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美しさの中に汚れが欲しい シシド・カフカインタビュー

美しさの中に汚れが欲しい シシド・カフカインタビュー

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:西田香織

私がやりたいことって、デジタルではないんです。ノット・デジタル(笑)。

―じゃあ、ちょっとフランクな質問を。しばらく音楽活動漬けでお忙しかったと思うんですけど、そんな中で音楽以外に興味を惹かれたことはありませんでしたか?

シシド・カフカ

シシド:そうだなぁ……。昔に持っていたものかな。自分が持っていたものを今になって掘り返すのが楽しくてしょうがないんですよ。あと、大学で写真を暗室で焼いていたっていう話を前回のインタビューでしたじゃないですか。実は最近またそれをやり始めて。

―そういえばおっしゃってましたね! もしミュージシャンじゃなかったら、プリンターの仕事がやりたかったって。

シシド:そうそう(笑)。必要があってまたやり始めたことなんですけど、それからまた自分の好きなように写真を焼くのが楽しくなって。5年ぶりくらいだったので、見事に忘れてましたけどね(笑)。でも、やっぱり楽しかった。あと、最近は家具を見まくってます。昔から家具が好きなんですよ。高校生の頃に、もし音楽で食べていけなかったらなにをしようかと考えたときに、家具デザイナーもいいなと思って、理数系を専攻していたんです。物理がまったくできなくて、1年で断念したんですけど(笑)。

―昔の自分を掘り下げる作業って、現在のアーティスト活動のためにもきっと有益なんじゃないかと思うんですが、どうですか?

シシド:確かにそうですね。でも、自分が楽しんでいたことをやらなくなってしまうのが、単純にもったいないなっていう気持ちもあって。それに人間の感覚って面白くて、簡単に忘れるんだけど、やっていくうちにいくらかは取り戻していくんですよね。やっぱり、私がやりたいことって、デジタルではないんです。ノット・デジタル(笑)。私の曲は打ち込みの音もけっこう多く入っているので、そういうものをすべて取り払ったものをやってみるのもアリだと思うし。音作りやアレンジでの遊びはもっといろんなことをやっていきたいですね。

 

ドラムボーカルとしてやっていくうちに、歌ってリズムなんだなと思うようにもなって。

―プレイヤーとしての成長は実感できていますか。

シシド:ただドラムだけを叩いていた頃の私って、ドラムをメロディーと同じように捉えていたんです。ドラムも歌と一緒にメロディーを奏でているような感覚で演奏していたんですけど、こうやってドラムボーカルとしてやっていくうちに、歌ってリズムなんだなと思うようにもなって。ドラムと歌の両方でリズムを刻むようになったのは、大きな違いかも。ドラムを叩きながら歌う分、言葉のアクセントがうまく合うと気持ちよく歌えるので、もっと言葉のリズムや乗せ方を意識するようになってきています。だから、歌い方はどんどん変わっているんじゃないかな。

―それはライブなどを重ねていくうちに掴んだこと?

シシド:どちらかというとレコーディングですね。やっぱり自分の歌をじっと聴く作業になるので。録音のときは、ドラムとボーカルそれぞれに集中できるっていうのもあるかな。

―シシドさんにとって、レコーディングという作業は楽しめるものですか。それとも苦しいもの?

シシド:始まったばかりの頃は不安ばかりだけど、最後の方になるとやっぱり楽しいですよ(笑)。すべてのパートを録り終えて、コーラスを入れるときが一番好きかな。今回の歌入れはとっても楽しかったんです。自分の歌い方というか、さじ加減がちょっとずつ見えてきた。やっぱり前までは自分がうまく歌っているつもりでも、聴いてみると全然イメージしていたものと違うことが多かったから。歌がどんどん楽しくなってきています。


今はなにをやるにも気持ちにブレがない状態。

―シシドさんは制作に関わる方々を「チーム」とおっしゃっていますよね。そのチームの中でシシドさんは楽曲制作のどこまで任されているんでしょうか。

シシド:私はチームに守られてきたようなところがあって。その中で自分のできる領域がある程度は決まっていたんですよね。で、今回のシングルではその領域から少しだけ飛び出した感覚があります。いくらか放任してもらえたというか。「ここからは好きにやっていいよ! でも、ちゃんと戻ってこいよ!」みたいな(笑)。将来的には自分でもっと音を作っていきたいとは思ってるんです。

―楽曲制作にもっと深く介入していきたいという気持ちが強いんですね。

シシド:メロディーを考えるのが好きなんですよ。今制作中の楽曲で、自分からメロディーを変えてみたものもあって。今まではメロディーが歌いづらいと思っても自分から提案できる術がなかったんですけど、自分からアイデアを提案できて、それを受け入れてもらえるようになったことで、もっと手応えがでてきたんです。ただ、私はコードを鳴らせる楽器が演奏できなくて(笑)。でも、私にはドラムがあるし、きっと打ち込みなんかも覚えていけると思うので、そこからもっと関わっていけたらなって。

シシド・カフカ

―やりたいことが増えてくると、克服すべき課題がどんどん生まれてきそうですね。

シシド:もっと会場全体のお客さんをがっちりと掴めるようになれなきゃなとは感じています。今こうして少しずつ自分の曲を知ってもらえて、レスポンスも大きくなっている中で、どんどんお客さんとのコミュニケーションがとれるようにはなってきたんですけど、そこはもっとお客さんと相乗していきたいというか。そこで自分に足りないところはもっと勉強していかないと。MCも、演奏力も。というか、すべてですね(笑)。

―モデルなどのお仕事についてはどうですか? ここ最近はかなり音楽に活動がフォーカスされてきているようにも感じますが。

シシド:最近はモデルさんとしてではなく、あくまでもミュージシャンのシシド・カフカとして、お洋服を着るようなお仕事をいただけている感じです。あくまでもシシド・カフカとして何事にも取り組めるから、今はなにをやるにも気持ちにブレがない状態ですね。

―気の早い話ですけど、このシングル以降にはどんなものを仕掛けていこうと考えていますか。今のシシドさんが自分の未来をどこまで見据えているのか、教えていただきたいです。

シシド:まず、次の制作はもう始まっています。そして、その先にアルバムのことも考えていくと思うんですけど、それは楽しみでもありつつ、怖くもあって。そのときの自分がどういう振れ幅を見せられるかを考えていると、すごくワクワクする反面、私はすごく難産なので(笑)。やっぱり歌詞を書く作業が私にとっては一番ハードなんです。

―そこはやっぱりナイーブになるところなんですね。

シシド:自分と向き合っていかなきゃいけないところですからね。だから、もっとパワーアップしていかなきゃ!

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リリース情報

シシド・カフカ『music』初回限定盤(CD+DVD)
シシド・カフカ
『music』初回限定盤(CD+DVD)

2013年2月20日発売
価格:1,800円(税込)
TECI-293

1. music
2. リカバリー
3. 無敵のロックスター
[DVD収録内容]
1. music MV
2. 2012.09.19 デビュー記念ライブ「愛する覚悟」ダイジェストムービー
3. Glico「PRETZ」TVCM Making Movie

シシド・カフカ『music』通常盤(CD)
シシド・カフカ
『music』通常盤(CD)

2013年2月20日発売
価格:1,200円(税込)
TECI-294

1. music
2. リカバリー
3. 無敵のロックスター
4. music(Demo version)(ボーナストラック)

イベント情報

『シシド・カフカ「music」Release LIVE2013』

2013年3月8日(金) OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪 梅田Shangri-La
料金:前売2,500 当日3,000円(ドリンク別)

プロフィール

シシド・カフカ

ドラムボーカル。6月23日生まれ、175cm。メキシコで生まれ、アルゼンチンで中学時代を過ごす。14歳のときにドラムを叩き始め、18歳でプロミュージシャンの仲間入り。大島賢治(THE HIGH-LOWS)、平出悟(UVERworldサウンドプロデューサー)と出会い、ドラムボーカルとしての才能を開花。同時に、モデル、役者としても活動中。2012年5月16日「デイドリームライダー」で配信デビュー後、大きな話題を呼んだ。精力的にライブ活動も行っており、パワフルでアグレッシブな演奏と、ルックスからは想像できないエモーショナルなボーカルで観客を魅了している。2012年9月19日『愛する覚悟』でCDデビュー。2013年2月20日にシングル『music』を発売。江崎グリコ「PRETZ」のCMでも話題に。

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