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磯部正文(HUSKING BEE)×大橋賢(『tieemo』主催)対談

磯部正文(HUSKING BEE)×大橋賢(『tieemo』主催)対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/10/07
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「さまざまなものを繋いでいきたい」という理念を示す「tie」に、「emo」をくっつけた造語『tieemo』(「ティーモ」と読む)を掲げた新たなフェスティバルが、11月9日と10日の2日間にわたって、所沢航空記念公園野外ステージで開催される。1990年代のエモシーンを代表するアメリカのバンドThe Get Up Kidsが両日に出演し、名高い評価を獲得しているファーストとセカンドアルバム中心のセットリストを披露する一方、日本のエモシーンの先駆けであるHUSKING BEEも同じくファーストとセカンド中心のセットリストで出演が決定(両バンドは『The Get Up Kids JAPAN tour 2013 Osaka/Nagoya』の名古屋でも対バンする)。cinema staffのようなシーンの直系とも言うべき若い世代から、Predawnやavengers in sci-fiのような、いわゆる「エモ」の枠には収まり切らないアーティストに至るまで、『tieemo』という言葉の意味を反映した幅の広いラインナップが実に魅力的だ。

そこで今回は、HUSKING BEEから磯部正文、そして、『tieemo』の主催者であり、バンドChoir touched teras chordのメンバーとして出演も果たす大橋賢を招き、フェスティバルの開催に向けての対談を行った。日本のエモシーンを、その誕生から当事者として見続けてきた磯部と、90年代末から00年代初頭の、「日本で今まさにエモが盛り上がりつつある」という時期に青春を過ごした大橋、それぞれの観点から「エモ」を語ってもらうことにより、「エモ」という音楽ジャンルの魅力と、その一方でのラベリングに対する違和感など、シーンに対する多角的な分析が浮かび上がってきたように思う。

エモには寒い方が似合うから、よく「秋にエモフェスすげえいいじゃん」って言われるんですよ。(大橋)

―今日は「エモ」をテーマにお話を伺いたいのですが、『tieemo』の開催の背景には、やはり「エモ」に対する愛情があるわけですよね?

大橋:そうですね。最初は「エモの外タレを日本に呼びたい」っていうところから始まって、TEXAS IS THE REASON(1990年代半ばに活躍し、エモの先駆け的存在として知られるバンドのひとつ)を呼ぼうとしてたんですけど、結局それはダメで、その後代理人を伝ってThe Get Up Kidsにたどり着き、最終的にオッケーをもらえました。

―HUSKING BEEが結成された94年とかだと、まだ「エモ」っていう言葉は使われていなくて、パンクとかメロコアと呼ばれていたと思うんですね。「エモ」という言葉を目にするようになったのは、いつ頃からでしたか?

磯部:たぶん、レコード屋のジャンル分けで、「ポップパンク」「メロディックハードコア」みたいな感じで、「エモーショナル」っていうのが出てきたんだと思うんですよね。発音的には「イーモウ」って言うらしいから、「イモ」って呼んでましたけど(笑)。まあ、Wikipediaにも書いてあるように、「自らエモを名乗るバンドは極めて少ない」らしいので……。

左から:磯部正文(HUSKING BEE)、(Choir touched teras chord、『tieemo』主催)
左から:磯部正文(HUSKING BEE)、(Choir touched teras chord、『tieemo』主催)

―書いてありますよね(笑)。あれ見たときちょっと笑いました。

磯部:そう、自己紹介するときに「エモーショナルなハードコアパンクをやってる磯部です」とは何となく言えなくて(笑)。だから「エモ」って言葉は頭の片隅にあるような感じだったんです。でも、自分たちが「エモーショナル」「叙情的な感じ」って言われるのは悪くはないなって思ってましたし、そんなに響きも悪くないとは思ってましたよ。

大橋:僕がハスキンを知ったのは、ハイスタ、シャーベット、ハスキンみたいな、あの時代だったんですけど……。

磯部:今おいくつなんですか?

大橋賢(Choir touched teras chord、『tieemo』主催)

大橋:33歳です。ちょうど高校生ぐらいのときに『GRIP』(97年発表のHUSKING BEEのファースト)を12インチのレコードで買って、「これやべえ!」みたいな感じで(笑)。エモにのめり込んでいったのは、Snuffy Smile(90年代前半から活動していた東京のレコードレーベル)とかから入って、STARMARKET(スウェーデンのエモ系バンド)とかを聴くようになって、初めてMINERAL(90年代半ばに活躍したアメリカのバンド)を聴いたときに、「これだ!」っていう。


―その「これだ!」って思ったのは、何が特別だったのでしょう?

大橋:それまではテンポの速いパンクが好きで、静かな音楽ってあんまり聴いてなかったんですけど、MINERALはすごい静かな部分と、ガツンと盛り上がりつつ泣けるメロディーもあって、それがすごい衝撃で。それまで味わったことのない感覚だったんですよね。

―磯部さんは当事者として、シーンの盛り上がりを感じていました?

磯部:存分に(笑)。その頃ロスにレコーディングしに行って、ライブもいっぱい見ました。ただ、ロスにはあんまりエモは似合わないなって思ったんですよ。雨降ったり、曇ったりする地域の方が似合う。やっぱり天気って関係あるんだなって。

大橋:風景の感じとかありますよね。

磯部:冬の裸の木が似合うとかね(笑)。

大橋:わかります、みんなそんなジャケだった(笑)。やっぱりエモには寒い方が似合うから、よく「秋にエモフェスすげえいいじゃん」って言われるんですよ。それを狙ったわけではなかったんですけど、俺暑いのダメだし、結果的にはよかったなって思いますね(笑)。

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イベント情報

『music festival「tieemo」』

2013年11月9日(土)、11月10日(日)OPEN 10:30 / START 11:30 / END 17:00(予定)
会場:埼玉県 所沢航空記念公園
11月9日出演:
The Get Up Kids
Predawn
HUSKING BEE
avengers in sci-fi
グッドモーニングアメリカ
LAST ALLIANCE
11月10日出演:
The Get Up Kids
BIGMAMA
武居創(ex.OCEANLANE)
cinema staff
Choir touched teras chord
the band apart
料金:
1日券5,700円
2日間通し券9,800円
3人グループチケット1日券15,300円
3人グループチケット2日間通し券27,600円

『The Get Up Kids JAPAN tour 2013 Osaka/Nagoya

2013年11月6日(水)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT
出演:
The Get Up Kids
Choir touched teras chord
and more

2013年11月7日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE
出演:
The Get Up Kids
HUSKING BEE
Choir touched teras chord

料金:各公演 4,900円

プロフィール

HUSKING BEE(はすきんぐびー)

1997年に1stアルバム『GRIP』をHi-STANDARDの横山健が立ち上げたPIZZA OF DEATH RECORDSよりリリースし、華々しく活動を開始する。1998年には2ndアルバム『PUT ON FRESH PAINT』をリリース。この作品は海外版としてThe Get Up Kidsを輩出した名門Doghouse recordsから全米リリースされるなど、日本においてもエモの先駆者という扱いを受けている。2005年に人気絶頂の中バンド解散を表明。解散以降、磯部正文(Vo,gt)はThe Get Up Kidsのマット・プライアー(Vo,gt)、SAVES THE DAYのクリス(Vo,gt)と共に「3 Way Acoustic Split」をリリースするなど様々な活動を経て、2012年ついにHUSKING BEE再結成を果たす。その後、八王子の最重要エモバンドmalegoatの岸野一(Ba,cho)をメンバーに迎えるなどして、新布陣を完成させる。

Choir touched teras chord(くわいあーたっちどてらすこーど)

2010年結成、emo /US インディーバンド。通称ちょいあー。結成3年足らずで、目指していたThe Get Up Kidsの真の後継者と呼ばれる。どこまでも純粋無垢で煌くメロディーと素のままでゆるい彼らとは裏腹に、丹念に作られた彼らの楽曲。2013年8月21日、1st mini album“pm/fm”をレーベルfurther platonicsから全国流通盤リリース。

tieemo(てぃーも)

様々なシーンで活躍している人々が繋がり作り出す「瑞々しい高揚感、情熱と青春、未来への架け橋」。このようなテーマから"tieemo"の構想が始まったようだ。"tieemo"では様々なものを紡いでいきたいという理念のもとtie(結ぶ、繋ぐ)という文字が付けられ、そしてtieに繋げる文字にはemo(emotional / 感情的)という文字が付けられている。現在日本では90年代emoリバイバルというムーブメントが再び起きていて、リアルタイム世代、今の若者、両方が時代を超えて同じ感動を分かち合うという奇跡的な状況が至る所で見られている。music festival “tieemo”にはemoリバイバルの波をさらに荒立て、他の様々なシーンと繋がっていける架け橋へとなる期待を抱かせられる。

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