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バンドがお客さんを求める気持ち cinema staffインタビュー

バンドがお客さんを求める気持ち cinema staffインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2012/09/07

メジャーデビュー盤となった1st EP『into the green』から2か月半という非常に短いスパンで、cinema staffの新作4thミニアルバム『SALVAGE YOU』が届いた。これまでのCINRAの記事でも語られていたように、プライベートの問題などもあって気落ちしていた昨年の三島が、ひたすら曲を作ることでその時期を乗り越えた証となる1曲が“into the green”であり、そこに至る過程で産み落とされた曲たちが収録されたのが、この『SALVAGE YOU』というわけだ。もちろん、そこには“into the green”以降の感覚が吹き込まれ、自分をそのままさらけ出し、オーディエンスとの「共有」を求める、最新の4人の姿がしっかりと刻まれている。

「これはやっちゃいかんだろ」っていう自分の中の暗黙のコード感だったりを、「これもよしとしてみよう」と思って。(三島)

―今回の作品に入ってる曲っていうのは、去年三島くんの気持ちが落ちてたときにひたすら作ってた曲なんですよね?

三島:すべてそうです。“into the green”にたどり着くまでの過程ですね。

―“奇跡”とか“salvage me”あたりは、歌詞の開けたムードからして“into the green”の後に作ったのかなとも思ったんだけど。

三島:制作のときに2回プリプロがあったんですけど、“奇跡”と“salvage me”は後半にできた曲で、“into the green”に行きつくギリギリ前、気持ち的にもちょっとギアが変わったときの作品ではありますね。

―さらに言えば、“into the green”や“奇跡”みたいにポップで明るい曲が出てきてるのは、落ち込んだ気持ちを引き上げるような意味合いがあった?

三島:その意味合いもあったんですけど、自分の中で曲を作るハードルがめちゃくちゃになってた時期だったから、ある意味それを利用したというか。“奇跡”のコード感みたいに、「これはやっちゃいかんだろ」っていう自分の中の暗黙のコード感だったりを、「これもよしとしてみよう」と思って、全部完成までやってみたっていう感じなんです。

―「これはベタ過ぎるだろ」っていうのも、「とりあえずやっちゃおう」っていう。

三島:そういうことですね。去年はそれがオッケーになってる時期だったんです。

久野:「とにかくやってみよう」っていう感じはすごくあって、「このコード感ナシだよね」とか、実際作りながら言ってたんですよ。でも、三島的にはナシでも、僕ら的には「それよくない?」って感じもあったので、なるべくどう思ったかは言うようにして、言葉で共有して、アリナシはみんなで決めるようにしてました。

cinema staff
cinema staff

―三島君的にはナシでも、周りからすれば今までになくて新鮮だったりしたと。

飯田:その感じはありましたね。

―それが今回の作品の曲調の幅広さに結果的に結びついたんだろうね。『SALVAGE YOU』っていうタイトルに関しては、「SALVAGE」=「救い」っていうのが今のシネマのキーワードになってることは間違いないと思うんだけど、この言葉が初めて出てきたのって、今年の春のツアータイトル『SALVAGE YOUR VINYL』でしたよね? あのツアータイトルにはどういう意味合いがあったんですか?

三島:あれは『SALVAGE YOU』に行きつくまでのひとつの布石というか、なぜ「VINYL」かっていうのは語感だったり、単純に僕らがレコードを漁る作業が好きだからっていう思いつきだったんですけど、「VINYL」から「YOU」に、人間そのものになっていくっていう、その布石としてのタイトルでした。

―そもそも「SALVAGE」っていう言葉が出てきたのはいつなんですか?

三島:去年曲をバーッて書いてて、その最初の時期に“SALVAGE”っていう曲があったんです。そこから「自分がどう救われるか」っていうのを意識し出して、それが“into the green”になるんですけど。

―“salvage me”ではなくて、“into the green”になったんですね。

三島:“salvage me”は“into the green”の直前にできた曲で、元々別のタイトルだったんですけど、この名前に変えました。あと「VINYL」っていう言葉を使ったのは、フィジカルなものの象徴っていう意味もあって、レコードは手に取ってプレイヤーに置かないと聴けなくて、今はMP3とか圧縮音源全盛ですけど、でもわざわざ手に取ることに意味があると思うんです。ライブにも同じようなことが言えて、行ってみないとわからない。そういうところを大切にしようぜっていう気持ちもありました。

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イベント情報

『「SALVAGE YOU」release tour 「夜は短し歩けよ辻」』

2012年10月5日(金)
会場:北海道 札幌COLONY

2012年10月7日(日)
会場:宮城県 仙台MACANA

2012年10月8日(月・祝)
会場:岩手県 盛岡CLUB CHANGE

2012年10月12日(金)
会場:新潟県 新潟 CLUB RIVERST

2012年10月17日(水)
会場:福岡県 福岡 DRUM SON

2012年10月19日(金)
会場:香川県 高松DIME

2012年10月20日(土)
会場:広島県 広島 ナミキジャンクション

2012年11月6日(火)
会場:大阪府 心斎橋 JANUS

2012年11月7日(水)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2012年11月9日(金)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

リリース情報

cinema staff<br>
『SALVAGE YOU』
cinema staff
『SALVAGE YOU』

2012年9月5日発売
価格:1,800円(税込)
PCCA-03652

1. 奇跡
2. WARP
3. さよなら、メルツ
4. her method
5. warszawa
6. 小説家
7. salvage me

プロフィール

cinema staff

2003年、辻 友貴、飯田瑞規、三島想平が前身バンドを結成。2006年7月に久野洋平が加入し、現在の編成となる。愛知・岐阜県のライブハウスを中心に活動を開始し、2008年に残響recordより1st mini album『document』をリリース。現在までに3枚のミニアルバムと1枚のフルアルバムとシングルをリリースし、2012年6月に満を持して1st E.P.『into the green』でメジャーデビューを果たす。

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