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劇場を舞台にした異色の展覧会 八木良太&青田真也対談

劇場を舞台にした異色の展覧会 八木良太&青田真也対談

インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:高見知香

僕の作品には音やレコードが使われているので、ある意味ではギャラリーよりも劇場空間のほうが合っているんじゃないかと思うんです。(八木)

―2009年の『日常/場違い』、2011年の『日常/ワケあり』と続いて、今回は『日常/オフレコ』。毎回どことなく不穏な響きも感じられるタイトルが特徴的な展覧会シリーズですが、さらに今回は会場がKAAT神奈川芸術劇場の中スタジオになりました。これまででもっとも異色な展覧会になると思うのですが、お二人にはどんなオファーがあったのでしょうか。

八木:2010年にニューヨークで、本展企画者の中野仁詞さん(神奈川県民ホールギャラリー学芸員)にはじめてお会いして、その後日本に帰国したときにオファーをいただいたんですよね。だから3、4年前の話です。

―ずいぶん早いタイミングですね。

八木:そのときに、もう「オフレコ」ってタイトルも決まっていました。びっくりしたんですよね。展覧会のオファーって半年前か、早くても1年くらい前が普通なので。その後もコンスタントに京都まで足を運んでくれていて、熱い人だなあと。

青田:中野さん熱いですよね。すっごい早口で押されると、思わず「はい!」って答えてしまう(笑)。

八木:そのときは、まだ会場が神奈川県民ホールギャラリーの予定で、それも面白いなと思ったんです。ピカピカのきれいな空間というよりも、時間を感じさせるような趣きのある空間。中野さん自身もその場所で塩田千春さんや泉太郎さんと素晴らしい展覧会を成功させていて、空間の特性を熟知している。ものすごくやりやすそうだなと思いました。

左奥:八木良太、右手前:青田真也

―でも、その後会場が変わるわけですよね。八木さんが構想されていたコンセプトもあったでしょうし、正直驚きませんでしたか?

八木:でも、僕の作品には音やレコードが使われているので、ある意味ではギャラリーよりも劇場空間のほうが合っているんじゃないかと思うんです。そういう空間に映える作品を展示しようとは思いましたけど、特に違和感はなかった。むしろ楽しそうだな、と。

―青田さんへのオファーはどういう感じでしたか?

青田:僕は去年、神奈川県民ホールギャラリーで行なわれた、さわひらきさんの個展のときでした。中野さんとはじめてお会いしたのは、ずっと前だったんですけど、そのときに会場でわーっと『日常/オフレコ』展の展示の構想を話していただいて、「やります」とその場でお返事して(笑)。

八木:やっぱりいきなりなんだ(笑)。

青田:小さい付箋紙に、その場で構想をバーッと書いてくださって。考えてみるとそれが企画書だったんですけど(笑)。後で聞いたら、その前から僕に声をかけようとしてくださっていたらしくて。

青田真也

―なるほど。中野さん本人もいらっしゃるので直接お伺いした方が早いかなと思うんですが(笑)。今回の『日常/オフレコ』展はどういうテーマで企画されたんですか?

中野:話に入っちゃってすみません(笑)。もともと「/(スラッシュ)」で区切るような語感が好きで、あと特に現代美術の展覧会では、わかりやすくていろんな意味が含意されるタイトルにしたいと思っているんです。オフレコ(=Off The Record)も「記録されないコメント」というだけでなく、何かから情報を切り離す(オフ)とか。八木さんはレコードを使いながら、それが別の役割を担うような作品を作っているし、青田さんはモノの表面に宿った記録を取り払って(オフ)いる。今回出品をお願いした5人のアーティスト(安藤由佳子、青田真也、梶岡俊幸、佐藤雅晴、八木良太)は、みんな何かを「オフ」させる作品を作っていると思うんです。

安藤由佳子『dialog』(2010)
安藤由佳子『dialog』(2010)

佐藤雅晴『ダテマキ』(2013)
佐藤雅晴『ダテマキ』(2013)

八木:会場が、展示を前提としたホワイトキューブではなく劇場内スタジオであることも、既存の展示空間から「オフ」されているということですよね。それが面白くて。天井から吊った作品もあり、他の展覧会よりも大型のインスタレーションが多くなるそうで、劇場ならではの新鮮な展示空間が見られると思いますよ。

梶岡俊幸『夜行』(2011)
梶岡俊幸『夜行』(2011)

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イベント情報

神奈川県民ホールギャラリー 2013年度企画展
『日常/オフレコ』

2014年1月11日(土)〜1月30日(木)
会場:神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
時間:10:00〜18:00(入場は閉場の30分前まで)
参加作家:
青田真也
安藤由佳子
梶岡俊幸
佐藤雅晴
八木良太
料金:一般600円 学生・65歳以上500円 高校生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名は無料

『日常/オフレコ』×アート・コンプレックス2014
つむぎねパフォーマンス『さく』

2014年1月17日(金)、1月18日(土)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
出演:つむぎね(主宰・演出:宮内康乃 パフォーマンス:ArisA、浦畠晶子、大島菜央、鈴木モモ、ツダユキコ、中尾果、宮内康乃、森戸麻里未、やまもとまりこ)
料金:2,000円

出品作家によるトーク
2014年1月11日(土)14:00〜
出演:青田真也
2014年1月11日(土)15:00〜
出演:安藤由佳子
2014年1月12日(日)14:00〜
出演:梶岡俊幸
2014年1月12日(日)15:00〜
出演:佐藤雅晴
2014年1月12日(日)16:00〜
出演:八木良太

本展の展示設営をしたテクニカルスタッフトーク
2014年1月13日(月・祝)時間未定

学芸スタッフトーク
2014年1月18日(土)11:00〜、1月19日(日)11:00〜

岡田利規(チェルフィッチュ主宰)×中野仁詞(本展企画学芸員)トーク
『インスタレーションとパフォーミング・アーツ』
岡田利規書き下ろし小説(本展カタログ収録)リーディング

2014年1月19日(日)14:00〜
出演:山縣太一(チェルフィッチュ)

寒川晶子(ピアノ)パフォーマンス
テニスコーツパフォーマンス

2014年1月25日(土)15:00〜(予定)

プロフィール

八木良太(やぎ りょうた)

1980年愛媛県生まれ、京都府在住。2003年京都造形芸術大学空間演出デザイン学科卒業。音響作品をはじめとして、オブジェや映像、インスタレーションからインタラクティブな作品まで、多様な表現手法を用いて制作を行なう。身近なものを題材にして、それらが持つ機能を読み替え再編集することによって関係性や価値を反転させ、もう1つの意味を浮かび上がらせる。

青田真也(あおた しんや)

{1982年大阪府生まれ。身近な既製品や大量生産品の表面をヤスリで削り落とし、見慣れた表層を奪い去ることで、それらの実質や情報などの価値を問い直す作品を制作。近年は「モノ」にとどまらず、「空間」に対しても同様のアプローチを行っている。主な展示に、2010年『あいちトリエンナーレ2010』、『個展』(青山|目黒)、『ポジション2012』(名古屋市美術館)など。2014年2月には東京都現代美術館『MOTアニュアル2014』に参加予定。

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