥクラール&タグラ Thukral & Tagra Science, Mystery, Magic, Myth 1, 2011 Oil on canvas 84
トゥクラール&タグラ Thukral & Tagra Science, Mystery, Magic, Myth 1, 2011 Oil on canvas 84" x 110"(213 x 280 cms) ※クリックで拡大

―実際にインドの若いオーディエンスからはどのようなリアクションを感じていますか?

トゥクラール:メッセージを伝えるためのコンテンポラリーな表現として、僕たちのアプローチを受け入れてくれている、ということは実感しています。アートって、ただ壁に掛かっているだけのものではなく、オーディエンスと相互作用するゲームのようなもの。展覧会に来てくれた人たちが、実際に作品に触って、感じて、さらには一部を持って帰ってもらえるようにもしたいと思っているんです。

―というと…?

インドの多文化社会が生んだアート トゥクラール&タグラの世界

タグラ:オリジナルのビーチサンダルも、持ち帰ることができる作品です。これは今回の東京での展覧会でも販売します。ビーチサンダル以外にも、いろいろな媒介を通じて表現することで、もっとオーディエンスとインタラクティブな関係を築きたいんです。さらに、僕たちのプロジェクトは決してギャラリーというスペースだけを意識したものではありません。時には路上であったり、クラブであったり、パブだったり、あらゆるシーンを想定した「動くプロジェクト」なんです。例えば以前の展覧会では、実際にベッドを用意して、さらには下着から、ランプ、靴下、ステッカー、そしてさっきのビーチサンダルまで、実際のプロダクツに至るまでデザインを施しました。

―ビーチサンダルの柄も、コンドームの装着方法の図がモチーフになっていますね。

タグラ:そうなんです。でも、日本はインドに比べるとHIVの感染者ははるかに少ないと思いますが、セーフセックスに限らず、別のメッセージもあると言えます。前回日本に来たときに、日本の若い人たちが結婚していてもあまりラブメイキングに夢中になれないケースが増えていると聞いたんです。そこで、今回こういったものを展示することで、日本の若い世代の人たちにも、もっと積極的にお互いを魅了するっていう意識を持ってもらえたらいいな、と思ったんですね(笑)。

4/4ページ:メッセージをオープンに感じてもらうための、僕たちなりのアイデアや方法がある

Page 3
前へ 次へ

イベント情報

『トゥクラール&タグラ展「Science, Mystery & Magic」』

2011年9月3日(土)~9月24日(土)
会場:東京都 中央区 東京画廊+BTAP
時間:火~金曜は11:00~19:00、土曜は11:00~17:00
閉廊日:日、月曜、祝日

プロフィール

トゥクラール&タグラ

デリー美術大学出身のジテーン・トゥクラールとスミール・タグラによるアーティスト・デュオ。2003年に「Bosedk Design」を共同で設立し、広告やオフィスの内装、プロダクトデザインを手がけ、2005年よりトゥクラール&タグラ名義で絵画や彫刻作品、インスタレーションを発表している。近年は、HIVの問題をあつかったオリジナルデザインのコンドームや、下着、サンダルなどを制作し若い世代にアピールしている。日本では2009年に六本木・森美術館で開催された『チャロ! インディア』で、インドの地方の若者たちのポートレートを貼ったチョコシロップのパッケージがずらりと並ぶ作品などで話題を呼び、現代インドの最先端のアーティストとして紹介されている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

BIM“Wink”

BIMの新作『NOT BUSY』より“Wink”の映像が公開。ゆるめに結んだネクタイは軽妙洒脱でも、背伸びはしない。どこか冴えない繰り返しのなかで<だって俺らの本番はきっとこれから>と、吹っ切れなさもそのままラップして次へ。BIMの現在進行形のかっこよさと人懐っこさがトレースされたようなGIFアニメが最高にチャーミング。(山元)

  1. 鹿野淳が語る『VIVA LA ROCK』 エンタテイメント復興の道 1

    鹿野淳が語る『VIVA LA ROCK』 エンタテイメント復興の道

  2. 志村けん追悼特集が放送 『ドリフ大爆笑』『バカ殿』『変なおじさん』など 2

    志村けん追悼特集が放送 『ドリフ大爆笑』『バカ殿』『変なおじさん』など

  3. 長澤まさみが三浦春馬とダンス 映画『コンフィデンスマンJP』場面写真 3

    長澤まさみが三浦春馬とダンス 映画『コンフィデンスマンJP』場面写真

  4. コロナ感染拡大防止への文化施設閉鎖に伴う、助成金交付に向けた署名活動 4

    コロナ感染拡大防止への文化施設閉鎖に伴う、助成金交付に向けた署名活動

  5. 内山拓也監督が語る、Uru、平井堅、King Gnuの話題MVの裏側 5

    内山拓也監督が語る、Uru、平井堅、King Gnuの話題MVの裏側

  6. 松田翔太、桐谷健太、濱田岳が現代で5G体験、au新CM セカオワも登場 6

    松田翔太、桐谷健太、濱田岳が現代で5G体験、au新CM セカオワも登場

  7. フラカン、20代を振り返る。解散危機、失敗ライブ、ほしかった評価 7

    フラカン、20代を振り返る。解散危機、失敗ライブ、ほしかった評価

  8. 佐藤健の優しいまなざし 映画『るろうに剣心 最終章』新写真公開 8

    佐藤健の優しいまなざし 映画『るろうに剣心 最終章』新写真公開

  9. 田中みな実&ずん飯尾和樹が夫婦役 明治の新CM「TANPACTな夫婦」篇 9

    田中みな実&ずん飯尾和樹が夫婦役 明治の新CM「TANPACTな夫婦」篇

  10. King Gnu常田が語る、ロマンと人生観 妻夫木聡が「大人」を問う 10

    King Gnu常田が語る、ロマンと人生観 妻夫木聡が「大人」を問う