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匿名音楽制作集団「studio14」インタビュー

匿名音楽制作集団「studio14」インタビュー

テキスト
野村由芽
2013/06/20

以前と比べて、音楽の流通方法が様変わりしてきている。違法コピー、音楽配信、定額配信サービス、YouTube……少し考えてみるだけでも、様々なサービスが人々の生活に浸透していて、音楽の聴き方や体験に影響を与えていると言える。多くの人々が今の時代に合った音楽の盛り上げ方を模索している中、音楽活動を支援する総合音楽会社「エターナルステージ」の代表・遠山寛之がチャレンジングなプロジェクトを立ち上げた。匿名の音楽制作チーム「studio14」のメンバーには、一流の作品制作に携わっているミュージシャン、作曲、アレンジャー、エンジニアが名を連ね、クオリティーの高い音楽を日々生み出している。音楽制作の現場において、才能や実力を持っていても「ブランド」が足りずにクオリティーの高い音楽が見逃されていることに疑問を感じ、「個人の実績」ではなく「チームのクオリティー」を標榜しながら活動しているのだ。既存の音楽業界の問題に対する1つ回答を求めて、遠山と「studio14」の統括・TiTiにメールインタビューを行った。

音楽を聴く人にも発信する人にも刺激を与えたい。(遠山)

―これまでの音楽業界では、クリエイターとして評価され、自分の名前を社会に認知させることで、「自分に仕事が来る」状況を作り出し、生計を立てていくことがほとんどだと思います。もしくは、そういった個人クリエイターを組織した音楽制作会社なども実際にあるわけですが、それらもやはり、ある程度の知名度があるクリエイターが在籍している「実績」をもとに、仕事を受注しているように思います。「studio14」は、匿名で音楽制作を行うチームですが、既存の音楽業界が、「クオリティー」より「実績」を重視して仕事を発注する点にも、フラストレーションがあったのでしょうか?

TiTi:ここ数年で、音楽業界に対して危機感を持っている音楽家は確実に増えていると思います。理想を語る時間も増えましたし、音楽家が求めているものを理解できていない現場も多いです。

遠山:音楽制作の現場において、音楽のクリエイティブな部分を純粋に見てもらいたいという気持ちがありました。ブランドも時には重要ですが、作り手として、ブランド名で善し悪しを判断されるのではなく、よりストレートに作品に対して評価を得られればと思っています。

―そういった疑問を出発点に、「studio14」のプロジェクトが発足したんですね。

TiTi:音楽的なものを純粋に追求するというのは、当たり前のようでなかなかできていないことなんですよね。そんな当たり前のことを当たり前にできる環境が必要だと思ったんです。

遠山:構想としては2011年頃からありました。2012年よりテストケースとしていくつかの音楽制作案件を受注し、2013年の1月に正式にスタートしました。「studio14」を通して、国内外問わず様々な人に音楽の持つ魅力に改めて触れてもらえたり、音楽を聴く人にも発信する人にも何か刺激を与えるようなことができたらと思って始めたんです。

流通のされ方は時代と共に変わっていくが、芸術の本質が変わるわけではない。(遠山)

―「音楽を聞く側の人にも発信する側の人にも何か刺激を与えるような取り組み」について、もう少し詳しく訊かせてください。違法コピー、音楽配信、定額配信サービス、YouTubeなどなど、音楽の流通方法は変わり、一般ユーザーの音楽の聴き方や体験も変わりました。「studio14」は今、受注制作を主な業務にしているわけですから、アーティスト活動とはまた違った視点で「音楽を聴く側」と関わっているように思うのですが、その上で、具体的にはどういった「刺激」を与えたいと考えていますか?

遠山:音楽などの芸術は、そもそもは発信する人と受け取る人がいれば、それだけで成り立つものです。流通のされ方は時代と共に変わっていくものですが、芸術の本質が変わるわけではありません。「studio14」に限らず全てのクリエイターは、流通手段の変化に一喜一憂する必要はなく、そのときに利用できる便利な方法や有効な手段を選べばいいだけなんです。そのシンプルなことを「そうだよね」とストレートに感じてもらえたら、それは良い刺激になるんじゃないかと思っています。

―「studio14」には、ミュージシャン、作曲家、アレンジャー、エンジニアなど、音楽制作を一括で手がけられるメンバーが集まっているそうですが、実際は何名ぐらいで活動されているのでしょう。

遠山:コアメンバーで約20名程度が在籍しています。さらに、そのコアメンバーにご協力いただいている方までを含めると100名を超えます。

―参加メンバーは「studio14」以外ではどういったお仕事をされているのでしょうか。

遠山:匿名参加という性質上、個人の仕事についての具体的な作品名などは挙げられませんが、メジャーアーティストの音楽制作はもちろん、テレビドラマや映画の劇伴制作や、テレビCMの音楽制作も行っています。ミュージシャンに関しては、主にメジャーアーティスト関連の様々な現場に立つ方が集まっています。

―そういった方々が恊働して、音楽制作を行っているんですね。

遠山:そうですね。現在は音楽の受注制作の発展版のようなことを主にやっています。これまでに映像作品の主題歌制作やテレビCM音楽の提供などを行ってきています。今のところは主に歌ものが多いですね。

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プロフィール

遠山寛之(とおやま ひろゆき)

{1976年生まれ。2006年に株式会社エターナルステージを設立。独自のルートで入手している世界の音楽関連情報をもとに、今ベストな音楽活動の方法等を模索・提案している。

studio14(すたじおふぉーてぃーん)

作詞家、作曲家、アレンジャー、ミュージシャン、エンジニア等による、匿名参加のクリエイティブユニット。全員がそれぞれのジャンルで一流の作品を手がけて来たメンバーであり、音楽や芸術の新たな可能性を導きだす事を目標として様々なアプローチを行っている。

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