インタビュー

クワタユウキ×THE HEAVY対談 ライバルはレコードの中にいる

クワタユウキ×THE HEAVY対談 ライバルはレコードの中にいる

インタビュー・テキスト
武田砂鉄
撮影:永峰拓也

READ ALOUDのクワタユウキが、洋楽アーティストと語り合うInterFM『Good To Go!』との連動企画。記念すべき初回にお迎えしたのはTHE HEAVYのボーカリスト、ケルビン・スワビー。今年3月から「ペプシネックスゼロ」のCMに“Same Ol’”が起用され、今夏の『FUJI ROCK FESTIVAL ‘14』で初来日。「Led Zeppelinとカーティス・メイフィールドがセッションしたかのよう」とも称されるボーダレスな音楽観、その創作の原点を語り合った。

ボーカリストは、マッチョであるべし?

「彼が六本木の交差点にいたら分かりやすく除けますね」と不戦敗を吐露する男子がいれば、「私、ああいう体つきタイプなんです」と目を輝かせる女子がいる。収録直前まで別のラジオに生出演していたケルビン・スワビーをガラス越しに見ながら、真っ昼間から居酒屋トークを繰り広げている取材陣のもとへ、収録を終えたスワビーが弾けた笑顔で向かってくる。挨拶がてらクワタが、自分もバンドのボーカルをやっている、と明かすとその笑顔は更に弾け飛んだ。なんともチャーミング。音楽談義に花を咲かせる……はずが、スタッフの雑談に釣られたクワタまで、スワビーの肉体美から話を切り出すのだった。

ケルビン・スワビー
ケルビン・スワビー

クワタ:一目お見かけした時から感じていたのですが……とにかくマッチョですよね!

スワビー:ははは、どうもありがとう!

クワタ:体を鍛え続けるのは、ボーカリストとして声を維持しなければいけない、という使命感もあるのでしょうか。

スワビー:もちろん。体もそうだし、喉もね。今は新しいアルバムのレコーディングをツアーと同時並行で進めているから、声を維持するためにやるべきことを尽くしているよ。ツアー中は気が張っていることもあって自然と体調が維持できるんだけど、ほら、ユウキも分かるだろうけど、スタジオにこもりがちになると、どうしても体がナマってしまうだろう?

クワタ:分かります。具体的に、どういったトレーニングをしているんですか……こっそり教えてください。

クワタユウキ
クワタユウキ

スワビー:いいや、がっかりするほどシンプルな事なんだ(笑)。声の訓練、これだけ。つまり、毎日歌うってこと。歌って歌って、歌うことをどこまでも愛するんだ。あとは色々な歌い方を心がけることも大切だね。

クワタ:タバコやアルコールはやられるんですか?

スワビー:両方やるんだよ。でも……俺たちは3枚もアルバム出しているし……ほら、ボーカリストとしてキッチリ活動できているだろう……。

クワタ:そんな、責めたわけじゃないですよ(笑)。

スワビー:言い訳を続けるとだね(笑)、俺が影響を受けてきたシンガー、マディー・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、ココ・テイラー、アル・グリーン、彼らはみんなお酒を飲んでいたけれど、素晴らしい仕事をしてきた。だから、その点は制約を設けないようにしているんだ。

ケルビン・スワビー

クワタ:色々なボーカリストの名前が出てきましたが、なかでもフェイバリットシンガーを挙げるとすると?

スワビー:いや、1人に選ぶのはなかなか難しいよね。今挙げた人たちの他には、トム・ウェイツは外せない。自分が16歳や17歳の頃によく聴いていたんだ。自分のスタイルを決める上でも、大きな影響を受けたシンガーだった。

クワタ:やっぱりその頃に聴いたミュージシャンって、自分のスタイルに最も影響を与えますよね。僕にとっては、それがFreeやBad Companyのポール・ロジャースなんです。


スワビー:なるほどね。俺は最初に聴いたのが、父親が持っていたロックンロールのコレクションだった。そこには名盤がずらりと並んでいたんだ。

イギリスのバース地方出身のスワビーにとって、日本はテクノロジーの宝庫

もう15年以上も前のことだが、ある音楽雑誌で、ミュージシャンが海外の雑誌で日本の印象をどう話していたかをまとめた記事を見かけたことがある。「英語が通じなくてやりにくいよ」「曲が終わると静まっちゃうからどうしたらいいのか分からない」と本音が炸裂していて、何だか落ち込んだ記憶がある。

THE HEAVYはそんな吐露とは無縁だろう。なにせ初来日となった『FUJI ROCK FESTIVAL ’14』ではグリーンステージの一番手として大声援で迎えられたし、「ペプシネックスゼロ」のTVCMでの楽曲起用もあり知名度はうなぎ上り、日本テレビ『スッキリ!!』にまで出演した。数日後に控えた日本での初となる単独ライブを楽しみにしている、と言うスワビーが海外メディアで裏切り発言(?)をする心配はない。


クワタ:今年は初来日で『フジロック』にも出て、前日には朝のワイドショーにも出演されました。日本の印象はどうですか?

スワビー:素晴らしい国だよ。自分たちが育ってきた文化環境とは全く違うし、30年後のテクノロジーを浴びているように感じるんだけど、でも不思議なことに、家に帰ってきたような安心感があるんだよね。夏に来日して以来、友人たちにもしきりに薦めているところさ。


クワタ:今回、『フジロック』に続く単独公演となりますが、普段、セットリストはどのような作り方をしているんですか?

スワビー:特には決めていないんだけど、数百人のクラブでプレイする場合とフェスでプレイする場合とでは作り分けることはある。セットリストを作りながら、ライブの勢いをどう持っていくかを注視するんだ。

クワタ:僕らも同じです。日本の漫画家の手塚治虫さんが、「後ろの3分の2に山場を持ってくるといい」(参考文献:『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~ 3』(少年チャンピオン・コミックスエクストラ))と言っていて、なるほどなと思ったんですよ。セットリストもそれと同じだと思っているんです。

スワビー:そうそう、それってお客さんには分からない感覚的なことかもしれないけど重要なことだよね。俺らが常に意識しているのは、徐々にテンションを上げていき、途中で一旦下げて、最後に弾ける、ってこと。

クワタ:ライブの前に心がけていることはありますか?

スワビー:ライブ前は丸一日しゃべらないようにしているね。ライブの直前になってからウォームアップをする。リハーサルをやれば自然と声は温まるんだけど、パフォーマンスをする時に、するべきパフォーマンスにすぐさま入っていけるかどうかを考えるのさ。声色を変えつつ歌うこともあるから、その目指すべき声色に自分が本当についていけるかどうか、やるべきことを尽くすようにしているよ。

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リリース情報

READ ALOUD<br>
『アカンサス』(CD)
READ ALOUD
『アカンサス』(CD)

2014年11月5日(水)発売
価格:1,650円(税込)
CCCL-3

1. タイムトラベラー
2. 君の声を思い出す
3. 風が吹くから
4. 月と太陽
5. BGK
6. 朝

イベント情報

READ ALOUD
『READ ALOUD Live in SHIBUYA CLUB QUATTRO 2014』

2014年12月7日(日)OPEN 16:15 / START 17:00
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
料金:前売2,500円(ドリンク別)

番組情報

『Good To Go!』

毎週土曜24:00からInterFMにて放送

リリース情報

THE HEAVY『The Glorious Dead』(CD)
THE HEAVY
『The Glorious Dead』(CD)

2012年8月8日(水)発売
価格:1,620円
COUNTER RECORDS / BEAT RECORDS / BRC-346X

1. Can't Play Dead
2. Curse Me Good
3. What Makes a Good Man?
4. Big Bad Wolf
5. Be Mine
6. Same Ol'
7. Just My Luck
8. The Lonesome Road
9. A Lesson Learned(ボーナストラック)
10. Don't Say Nothing
11. Blood Dirt Love Stop

プロフィール

READ ALOUD(りーど あらうど)

自分の心に浮かんだ感情や言葉を素直に音読する(READ ALOUD=読み上げる。朗読する。)というコンセプトのもとクワタユウキ(Vo,Gt)を中心に結成。2012年夏より、現メンバーでの本格的なライブ活動をスタートさせる。逞しいボーカルと、アイリッシュやサンバ等様々なリズム要素を取り入れたビートで確実にその注目度を上げている実力派バンド。2014年11月5日は、3rd mini album『アカンサス』をリリース。12 月7日には、渋谷クアトロにてワンマンライブを開催。InterFM『Good To Go!』(毎週土曜24:00~)でDJを務める。

THE HEAVY(ざ へびー)

UK南部のバースで結成された4人組バンド。メンバーは、ケルビン・スワビー(Vo.)ダニエル・テイラー(G.)クリス・エリュール(Ds.)スペンサー・ペイジ(B.)。2008 年に『Great Vengeance and Furious Fire』でデビューをすると、「まるでカーティス・メイフィールドとLed Zeppelinがセッションしたかのよう」と称された。1960~70 年代のロック/ソウル黄金時代の普遍的なフレイヴァーをヒップホップ以降の現代の感覚で融合させたグルーヴが絶賛され、瞬く間に多くのリスナーが共鳴した。日本では、2012年に発売したサードアルバム『The Glorious Dead』からの“Same Ol’”が、ACC賞グランプリにも輝くなどCM作品としての評価も高い「ペプシネックスゼロ」に使用され、爆発的なヒットを記録。

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