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cinema staff × LOST IN TIME対談

cinema staff × LOST IN TIME対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

「いつか対バンしたいです」ってCDを持ってきてくれる高校生とかいっぱいいて、いつもそういう子には「絶対対バンしよう」って言ってるんですけど、それは本当に叶うことなんだって自分が実感できてるからなんですよね。(飯田)

―海北さんがメジャーでのシネマに期待するのはどんな部分ですか?

海北:さっき言った「優しさ」っていう部分が、すごく今のご時世にマッチしてる気がするんですよね。最大瞬間風速が強い状態でいろんなものをなぎ倒していくっていうんじゃなくて、気がついたらものすごく心地いい風が吹いてて、すごく景色のいい場所にいるみたいな、そういうマジックの起こし方をできそうな気はするんですよね。

―三島くんはメジャーとインディーっていう部分に関して、どんな考えを持っていますか?

三島:まだメジャーの実感が強くあるわけではないんですけど、タイミングが去年じゃなくてよかったなっていうのはありますね。今は自分で今後をプランニングするのが当たり前だと思うし、できて当然なんですけど、去年までの状態だったらできてなかったかもしれない。自分のペースもできてなかったし、音楽だけで生きていくっていうまわしはまだしまってなかったかもしれないですね。守られながらやってるのが普通だったんで、この1年がすごく効きました。

写真右:三島想平

海北:愛されてはいるんだけど、守られてない状態でメジャーに行くっていうのがグッと来るんですよね。前の打ち上げで話したことなんですけど、「これからバンドはみんな矢沢永吉さんになるべきだ」っていう話をしてて(笑)。誰かに何かしてもらうんじゃなくて、まず自分たちが「こうしたい」っていうのが最初にあって、それをするために自分たちだけでは足りない部分を、「お願いします」っていう形で補ってもらうことが大事なんですよね。

―「まず自分ありき」の代表として、矢沢永吉さんだと(笑)。

海北:僕自身はこの2〜3年でそれを痛感する出来事がいっぱいあったんですけど、シネマのみんなは去年の経験で、バンドのスタンスをはっきりさせたんだと思うんですよね。インディーからメジャーに行くタイミングで、そのスタンスを人に手渡してしまう例も今まで見てきたけど、シネマに関してはこの間のライブを見ても、打ち上げで話をしても、その心配は全くなくて、あくまで自分たちのやりたいことがあって、それを広いフィールドでやっていくんだっていう意識がみんなにあると思うんです。

飯田:さっきのクアトロでメジャーデビューを発表したときにお客さんが喜んでくれたのって、ロストが最初に出て、こういう話をしてくれてたのが大きかったと思うんです。お客さんは僕らがロストのことが大好きで呼んでるっていうのはわかってくれてるし、その尊敬する人がシネマを肯定してくれてる、その雰囲気がプラスされて、あのときの歓声が起こったんだと思うんですよね。

海北:きっといずれ、シネマがそういう立場に回る瞬間っていうのが来ると思うよ。っていうか、すぐだよ、すぐ(笑)。

飯田:「いつか対バンしたいです」ってCDを持ってきてくれる高校生とかがいっぱいいて、いつもそういう子には「絶対対バンしよう!」って言ってるんですけど、それは本当に叶うことなんだって自分が実感できてるからなんですよね。LOST IN TIMEみたいに影響を与える側に、早く行きたいですね。

飯田瑞規

違法ダウンロードとかいろんなことが取り上げられて、「もう終わった」っていう人もいるけど、「現場に来てごらんよ! こんな楽しいことが起こってるんだぜ!」って言いたい。(海北)

―僕がシネマに期待してるのは、音楽に対する愛情、音楽の現場に対する愛情っていうのをものすごく強く持ってるからっていうこともあるんですよね。

海北:うん、そこには年上とか年下って関係なくて、その人たちにしかないものを持ってるバンドと出会ったときの「やべえ、会っちゃった」っていう嬉しい気持ち、無条件でファンになれる意識っていうのかな、それってすごく素敵なことだと思う。今ってそういう人たちが増えてきてると思うから、僕はちっとも音楽業界に絶望してないんですよ。違法ダウンロードとかいろんなことが取り上げられて、「もう終わった」っていう人もいるけど、「現場に来てごらんよ! こんな楽しいことが起こってるんだぜ!」って言いたい。「こんなすげえライブをやるバンドが、このタイミングでメジャーデビューだぜ!」って、俺はホント声を大にして言いたくて。だから、僕にとってもシネマの今回のメジャーデビューっていうのは、希望なんです。プレッシャーかけてるわけじゃないよ、これ(笑)。

三島:僕も現状をそんなに悲観はしてなくて、僕らは真っ当に曲を作って、ライブをやって、CDを出すことはできてるし、ホント現場は関係ないと思うんです。ライブに代替品がないっていうのは絶対だと思うんで、あんまり危惧はしてないですね。

海北:これはちょっと変な言い方かもしれないけど、シーンって言葉をシネマが中心になって作ってほしいなって気持ちはちょっとあって。今までシーンっていう言葉を自分たちでコントロールできてた人たちって、ハイスタだけだと思うのね。あれ以外のシーンっていう言葉で一緒くたにされてた人たちって、自分たちじゃなくて、どこぞの誰かが言い出した言葉で一緒くたにされてて、そういうものってやっぱり一過性のもので終わってる。ハイスタの世代の人たちは、シーンっていうものを意識的にみんなで作ってた気がして、シネマは次世代でその中心になれるバンドかなって。

三島:さすがに「シーンを作っていきます!」っていう一大宣言みたいなのはおこがましくてできないですけど、フックアップしていきたいっていう意識はものすごくありますね。僕がずっと「岐阜でフェスをやりたい」って言ってるのもそういう意味があるし。あとは辻くんが一番具体的に行動に移してることですけど、単純にブログでお勧めのCDを書いたりとか、地方のバンドをディストロ(流通)したりとか、そういうことをやることによって、「きっかけになりました」って言ってくれる人がいっぱいいるんですよね。

海北:ロストもこの間リキッドでワンマンをやったときに、「クアトロ(シネマのツアーファイナル)で初めて見て、今日が2回目です」ってお客さんがちょいちょいいて、「すげえな」って思った。

三島:それはホント最高に幸せを感じますね。

海北大輔

海北:この記事はもちろんシネマのファン、ロストのファンも読んでくれると思うから、そういう人たちに、優等生的な発言ではなく、当然のこととして言いたいんだけど、結局1つのバンドだけで立ち行けるストーリーなんてそうそうないんですよ。条件とかタイミング、仲間との関係性とか、いろんなものが絡み合って、ストーリーがどんどん面白くなっていく。そのcinema staffでありLOST IN TIMEのストーリーをもっともっと面白くしたいのであれば、「どんどん干渉しておいでよ、この物語は君の物語でもあるんだよ」って言いたい。「もっと広がるといいな」って思うだけじゃなくて、「今は君自身が広がるきっかけになりうる時代なんだよ」っていうのは、ホントに言いたくて。

―うん、まさにそういう時代だと思います。

海北:マスなものとかソーシャルなもののバランスがすごく変わってきてる中で、シネマは今その両方が使えるフィールドを手にしてる気がする。ことメディアに対しての不信感が、特に報道系に対しては強いけど、そういう中でも、みんなが言ってることと、雑誌に載ってることが一緒になる瞬間を、ぜひ作ろうよって思うんだよね。

飯田:バンドマンってライブをして、音楽で何か人に影響を与えるものだってずっと思ってたんですけど、活動の仕方だったりとか、他の部分でも影響を与えることができる人たちなんだっていうのを最近すごく感じてて。メジャーっていうのはそれをさらに増幅させることができそうだなっていうのは、すごく思いますね。

海北:ただ、「そこまで意識しなくてもいいんだからね」ってことは言っとく(笑)。俺今ちょっと「しまった」と思ってて(笑)、シネマはみんな真面目だから、ある種適当でもいいかもしれない。っていうのは、みんな純粋に自分たちの音楽を信じてると思うから、それをやり続けてさえいれば、俺が言ったようなことに段々なっていくと思うからね。

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イベント情報

『cinema staff 1st E.P.「into the green」release oneman live「望郷」』

2012年7月1日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:岐阜県 岐阜 BRAVO
出演:cinema staff
料金:前売2,800円 当日3,300円
※チケット完売

2012年7月15日(日)OPEN 17:15 / START 18:00
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM
出演:cinema staff
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

>LOST IN TIME 10th anniversary
『〜まだまだ続くよ10周年!アコースティックでホールに挑戦!〜』

2012年11月2日(金)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 下北沢 北沢タウンホール
料金:前売3,500円 当日4,000円

LOST IN TIME 10th anniversary
『〜まだまだ続くよ10周年!アコースティックで大阪ワンマンに挑戦!AKASO編〜』

2012年11月16日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 AKASO
料金:前売3,300円 当日3,800円(共にドリンク別)

リリース情報

cinema staff<br>
『into the green』(CD)
cinema staff
『into the green』(CD)

2012年6月20日発売
価格:1,400円(税込)
PCCA-03613

1. into the green
2. 棺とカーテン
3. チェンジアップ(Re-Recording)
4. 優しくしないで(Re-Recording)
5. KARAKURI in the skywalkers(Re-Recording)
6. AMK HOLLIC(Re-Recording)
※初回特典として『cinema book』が付属

cinema staff
『SALVAGE YOU』(CD)

2012年9月5日発売
価格:1,800円(税込)
PCCA-03652

1. 奇跡
2. WARP
3. さよなら、メルツ
4. her method
5. warszawa
6. 小説家
7. salvage me

LOST IN TIME<br>
『-BEST Album- BEST きのう編』(CD)
LOST IN TIME
『-BEST Album- BEST きのう編』(CD)

2012年3月7日発売
価格:2,520円(税込)
UKDZ-0117

1. 再会
2. 花
3. 翼
4. 通り雨
5. 約束
6. 教会通り
7. 列車
8. 昨日の事
9. 北風と太陽
10. 秘密
11. 然様ならば
12. 足跡(STEP UP RECORDS コンピレーション“OUT OF THIS WORLD 4”収録)
13. ひとりごと
14. ニジノシズク
15. 進む時間、止まってた自分
16. グレープフルーツ

LOST IN TIME<br>
『-BEST Album- BEST あした編』(CD)
LOST IN TIME
『-BEST Album- BEST あした編』(CD)

2012年3月7日発売
価格:2,520円(税込)
UKDZ-0118

1. あしたのおと
2. 線路の上
3. 手紙
4. ヒカリ
5. ココロノウタ
6. あなたは生きている
7. 声(DVD『秒針』初回盤ボーナストラック)
8. はじまり
9. 旅立ち前夜
10. 最後の一球
11. 26
12. 合い言葉
13. 希望
14. ハローイエロー
15. 陽だまり
16. バードコール
17. ぼくらの声の 帰る場所

プロフィール

cinema staff

2003年、辻 友貴、飯田瑞規、三島想平が前身バンドを結成。2006年7月に久野洋平が加入し、現在の編成となる。愛知・岐阜県のライブハウスを中心に活動を開始し、2008年に残響recordより1st mini album『document』をリリース。現在までに3枚のミニアルバムと1枚のフルアルバムとシングルをリリースし、2012年6月に満を持して1st E.P.『into the green』でメジャーデビューを果たす。

LOST IN TIME

2002年アルバム『冬空と君の手』でデビューしたスリーピースバンド。10周年を迎えた2012年3月に初のベストアルバム『ベストきのう編』『ベストあした編』を2枚同時リリース。海北大輔が生み出す独特な楽曲の世界と圧倒的な歌声とベース、大岡源一郎のタイトなドラム、三井律郎のソリッドなギター、それらが一体となって研ぎすまされたサウンドは感情の奥深くに染み込んで心を揺さぶる。

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