特集 PR

これで「さようなら」のつもりだった DECO*27インタビュー

これで「さようなら」のつもりだった DECO*27インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/12/18
  • 0

これまでボカロシーンを牽引してきたlivetuneとsupercellがそれぞれベスト盤と新作を発表し、小説家でもあるじん(自然の敵P)のアルバム『メカクシティレコーズ』はボカロPの単独名義として初めてオリコンチャートで1位を獲得。冨田勲と初音ミクによるコラボレーションの『イーハトーヴ交響曲』は再演が繰り返され、渋谷慶一郎による初音ミク主演のオペラ『THE END』は11月にフランスのシャトレ座で上演されるなど、2013年もボーカロイドを取り巻く動きは常に刺激的だった。そんな中、シーンのトップクリエイターの一人であり、柴咲コウとのユニット結成などによって、ボカロの認知度アップにも大きな貢献を果たしてきたDECO*27は、音楽から離れることを考えていたのだという。5年間の活動の中で「すべてやり切ったように感じた」というDECO*27の言葉は、そのままボカロを取り巻く状況がこの5年でいかに急激な変化を遂げたかを物語っていると言ってもいいだろう。

しかし、DECO*27は再び音楽の世界に戻ってきた。それはまるで初音ミクの魔法に導かれたかのような、不思議な巡りあわせによって。12月18日に発表される初のベストアルバム『DECO*27 VOCALOID COLLECTION 2008〜2012』に続き、現在DECO*27は全編初音ミクを使ったボカロアルバムを制作中だという。もっともっと多くの人の耳にミクの声を届けるため。音楽を愛してやまないボーカロイドプロデューサーの、晴れやかな新章がここに幕を開ける。

DECO*27をやめようと思ったんです。

―ベストアルバムを出そうというアイデアはいつ頃出たのですか?

DECO*27:今年の6月くらいですかね。でも、最初はすごいマイナスのスタートで、もうDECO*27をやめようと思ったんです。

―そうらしいですね。取材前に知って驚きました。

DECO*27:やめるんだったら最後にこれまでの曲をまとめて出そうということで、DECO*27のベストを出そうっていう話でした。だから最初は、「VOCALOID COLLECTION」ではなかったんです。

―それって、あくまでDECO*27名義での活動をやめようと思ったのですか? それとも、音楽活動自体をやめようと思ったんでしょうか?

DECO*27:音楽自体から離れようと思ってました。「ボーカロイドの曲をニコ動に投稿して100万再生を超える」っていう、自分がボカロPになろうと思ったときに作った目標を叶えちゃったし、marinaさんってボーカルの方に歌ってもらった“愛迷エレジー”も100万再生されて、ボーカロイドじゃなくてもある程度の再生回数が出せたし、柴咲コウさんやいろんな方とコラボするっていう夢も叶ったし、やり切った感があって。「さて、これからどうしよう」っていうときに、ぽっかり穴が開いたような感じがしたんです。音楽以外で自分がやれることがあるんじゃないかって、思っちゃったんですよね。

DECO*27
DECO*27

―この5年間の変化があまりに急激だったっていうことも関係しているのでしょうか?

DECO*27:それはありますね。自分の中でもすごくスピードは速かったです。常に新しいことをやりたいと思ってやってきて、1枚目は全部ボーカロイド、2枚目はボーカロイドとボーカリストが半分ずつ、3枚目は全部ボーカリスト。全部やっちゃったから、もうやってないことないなって。

―でも、去年取材をさせていただいたときは「制作は生活の一部」「それをやらないと自分を保てない」ということもおっしゃってましたし、そういう人が音楽をやめようと思うって、相当悩んだのではないかと思うのですが。

DECO*27:去年の中ごろ、『ラブカレンダー』を出したあたりから、少しずつ考え始めて……何をしていいのかわからない状況でしたね。曲も書いてなかったですし。

―曲を書く代わりに、何をしてました?

DECO*27:よく友達とご飯を食べに行ってました(笑)。そういう中で、夏にスペインのバルセロナに『sonar』という音楽フェスティバルを見に行く機会があったんです。そこでトッド・テリエがライブをやってて、2万人ぐらいのお客さんがみんな両手を上げて盛り上がってるところを見たら、ふと「もう1回ミクで曲作ってみようかな」って思ったんです。それで帰国してすぐに、9月にニコ動に上げた“妄想税”の制作を始めたんです。それまでは事務所の人に何を言われてもやめるつもりだったんですけど、結局自分が音楽を好きだからこそ、音楽の力で自分が覆されちゃったんですよね。


Page 1
次へ

リリース情報

DECO*27<br>
『DECO*27 VOCALOID COLLECTION 2008〜2012』初回限定盤(2CD+DVD)
DECO*27
『DECO*27 VOCALOID COLLECTION 2008〜2012』初回限定盤(2CD+DVD)

2013年12月18日発売
価格:3,500円(税込)
UMA-9030-9032

[CD DISC1]
1. 愛言葉 feat.初音ミク
2. 僕みたいな君、君みたいな僕。 feat. 初音ミク
3. 相愛性理論 feat. 初音ミク
4. 心壊サミット feat. 初音ミク
5. 罪と罰 feat. 初音ミク
6. ゆめゆめ feat. 初音ミク
7. むかしむかしのきょうのぼく feat. 初音ミク
8. 二息歩行 feat. 初音ミク
9. キミ以上、ボク未満。 feat. 初音ミク
10. 愛迷エレジー feat. 初音ミク
11. モザイクロール feat. GUMI
12. 弱虫モンブラン feat. GUMI
13. ペダルハート feat. GUMI
14. 愛言葉II feat. 初音ミク
[CD DISC2]
1. 砂時計 feat.初音ミク
2. 恋距離遠愛 feat. 初音ミク
3. ハルイチ。 feat. 初音ミク
4. オートスコピー feat. 初音ミク
5. 隠恋慕 feat. 初音ミク
6. No You, No Me feat. 初音ミク
7. 愛 think so, feat. 初音ミク
8. ダミーダミー feat. 初音ミク
9. ラヴゲイザー feat. 初音ミク
10. 帰想本能 feat. 初音ミク
11. ショコラビーツ feat. 初音ミク
12. リノリウム feat. GUMI
13. 僕の名前は feat. GUMI
[DVD]
1. モザイクロール feat. GUMI(MV)
2. 相愛性理論 feat. 初音ミク(MV)
3. 弱虫モンブラン feat. GUMI(MV)
4. トリノアイウタ feat. GUMI(MV)
5. No You, No Me feat. 初音ミク(MV)
6. 愛 think so, feat. 初音ミク(MV)
7. ペダルハート feat. GUMI(MV)
8. むかしむかしのきょうのぼく feat. 初音ミク(MV)
9. ゆめゆめ feat. 初音ミク(MV)
※三方背スリーブケース、40ページ絵本風ブックレット付属

リリース情報

DECO*27<br>
『DECO*27 VOCALOID COLLECTION 2008〜2012』通常盤(CD)
DECO*27
『DECO*27 VOCALOID COLLECTION 2008〜2012』通常盤(CD)

2013年12月18日発売
価格:2,500円(税込)
UMA-1030

1. 愛言葉 feat.初音ミク
2. 僕みたいな君、君みたいな僕。 feat. 初音ミク
3. 相愛性理論 feat. 初音ミク
4. 心壊サミット feat. 初音ミク
5. 罪と罰 feat. 初音ミク
6. ゆめゆめ feat. 初音ミク
7. むかしむかしのきょうのぼく feat. 初音ミク
8. 二息歩行 feat. 初音ミク
9. キミ以上、ボク未満。 feat. 初音ミク
10. 愛迷エレジー feat. 初音ミク
11. モザイクロール feat. GUMI
12. 弱虫モンブラン feat. GUMI
13. ペダルハート feat. GUMI
14. 愛言葉II feat. 初音ミク
※20ページ中綴じブックレット付属、ジュエルケース

プロフィール

DECO*27(でこ にーな)

福岡生まれ、男性。レフティスタイルでキターを奏で、作詞、作曲を手掛ける27歳のアーティスト/プロデューサー。ロックをベースにフォークからエレクロニックミュージックまでを柔軟に吸収したサウンドと印象に残るメロディー、等身大の感情をリアルに、かつ絶妙な言葉遊びを用いて描かれた歌詞か若い世代から絶大な支持を得ている。2013年9月には1年8カ月ぶりとなる新作ボーカロイド曲「妄想税」を発表。以降「愛言葉II」、「音偽バナシ」と毎月新曲を動画共有サイトで発表している。活動5周年を迎えたメモリアルイヤーである2013年、自身初となるボーカロイド・ベストアルバムをU/M/A/Aよりリリース。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

Radiohead“Man Of War”

Radioheadの未発表曲“Man Of War”のPVが公開。この曲は本日発売の『OK Computer』20周年記念盤に収められる3曲の未発表曲のうちの1曲。昼と夜に同じ場所を歩いている男が何者かに後をつけられ、追い詰められていく様を映した短編映画のような映像だ。(後藤)