MONOはなぜ海外で認められた? 世界で戦うための心構えを学ぶ

「ノイズにも意味がある。歓喜、怒り、祈り……僕らはその意味を知って出すということをしなくちゃいけないんです」

これは約15年前、筆者が初めてMONOというバンドに出会ったとき、フロントマンのTAKAが語っていた言葉だ。その頃はまだ、誰も彼らのことを知らなかった。下北沢の小さなライブハウスで、誰にも相手をされないまま、濁流のような轟音を鳴らしていた。

それから月日は経ち、彼らはアメリカで、ヨーロッパで、世界中で少しずつ地盤を固めていった。メディアの宣伝にも頼らず、独立独歩のまま、支持を拡大していった。インストゥルメンタルのポストロックというスタイルだけを言うなら、似た方法論からスタートしたバンドは他にもたくさんいる。しかし、彼らが抜きん出ていたのは、最初から鳴らす音の一つひとつに強い「意味」を託していたことだった。

『The Last Dawn』と『Rays of Darkness』という2枚同発のニューアルバムでも、そのことは貫かれている。それぞれ「光」と「闇」を対照的に描いたという新作。前作『For My Parents』に至る数作では、オーケストラと共に壮大な音風景を描いてきた彼らだが、新作は再びバンドに立ち返ったサウンドになっている。『Rays of Darkness』では再び彼らの原点である凶暴なノイズを放ち、一方『The Last Dawn』では、巨大な達成感や充足感に満ちた音を奏でている。

果たして彼らは何を目指し、何を描こうとしたのか。それは音楽だけでなく、彼らが歩んできた生き様にも、深く関わることだった。

今って、夢半ばで諦めざるを得ない心境の人とか、生きる希望が持てなかったりする人が、たくさんいるじゃないですか。

―ニューアルバムはここ数作のアプローチとは大きく違いますが、どういうスタート地点から作っていったのでしょう?

TAKA:たしかにサウンド面では、今までのアプローチはとってないですね。簡単に言うと、オーケストラは使っていない。というか、まず最初に生半可な希望はいらないと思ったんです。痛みとか叫びのような音楽にしたいと、前作のアメリカツアー中に思いました。それと同時に、闇の住人と光の住人の2つを描きたいと思ったんです。

Takaakira“Taka”Goto
Takaakira "Taka" Goto

―闇の住人と光の住人というと?

TAKA:とある将来を有望視されたスポーツ選手の話をたまたま聞いたんです。その人はスポーツに命を懸けていたし、それ以外の将来を考えられなかった。でも、あるとき大怪我をしてしまって、一生スポーツができない身体になってしまった。その時点では、希望もなく、目的も失ったわけです。死にたいぐらいの気持ちになった。でも、その数年後にスポーツ選手が怪我をしないようにするための本を書いたんです。怪我をしたときは闇の中ですよね。本当に何の光も感じられないような、人生を呪うくらいの気持ちだったのが、後々それは必要なことだったということに気付くことができたんです。

―そういう闇と光のコントラストを描くというのが、最初のモチーフになったと。

TAKA:今って、夢半ばで諦めざるを得ない心境の人とか、将来に不安があったり、生きる希望が持てなかったりする人が、たくさんいるじゃないですか。だけど、そこで感じる闇と、その先の光を描ききれば、そういう人たちが壁を乗り越える1つの手助けになるんじゃないかと思ったんです。

―今回の2枚のアルバムは、『Rays of Darkness』が闇、『The Last Dawn』が光を表現しているわけですよね。

TAKA:そうですね。

―特に『Rays of Darkness』は、2001年にMONOが最初に作った『Under the pipal tree』を思い起こしたんです。あのときに通じるような感覚はありましたか?

TAKA:あのときは、自分たちの居場所がなかったですからね。日本にも居場所がないし、海外に求めてもやっぱりなくて、どうしていいのかわからなかった。そういう混沌としたところから、かすかな光が見えていった。そこから自分の居場所がだんだん見つかってきて、少しずつ満たされてきて、多くの人と音楽をシェアしてきた。そのときの感覚に似てるかもしれないですね。

―前々作の『Hymn To The Immortal Wind』(2009年)では歓喜を表現して、前作の『For My Parents』(2012年)でさらに大きな歓喜を表現していた。しかし、今回のアルバムでMONOが表現しようとしているのは、歓喜ではないですよね。その理由は何でしょうか?

TAKA:これだけシャキっとしない時代ですからね。世の中のスピード感も速いし、ついていけない人も溢れかえっていて、かつての僕みたいに居場所がない人がたくさんいる。そういう人にかけてあげる言葉があるとすれば、それは「叫び」なんですよ。「叫び」がエナジーでした。結成当時も、僕は居場所がなかったから叫んだし、居場所を探して海外に出たわけで。そうして世界に自分を認めてもらって、ようやく感謝が生まれたんです。そこで自分が生まれてきた理由、音楽をやってる理由がやっとわかったっていうか。

―音楽をやってる理由というと?

TAKA:現実の社会の流れとまったく違うMONOという世界が、僕には存在してたんです。そう思えました。世界に出る前は、自分の居場所が確立するなんて、まったく感じてなかったですからね。永遠にアンダーグラウンドな存在で、お客さんも2〜30人くらいしかいなくて、どうにもならないと思っていた。だから、今の時代の流れのスピード感についていけない子たちにも、こういう叫びがあること、未来には可能性があることを伝えたいという気持ちがあります。

不幸の底にいて、「もう夢がない、誰も助けてくれない」っていうネガティブな感情を表現するにも、ちゃんとルールがあると思っています。

―『Rays of Darkness』の最後に収録されている“The Last Rays”は、2枚の中でも最も極端な曲ですよね。不穏なノイズで埋め尽くされている。取材場所に来る途中、これをヘッドフォンで爆音で聴きながら来たんですけど、街の風景がホラー映画に見えてしまうような曲で。

TAKA:そうですね。底なし沼のような、逃げ場がない悪夢みたいなものを表現したかったんです。人間の感情ってポジティブな面とネガティブな面の2つがありますよね。真ん中にいられれば一番いいんだけど、少しでもネガティブになると、不幸が不幸を呼んでいくようなところがあって。そういう風に、時間軸の中で階段を一歩一歩降りていくのが『Rays of Darkness』なんです。逆に『The Last Dawn』は、ポジティブな感情で、光に向かって階段を登っていくようなイメージでした。

―ということは、“The Last Rays”という曲は、本当に精神のどん底になっている。でも、そういうものを表現することは、おっしゃるように聴き手に対しても何らかの効果をもたらすものだと思います。

TAKA:闇の中にもルールがあると思うんです。不幸の底にいて、「もう夢がない、誰も助けてくれない」っていうネガティブな感情を表現するにも、ちゃんとルールがある。単にアバンギャルドなことをやるのは簡単なんだけど、僕はそうしたくないんです。どうやって不幸に落ちていったのか、どういう感情があったのか、それをきちんと表現したい。そうじゃないと、深い闇に落ちた人が僕たちの音楽を聴いてくれたときも、自分が何故落ちたのかわからないし、結果的に自分をもう1度知って再生しようと思えない。

Takaakira“Taka”Goto

―そこって、重要なポイントですよね。というのは、MONOというバンドは単にインストで轟音を鳴らすというところから一線を画した表現を志向してきたと思うんです。ノイズに感情を込めるということをやってきた。だから、カオスを表現しようと思っても、それは、ただバラバラに絵の具をぶちまければいいっていうわけではない。

TAKA:全然違いますね。

―そこのルールっていうのはどういう風にとらえてるんでしょう?

TAKA:それはもう、愛だと思います。どんなにカオティックになって闇に落ちた人でも、必ず助けなきゃダメ。だから助けるには、デタラメではダメなんですよ。そういう人に生きる力を与えるためには、やっぱり自分自身が闇の底まで落ちていって同じ目線にならなきゃいけない。そうじゃないと説得力が無いと思うんです。

―壮絶ですね……。

TAKA:果てしなく勇気がいる作業なんだけど、そうしないとその人の心の中に入り込めないですからね。だから、ちゃんと愛を持って、勇気を持って降りていかなきゃいけない。そうしないと、その人にアドバイスする権利がない。

―GOTO(Takaakira "Taka" Goto)さんが寄り添いたいと思った人、闇の奥底にいる人としてイメージした人って、例えばどういう人だったんでしょう?

TAKA:身内なんで具体的には言えないんですけど、僕のことが認識できなくなったくらい、心の病気になっちゃった人がいて……何回も病院に通って励ますんですけど、月並みな言葉じゃダメなんですよ。そいつは、「本当の闇は、もう闇を感じない」って言うんです。そういうことは、僕にだって、誰にだって、起こり得ることだと思うんですよね。

―今の時代って、二極化が進んでる時代ですよね。一方で、すごく景気いい人たちがいる。一方で、そうでない人たちがいる。閉塞感のある側に、どんどん憎しみが吹き溜まってきている感じがある。

TAKA:そういう人は本当に多いですね。言いたいことが言えなかったり、やりたいことがやれてなかったり、必要以上にコンプレックスを感じたり。だけど、そこにきれいごとを言ったところでしょうがない。同じように叫んであげて、同じように闇の中で這いずり回るような音楽もあっていいと思う。そういう気持ちが強かったですね。

闇に自分の身を投じて、希望なんか感じさせずに作るって決めて、自分のスタジオのドアを閉めて作り始めました。そうしたら、僕自身が精神的におかしくなってしまって。

―ということは、2枚のうち「闇」のほう、『Rays of Darkness』を先に作っていったんでしょうか。

TAKA:そうですね。闇に自分の身を投じて、希望なんか感じさせずに作るって決めて、自分のスタジオのドアを閉めて作り始めました。そうしたら、僕自身が精神的におかしくなってしまって。外に出ても、ご飯を食べてても、寝てても何やってても、誰ともコミュニケートできなくなっちゃったんです。それが何か月も続いて、ツアーが始まって、ツアーとツアーの間に作曲期間を設けて繰り返していたら、ツアー中も憂鬱になってきて。もうわけがわからなくなっちゃって、それですごい疲れきって、1度放り出したんです。

―それはいつ頃のことだったんでしょう?

TAKA:去年の夏前にはもうおかしくなってました。何も楽しくないし、ただただ虚無感しかなくて。そういうときに、メキシコの映画のサウンドトラックと、WOWOWのドラマ『かなたの子』の音楽のお話をいただいたんです。それを作るときは、MONOのことはどうでもいいから、とにかくこの脚本で感じたことを音にしようと思って、サウンドトラックの音に集中して書いてたんですよ。

―オファーをもらったことが、闇から抜け出す1つのきっかけになったと。

TAKA:そうなんです。それが気分転換になりました。もともと僕、脚本に合わせて音を作るのは得意なんですけど、MONOじゃなくてもいいっていう気持ちを持つと、リフレッシュして音楽を作れたんです。それが薬みたいに効いてきて、すごく復活してきたんですよね。

Takaakira“Taka”Goto

―2枚のうち「光」のほう、『The Last Dawn』に入っている“Kanata”という曲が、『かなたの子』のために書かれた曲なんですよね。

TAKA:そうです。で、そのサウンドトラックの仕事を終えた後に、どんどん僕がポジティブになっていく過程も表そうと思って、一気に曲を書いてまとまったのが『The Last Dawn』なんです。

―精神的に底まで落ちて、そこから復活したGOTOさんの浮き沈みが、そのまま2枚のアルバムになっていると。

TAKA:だから『The Last Dawn』の1曲目はまだスタート地点で、無気力なまま砂漠を歩いているシーンから入るんです。真夜中の砂漠のような、どこに進んでいいかわからないような風景。そこから自分を振り返って、自分の居場所を見つけていって、夜明けを迎える。それはもう、僕が通ってきたプロセスそのものなんですよ。『The Last Dawn』の曲を書き上げた後に、最初に取り組んでいた闇のほうの楽曲を聴いたら、「ああ、これは必要なものだったんだ」と思いました。そこでやっと受け入れられて、2枚のアルバムを出すことにしたんですよね。

―そこで整理がついたと。

TAKA:自分が何をするべきだったのか、ようやく理解しました。

登山家の栗城史多さんから、「登れば登るほど宇宙に近くなっていく」というお話を聞いて、イメージが湧いてきたんです。栗城さんが頂上に到着されたときの音が聴こえてきたんですね。

―今回のアルバムは、アニメーション監督の森本晃司さんがトレイラー映像を作成されていますよね。これはどういう経緯だったんでしょう?

TAKA:森本晃司さんのプロデューサーの方が前からMONOのファンでいてくれて、彼女に“Recoil, Ignite”のデモを渡したら、森本さんが「今すぐコラボレーションしたい」と言ってくれたんです。どういう感じになるんだろうと思っていたら、美しくて繊細で、でもとてもグロテスクなものができあがってきました。それぐらいのインスピレーションを自分たちの曲から受けてくださったということが、こちらとしても嬉しかったですね。

―『Ray of Darkness』の1曲目の“Recoil, Ignite”は、トレイラー映像としても使われているし、結果的にとても象徴的な曲になったわけですね。

TAKA:静かな中で「助けて、助けて」って少年が叫んでいて、それが遠くで聴こえてるような感じをイメージしました。悪夢の始まりみたいな感じですよね。サウンドはメタルなんですけど、そこにある真意を言葉にするなら「ファックユー」っていうもので、「負けるか、このヤロー」って意味なんです。そうならないと闇から這い上がれない。「人なんか知ったこっちゃない、俺は俺だ!」って思うしかないじゃないですか。そのために「ファックユー」という言葉に代わる音楽が必要なんだなって。

―MONOの場合は、その「ファックユー」を表現するために10分の長さとノイズを必要としている。

TAKA:カオスにもカオスなりのルールがあるはずで、そのルールをきちんと書き取ってあげないといけないんです。発狂して叫んでしまう状態にまで降りていく階段を、きちんと音楽の中に盛り込んでいきたい。ノイズだって、やっぱりただの騒音じゃないですからね。

―一方で、『The Last Dawn』の“Where We Begin”は登山家の栗城史多さんにインスピレーションを受けて書かれたということですが、これはどういう経緯があったんでしょうか?


TAKA:栗城さんが次に山に登るときに、YouTubeでドキュメントの映像を投稿するから、その映像に流れる音楽を作りませんか、という話をいただいて。そのときはまだ栗城さんにお会いしたことはなかったんですけど、「登れば登るほど宇宙に近くなっていく」というお話を聞いて、イメージが湧いてきたんです。栗城さんが頂上に到着されたときの音が聴こえてきたんですね。

―これは闇に向かっているときのGOTOさんだったら書けなかったタイプの曲かもしれない。

TAKA:本当にそうですね。とことん登りきって、やっと目的を達した、自分が望んだところに来たときの音っていうのが、自分にもはっきり聴こえてきました。その曲ができて、最後に夜明けがくるんだなと思えました。

日本発のオリジナリティーのあるロックバンドとして世界で振る舞わなきゃいけないって思ってたんだけど、今回に関してはまったく気にしなかったです。そういうロマンティックな希望はいらないと思ってました。

―これまで、GOTOさんはたびたびインタビューでも「自分が日本人であるというルーツを探求して、それを表現したい」と言っていましたよね。そのモチベーションは今はどうなりましたか?

TAKA:それは完全になくなりましたね。世界のどこにもない音楽を作るっていうのは絶対条件なんですけど、日本人としてそれをどうやるかという追求は、前作でやりきったと思っていて、そこで解放されました。日本発のオリジナリティーのあるロックバンドとして世界で振る舞わなきゃいけないって前作までは思ってたんだけど、今回に関してはまったく、1ミリも気にしなかったです。

Takaakira“Taka”Goto

―そこは自分の中での追求するテーマの主題に置かれなかったんですね。

TAKA:どうでもよかったです。そういうロマンティックな希望はいらないと思ってました。現実を書きたかった。メランコリックで美しい愛の形とか、優しさとか、悲しみを共有するとか、そういうことよりも、みんな現実の中で生きてるんだなって。そこに対して「壁を乗り越える」ということを音楽の形で表現したいと思いました。

―幻想的な音楽ではなく、聴き手の現実に通じ合うものにしたかったと。

TAKA:そうですね。僕は世界中をツアーで回っている旅人なんで、1年の半分は日本にいないんですよ。だから、日本にいてもリアリティーが欠落してるんですよね。帰ってくれば知らない建物があるし、テレビをつけたら知らないタレントさんが出ていて、すごいスピード感で世の中が回っていることを実感します。

―そんな中でも、聴き手の現実を感じる瞬間があったんでしょうか?

TAKA:日本にいるとき、近所にあるカフェによく行くんですよ。そのカフェには、お医者さんとか、不動産屋さんとか、学生さんとか、おばあちゃんとか……いろんな方が集っていらっしゃってて。みなさんの話を聞いていくと、「息子が受験に失敗した」とか、「学校でいじめられた」とか、いろんな悩みを持ってらっしゃっていて、これが現実なんだと思いました。で、実際に「その息子に会ってくれないか」と言われて、その息子さんに会って、「俺はこういう人間だけど、自分を信じてこんな風にやってきたからね」という自分の経験を話したりして。そういう経験もインスピレーションになってるんだと思います。

一生に1度しかないこのチャンスで、思う存分夢を叶えたいだけなんですよ。だけど、僕たちみたいな特殊な夢を追いかけてる人は、それなりの覚悟が必要だっていうことは伝えたいですね。

―MONOは、日本でまったく知られていなかった頃に海外に出て、世界で足掛かりを得てきたという、いわば特殊な成功を収めてきたバンドですよね。これまでの苦境を乗り越えてこられた原動力は、どういうところにあるんでしょうか?

TAKA:それはメンバーですね。本当に。彼らがいなかったらここまで来られなかった。

―どういうときにそれを感じますか?

TAKA:僕らが最初にアメリカに行ったときは、全員英語を話せないし、泊まるところもなく、車の中で寝るような生活をしていたんですよ。今みたいにインターネットもないし、GPSもないから、地図を片手に回ってた。メンバーは、そういう冒険を共にしてきたチームなんですね。僕は音楽が書けるし演奏もできるけど、彼らがいなかったら野垂れ死んでる(笑)。大切な仲間です。

―これまで衝突したこともありました?

TAKA:そんなもんはしょっちゅうですよ(笑)。だけどみんな愛し合ってると思う。だって、20代だった人が、今40代になってるんだもん。壁を乗り越えるため、前に進むために、いろんなことを乗り越えてきたから。ただ、20代のときよりも、確実に30代のほうが素敵で楽になった。で、僕は今40代なんですけど、もっと素敵でもっと楽になってる。だから今は50代が楽しみ。

―楽になった、素敵になったというのは、どういうところがでしょうか?

TAKA:20代の頃は全部大変でしたから。どうやったら世界中にCDを置いてもらえるんだろう、どうやったら前売りで1000枚以上のチケットが売れるんだろうって、何もわからずに動いてましたからね。ほとんど脱藩浪士みたいな、究極のインディーだったんで。そもそも、最初は戦わせてもらえすらしなかったんですよね。だけど僕としては、実力で勝ち進んでいきたいと思っていたので、とりあえず戦わせてほしいと思って場を求めていきました。

―なるほど。MONOって、いわば旅人とか冒険家の音楽なんですよね。インストとか、ポストロックとか、そういうキーワードで説明するよりも「冒険家がやっている音楽です」と説明するほうが伝わりやすいかもしれない。

TAKA:そうですね。実際、それが生き様になっちゃってますからね。ルールもなかったし、やり方なんて誰も教えてくれなかったですから。ただ自分がやりたいことは明確だったんです。世界一になりたいんですよ。食えるとか食えないとかは関係なくて、一生に1度しかないこのチャンスで、思う存分夢を叶えたいだけなんですよ。何の保証もないですけど。だけど、僕たちみたいな特殊な夢を追いかけてる人は、それなりの覚悟が必要だっていうことは伝えたいですね。

―本気で世界で成功したいのであれば、覚悟を持つことが大事であると。

TAKA:お金の問題もあるし、いろんな苦労がありますから。ずっと旅をしなきゃいけない大変さもある。でも、それは最初からわかってたことだし、やりたいことのためについてくるもんなんで、実は苦労じゃないんですよね。「99人がノーって言っても、俺はやる」っていう、それだけの話なんです。冒険家というのは、とにかくやりたいことを一生やり続ける覚悟があるっていうだけのことなんです。

イベント情報
『Rays of Darkness / The Last Dawn - Japan Tour 2015』

2015年1月10日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

2015年1月11日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 代官山 UNIT

2015年1月17日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 梅田 Shangri-La

2015年1月18日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET

料金:各公演 前売3,500円(ドリンク別)

リリース情報
MONO
『Rays of Darkness』(CD)

2014年11月5日(水)発売

価格:2,160円(税込)
DDCB-14026
1. Recoil, Ignite
2. Surrender
3. The Hands That Holds The Truth
4. The Last Raysv

MONO
『The Last Dawn』

2014年11月5日(水)発売
価格:2,160円(税込)
DDCB-14027

1. The Land Between Tides / Glory
2. Kanata
3. Cyclone
4. Elysian Castles
5. Where We Begin
6. The Last Dawn

プロフィール
MONO (もの)

1999年結成。当時、日本で自分達の音楽を鳴らせる場所と機会に限界を感じたバンドは、その活路と演奏出来る機会を海外に求め、2000年にNYヘと渡る。最初のライブでのオーディエンスは僅か5名足らず。言葉の壁もあり、NYでの活動も苦闘の連続。しかしそこを活動の場所と決めたバンドは、楽器を売り払い、ガソリン代を捻出しながらもライブ活動を継続する。その強靭で無限のサウンドスケープを見せる演奏は注目を集め、徐々にライブ規模を拡大。その後は毎年150本にも及ぶツアーを行うようになる。2004年にはUS有力インディペンデントレーベルTemporary Residentsと契約。その後も歩みを緩めることなく、北中米、ヨーロッパ、アジア、と精力的にツアー及び、フェスティバルに出演、揺るぎないファンベースを獲得する。そして、15年の歳月を経て、さらにその表現の深度と強度を極限まで高めたMONOが自分達のサウンドを見つめ直し、自身の最長不倒を更新し新たな出発を告げる作品、『Rays of Darkness』と『The Last Dawn』を2014年11月5日に同時リリースする。



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