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どこから来て、どこへ行く? 転校生インタビュー

どこから来て、どこへ行く? 転校生インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2012/04/25

知らない人たちの中に飛び込んでいく大きな不安と、そこから何かが始まるかもしれないという少しの期待と。転校生が味わう、そんなビタースウィートな青春の感覚を、ビター成分多めで鮮やかに描き出すのが、水本夏絵のソロプロジェクト「転校生」である。友達と馴染めなかった幼少期、組んでは解散を繰り返したバンド期を経て、音楽だけを拠り所としてきた彼女の生み出す楽曲は、手触りこそやはりディープだが、聴いた後には不思議な清涼感が残る。それこそが転校生というアーティストの魅力であり、水本の音楽家としての大きな可能性が垣間見える部分ではないだろうか。慣れないインタビューに緊張しながらも、様々な葛藤のあったこれまでを振り返ったこのテキストを契機に、ぜひとも彼女の音楽に触れてみてほしい。

自分が好きじゃないものを好きって言ったり、無理して周りに合わせてる感じがあって。

―転校生の曲からは、ある種の疎外感みたいなものが強く感じられるのですが、小さい頃はどんな子供だったんですか?

水本:小さい頃はおとなしくて、人見知りが激しくて、友達と馴染めなかったんです。私はフィリピンのお母さんと日本人のお父さんのハーフなんですけど、特に小さい頃って顔の作りがみんなと違うんです。それを自分でも感じてたし、他の子も何となく「違うな」って思ってたと思うんです。なので、休み時間はお兄ちゃんとばかり遊んでるような感じでした。

―引き籠っちゃったりしたときもあったのかな?

水本:それでも小学校まではちゃんと行ってたんですけど、中学校の途中で「何で私はこんなに頑張ってるんだろう?」と思って。段々周りに合わせることができるようにはなってたんですけど、自分が好きじゃないものを好きって言ったり、無理して周りに合わせてる感じがあって。それで休みがちになって行きました。

―表面的なコミュニケーションに対する違和感っていうのも、歌詞から強く感じられる部分ですね。そういう中で、音楽はある種の支えだったりしたのでしょうか?

水本:最初は特別音楽が好きって感覚はなかったんですけど、中学2年のときにaikoを聴いて、初めて「こういう音楽もあるんだ」と思って。aikoは、自分の中で他のJ-POPと違う感覚があったんです。歌詞とか歌声とか曲の雰囲気が、考えて作られてるっていうか、深いものがあるような感じがしたんですよね。

―あー、aikoの感じは転校生にも残ってますよね。

水本:ホントですか? すごい! あんまり言われないです。

―いや、すごくあると思うけどな。じゃあ、自分で曲を作って歌うようになったのは?

水本:高校にも行ったんですけど、やっぱり友達が出来なくて、面白くないからやめちゃって。それからバンドを始めました。コピーバンドでライブを、遊びの延長みたいな感じで。

―メンバーは?

水本:ネットのメンバー募集の掲示板を見て、連絡しました。「どうやったらカラオケ以外で歌を歌えるんだろう?」と思ってて、aikoのライブDVDを見てたら、「あ、バンドやればいいんだ」って。そのときは、バンドを踏み台にしてやろうと思っていました(笑)。

―(笑)。

水本:そうしたら、バンドはすごい奥が深くて。そのときはベースが弦が4本だっていうことすらしらなかったんですけど。

―バンド内でのコミュニケーションはどうだったの?

水本:学校の友達とは違って、好きなもので集まってる人たちだったから、共通の話題がもうそこにあるんです。だからバンドの人たちだと話しやすくて、普通に仲良くできました。

2/4ページ:その頃の私はものすごく吹っ切れてしまっていて、みんなに好かれようとは思わなくなって、嫌ってほしいと思ってたんですよ。

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リリース情報

転校生『転校生』
転校生
『転校生』

2012年5月2日発売
価格:2,300円(税込)
EASL-0011

1. 空中のダンス
2. 人間関係地獄絵図
3. 東京シティ
4. エンド・ロール
5. ほうかご
6. 家賃を払って
7. ドコカラカ
8. 傘
9. パラレルワールド
10. きみにまほうをかけました

CINRA.STOREで先行配信販売中!

プロフィール

転校生

熊本県出身埼玉県在住、水本夏絵によるソロ・プロジェクト。「わたしの音楽がひつじなら、わたし自身はオオカミだ」

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