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cinema staff × LOST IN TIME対談

cinema staff × LOST IN TIME対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

車の中で(『ロスト アンド ファウンド』を)聴きながら1人で号泣してて、そのときの岐阜の緑の感じ、田舎の田んぼとかがものすごくリンクして、そこから生まれた歌詞と言っても過言ではないんですよね。(三島)

―海北さんは“into the green”に対して、どんな印象を持ちましたか?

海北:歌詞にすごく岐阜(シネマの故郷)を感じたんですよね。それは僕にとっての埼玉でもあり、つまり自分たちのルーツに対してのアプローチをしてる歌だと思ったんです。緑色っていうのは、否定でも肯定でもなく、「人間の営みっていうのがそういう場所に戻っていくんじゃねえの?」っていう、ちょっとポリティカルなメッセージも込められてる気がして、それをまた伸び伸びと、屈託なく(飯田が)歌うわけですよね。そのコントラストがすごくよくて。

海北大輔

三島:むちゃくちゃ岐阜を意識して作ったわけではないんですけど、でも飯田に歌詞を渡したときも、「これは岐阜の曲だよね?」っていうリアクションだったんです。あの歌詞を書くに至る経緯は、僕のプライベートの問題があったんですけど、プライベートで起こったゴタゴタとか、しんどいことを歌詞で書くのは恥ずかしいと思ってたタイプなんですよ。でも、去年震災があって、プライベートでも嫌なことがあって、そういうことを書かざるを得ない精神状態に初めてなったんです。すべてに挫折を感じたときに、でもまだ地元には俺の居場所があるんじゃないかとか、それは切に思いましたね。

海北:戻りたいけど戻れない、でもそれは決して悪いことじゃないっていうか、「次に進むためにそういう気持ちって必要でしょ?」っていう救いで終わってる気がして、シネマの歌で初めて「優しい歌だな」って思ったんですよ。メジャーの最初に出るっていうことで、決意表明みたいなものが来るのかなっていうところに、ものすごく肌触りのいい、夏の少し汗ばんだ肌にそっとかかるタオルケットみたいなものが来たなって(笑)。

飯田:俺は初めて「まさに自分が歌う曲」っていうか、自分に合う曲だって思ったんですよ。今までは「こんな曲を自分が歌ったら化学反応でよくなるかもしれない」っていう考え方で歌ってたんですけど、これはすんなり歌うことができました。

―この前の取材で三島くんが「表現しなきゃっていうプレッシャーから解放された」って言ってたのが印象的で、それっていうのは追い込まれた結果だったのかもしれないけど、それによって生まれたある種のダイレクトさ、ストレートさっていうのは、まさにLOST IN TIMEの曲からも感じられるものだと思ったんですよね。

海北:僕は逆に自分の中から出てきたものに対しての、有無を言わさぬ説得力っていうものだけを抽出して歌にしようとし過ぎて、曲が書けなくなった時期を経験してるんです。変に意識した瞬間に、もうあざとくなってるなってことに気がついちゃったんですよね。いつのまにかテクニックにおぼれてて、工夫して工夫して、いざできあがったのを見たら、「あれ? 俺こんなこと言いたかったっけ?」みたいなことが往々にしてあって、自分の中の軸を持つ大切さっていうのを、身に染みて感じたんです。

―もしかしたら、今回の経験で三島くんもその軸っていうのを見つけられたのかもしれない。

海北:歌詞の言葉数がすごく少ないじゃん? 情報量が少ないはずなんだけど、人間って余白があると自分で補完するんですよね。プレステ3のものすごく豪華なグラフィックのゲームも面白いんだけど、テキストとドット絵でピコピコ動いてたファミコンの、あの三和音にすごく想像力をかきたてられた。そこを手に入れたっていうか、普遍的なところにすごく手が届いてる曲だなって。「緑」っていうのは「普遍」ですもんね。

飯田:普遍的なものって、三島がすっごい考えてるところだと思うんですよね。

三島:今ちょっと泣きそうだもん(笑)。このインタビューだけで歌詞の本音を言うと、そのプライベートの問題があって、鬱になりつつ曲を書いて書いて書いて、やっと“into the green”ができたぐらい、そろそろ前を向こうかっていうときに聴いてたのが、(LOST IN TIMEの)『ロスト アンド ファウンド』だったんですよ。これは一生忘れないと思うんですけど、去年の9月に免許の更新で岐阜に帰ったときに、車の中で聴きながら1人で号泣してて、そのときの岐阜の緑の感じ、田舎の田んぼとかがものすごくリンクして、そこから生まれた歌詞と言っても過言ではないです。「名前を呼んでくれ」って言葉にたどり着くまでには、葛藤がものすごくあって、今までだったら「そんなこと言えるかよ」って思ったと思うんですけど、「でも、これしかないよな」って思ったんですよね。

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イベント情報

『cinema staff 1st E.P.「into the green」release oneman live「望郷」』

2012年7月1日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:岐阜県 岐阜 BRAVO
出演:cinema staff
料金:前売2,800円 当日3,300円
※チケット完売

2012年7月15日(日)OPEN 17:15 / START 18:00
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
出演:cinema staff
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

>LOST IN TIME 10th anniversary
『〜まだまだ続くよ10周年!アコースティックでホールに挑戦!〜』

2012年11月2日(金)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 下北沢 北沢タウンホール
料金:前売3,500円 当日4,000円

LOST IN TIME 10th anniversary
『〜まだまだ続くよ10周年!アコースティックで大阪ワンマンに挑戦!AKASO編〜』

2012年11月16日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 AKASO
料金:前売3,300円 当日3,800円(共にドリンク別)

リリース情報

cinema staff<br>
『into the green』(CD)
cinema staff
『into the green』(CD)

2012年6月20日発売
価格:1,400円(税込)
PCCA-03613

1. into the green
2. 棺とカーテン
3. チェンジアップ(Re-Recording)
4. 優しくしないで(Re-Recording)
5. KARAKURI in the skywalkers(Re-Recording)
6. AMK HOLLIC(Re-Recording)
※初回特典として『cinema book』が付属

cinema staff
『SALVAGE YOU』(CD)

2012年9月5日発売
価格:1,800円(税込)
PCCA-03652

1. 奇跡
2. WARP
3. さよなら、メルツ
4. her method
5. warszawa
6. 小説家
7. salvage me

LOST IN TIME<br>
『-BEST Album- BEST きのう編』(CD)
LOST IN TIME
『-BEST Album- BEST きのう編』(CD)

2012年3月7日発売
価格:2,520円(税込)
UKDZ-0117

1. 再会
2. 花
3. 翼
4. 通り雨
5. 約束
6. 教会通り
7. 列車
8. 昨日の事
9. 北風と太陽
10. 秘密
11. 然様ならば
12. 足跡(STEP UP RECORDS コンピレーション“OUT OF THIS WORLD 4”収録)
13. ひとりごと
14. ニジノシズク
15. 進む時間、止まってた自分
16. グレープフルーツ

LOST IN TIME<br>
『-BEST Album- BEST あした編』(CD)
LOST IN TIME
『-BEST Album- BEST あした編』(CD)

2012年3月7日発売
価格:2,520円(税込)
UKDZ-0118

1. あしたのおと
2. 線路の上
3. 手紙
4. ヒカリ
5. ココロノウタ
6. あなたは生きている
7. 声(DVD『秒針』初回盤ボーナストラック)
8. はじまり
9. 旅立ち前夜
10. 最後の一球
11. 26
12. 合い言葉
13. 希望
14. ハローイエロー
15. 陽だまり
16. バードコール
17. ぼくらの声の 帰る場所

プロフィール

cinema staff

2003年、辻 友貴、飯田瑞規、三島想平が前身バンドを結成。2006年7月に久野洋平が加入し、現在の編成となる。愛知・岐阜県のライブハウスを中心に活動を開始し、2008年に残響recordより1st mini album『document』をリリース。現在までに3枚のミニアルバムと1枚のフルアルバムとシングルをリリースし、2012年6月に満を持して1st E.P.『into the green』でメジャーデビューを果たす。

LOST IN TIME

2002年アルバム『冬空と君の手』でデビューしたスリーピースバンド。10周年を迎えた2012年3月に初のベストアルバム『ベストきのう編』『ベストあした編』を2枚同時リリース。海北大輔が生み出す独特な楽曲の世界と圧倒的な歌声とベース、大岡源一郎のタイトなドラム、三井律郎のソリッドなギター、それらが一体となって研ぎすまされたサウンドは感情の奥深くに染み込んで心を揺さぶる。

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