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ある幸せな音楽活動のかたち ハナカタマサキインタビュー

ある幸せな音楽活動のかたち ハナカタマサキインタビュー

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:永峰拓也

今のように自宅ですべての録音作業ができると、自分が納得するまでとことんやり続けられる。きっと僕にはそういうやり方が合っているんだと思います。

―なるほど。じゃあ、そこでトッド・ラングレンの他になにか参考になったものがあれば、ぜひ教えてほしいです。個人的にはトクマルシューゴさんの作品なんかも連想したんですが。

ハナカタ:たしかにトクマルシューゴさんはすごく好きですね。あとは、KLIMPEREI(フランス在住の夫婦によるトイポップユニット)かな。その人たちもいろんな楽器で多重録音をやっていて。

―とはいえ、お一人でいくつもの楽器を弾きこなすのって、やろうと思ってもそう簡単にできることではないですよね。

ハナカタ:そうですね。でも、僕の場合はだいたい勘で弾いているというか。つまり、すべての楽器をちゃんと演奏できているのかっていうと、じつはそうでもないんです。特にこのアルバムでは細かく録音した素材をつなぎ合わせたりしているから、実際には演奏できないパートもちょこちょこあって(笑)。でも、僕の場合はまず音を聴いてみて「いいな」と思えるものであれば、それでいいと思っています。

―こうしてお話をうかがっている限り、どうやらハナカタさんはライブなどよりもレコーディングの方に音楽活動の重きを置いているようですね。

ハナカタ:そうだと思います。楽器の音を重ねていく中で見えてくるゴールに少しずつ近づけていく作業が、僕はなによりも楽しいと感じるんですよね。でも、レコーディングスタジオで録音するのは少し苦手だったんですよ。

ハナカタマサキ

―というのは?

ハナカタ:やっぱり時間の制約があるからかな。でも、今のように自宅ですべての録音作業ができると、自分が納得するまでとことんやり続けられるんですよね。きっと僕にはそういうやり方が合っているんだと思います。そのぶん、こうして作品が完成するまでの時間がかかり過ぎちゃうんですけど(笑)。

子どもが絵を眺めながら、お母さんと一緒に楽しんで聴けるようなものにしたかった。

―35歳での初アルバムというのは、遅咲きのデビューだと思いますが、そのことについてはどのように感じられていますか?

ハナカタ:とても遅いですね(苦笑)。いろいろ寄り道をしてしまって、もっと早い時期に出せたら良かったなあとか、このCD不況時代にあえてアルバムをリリースしなくても、とか思ったのですが、本当に気に入った曲がたくさんできたので、「記念」という気持ちもあるんです。自分さえ満足できる曲が作れたらそれでいいと思ってた時期もありましたが、アルバムとしてリリースするからには、やっぱりいろんな人に聴いてもらいたいです。

―しかも、ハナカタさんは音楽制作だけでなく、アートワークもご自身で手がけていらっしゃるんですよね。ずっと音楽にのめり込んできたハナカタさんがアートワークにも力を注ぐようになったのは、なにかきっかけがあったんですか? 今作には画集のブックレットも付いていて、フクロウをはじめとした、楽曲の中に登場する動物の絵がたくさん描かれています。

ハナカタ:絵が楽曲のイメージを補完するようなものになればと思って、今作には絵本のようなブックレットをつけることにしました。というのも、できればこのアルバムは小さい子どもたちにも聴いてほしいと思っているんです。子どもが絵を眺めながら、お母さんと一緒に楽しんで聴けるようなものにしたかったというか。

『Lentment』ブックレットより
『Lentment』ブックレットより

―絵は、いつ頃から取り組んできたんですか?

ハナカタ:昔から絵を描くのは好きだったんですけど、ちゃんと描くようになったのは10年くらい前からで。というのも、僕の両親はどちらもプロの画家で、姉もずっと絵を描いていたので、僕もちょこちょこやってはいたんです。

―ご家族がみんな画家さんって珍しいですね。そんな家庭環境にいながら、「自分も絵描きの道を志そう」とは思わなかったんでしょうか。

ハナカタ:親からは勧められていました。でも、当時の僕は家族のイメージのせいか、画家っていう仕事があんまりかっこ良く思えなかったんですよね。それよりはやっぱり音楽がやりたかった。高校を卒業する頃には、ずっと音楽をやり続けていきたいなと思うようになっていたので。

―「ずっと」というのは、つまり音楽を生業にしたいという意味ですよね?

ハナカタ:そうですね。以前にもっとストレートな歌もののバンドを組んでいたんですけど、そのバンドをやってた頃は特に「売れたい」っていう気持ちがすごくありました。

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イベント情報

ハナカタマサキ
『Lentment Tour』

2014年6月26日(木)OPEN 19:30 / START 20:00
会場:東京都 渋谷 SMiLE
料金:前売1,000円(ドリンク別)
※バンド編成での出演

2014年7月6日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:青森県 青森亭
料金:前売1,000円(ドリンク別)

2014年7月7日(月)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:岩手県 MIUMIU
料金:前売1,000円(ドリンク別)

2014年7月8日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:福島県 Players Cafe
料金:前売1,000円(ドリンク別)

2014年7月11日(金)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 八王子 papabeat
料金:未定

2014年7月15日(火)OPEN 19:30 / START 20:00
会場:静岡県 静岡 なんでモール
料金:前売1,000円(ドリンク別)

2014年7月16日(水)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:京都府 京都 天Q
料金:投げ銭(ドリンク別)

2014年7月17日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 ANIE
料金:未定

『梶が森ロックフェスティバル』
2014年7月19日(土)OPEN 11:00
会場:高知県 高知県立自然公園梶ヶ森、山荘梶ヶ森、梶ヶ森キャンプ場
料金:前売5,000円

2014年7月20日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:高知県 高知 歌小屋
料金:前売2,000円(ドリンク別)

2014年8月21日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 吉祥寺 キチム
料金:前売2,500円(ドリンク別)
※ワンマン、バンド編成での出演

リリース情報

ハナカタマサキ<br>
『Lentment』(CD)
ハナカタマサキ
『Lentment』(CD)

2014年6月18日(水)発売
価格:2,484円(税込)
PENTCD-0721

1. AFRICA
2. WHEELBARROW
3. PANAMA
4. DARUMASAN GA KORONDA
5. CAT CALL
6. ATTIC
7. MADO
8. MOLE
9. OTHER PEOPLE
10. FOG
11. HOOTER
12. TUMTUM
13. FREE
14. PARAPARA
15. OWL

プロフィール

ハナカタマサキ

1979年1月23日生まれ。山梨県甲府市出身。宅録音楽家。作詞作曲、すべての楽器演奏、録音からアルバムアートワークまで一人で行う。マイレーベルPENTACOAST主宰。2014年6月18日に1stアルバム『Lentment』をリリースする。海外メディア『NeuFutur Magazine』『Soundblab』にアルバムレビューが掲載されるなど活動の幅を広げる。

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一聴・一見すると繊細に織られたアンサンブルに柔和な印象を抱く。が、極太のベースがリズムとメロディの両方を引っ張っていく様は超アグレッシヴでもある。観客も含めて会場に漂う空気は一貫して緩やかなものでありながら、なによりも3音の鋭い合気道を存分に楽しめるライブ映像だ。ビルドアップした低音に歌心を置くスタイルはまさに今だし、音の余白も心地いい。ポップとエッジィの両極をあくまで愛嬌たっぷりに鳴らす台湾出身の3ピースバンド、その魅力を1カット1カットが十二分に伝えている。(矢島大地)

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