インタビュー

声を発した瞬間、世界を変える。19歳、藤原さくらの才能と素顔

声を発した瞬間、世界を変える。19歳、藤原さくらの才能と素顔

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
2015/03/18

たった一声発しただけで、場の空気を一変させ、聴き手の琴線を揺さぶるシンガーというのは時々存在する。しかし、ついこないだまで高校に通っていた19歳の女の子となると話は別だ。まるでノラ・ジョーンズのようにブルージーでスモーキー、それでいてポップな要素も内包する声の持ち主は、福岡出身の藤原さくら。彼女が高校卒業後に上京し、YAGI&RYOTA(SPECIAL OTHERS)やCurly Giraffe(高桑圭)、高田漣ら多彩なサウンドプロデューサー陣を迎えて作り上げたのが、このたびリリースされるメジャーデビューミニアルバム『à la carte』である。

「一体、どんな天才肌の人が現れるのだろう?」と、少々構えてインタビューに臨んだが、まだあどけなさの残る可憐な彼女の雰囲気に驚かされた。カラオケでボカロ曲を歌い、ワールドミュージックへの興味やポール・マッカートニーへの溢れんばかりの愛を熱く語る表情は、ごくごく普通の19歳女子のそれだ。そんな天真爛漫な藤原さくらが、新しい環境で孤独や不安と戦いながら、音楽を作り続けているのはなぜだろう。藤原さくらにとって歌うこととは? 生い立ちからデビュー作への思いまで、たっぷり語ってもらった。

「職業にしていきたい」って強く思ったのは音楽だけでした。それ以外は考えられなかったですね。

―さくらさんは、元々はお父さんの影響で音楽を始めたんですよね。先月も、地元の福岡でお父さんと共演したのだとか。

藤原:そうなんです。「藤原さくらと保護者たち」っていうバンド名で出演したんですけど(笑)。お父さんが福岡でバンド活動をしていて、小さい頃からお父さんの好きな音楽を聴いて育ちました。小学5年生のときにギターを買ってもらって練習していくうちに、YUIさんみたいな人を「シンガーソングライター」って呼ぶと知ったんです。そこから「シンガーソングライターになりたい!」って強く思うようになりました。

藤原さくら
藤原さくら

―音楽以外に何か興味を持ったことはありました?

藤原:陸上部に入ったり、絵を描いたりしてました。ヌードデッサンに通ったこともあります。読書も好きで、知らないことや体験したことがないものに興味があるので、小説より「細胞」とか「宇宙」とか「宗教」についての専門的な本をよく読んでいました。昔からいろんなことに興味があったんですが、「職業にしていきたい」って強く思ったのは音楽だけでした。それ以外は考えられなかったですね。

―そんな風に音楽を職業にしていきたいと強く思ったきっかけは何でしょうか?

藤原:中3の春休みに、タップダンスをやっている同級生のライブを観に行ったのがきっかけでした。それまで自分は、「シンガーソングライターになりたい」とは思っていたものの、口で言ってるだけで特に何かしていたわけでもなくて。同級生の頑張ってる姿から「このままじゃダメだ」って刺激を受けて、福岡のボーカルスクールを片っ端からまわって、体験入学しに行きました。

―高校生になってボーカルスクールに通い始め、そこで紹介されたオーディションに通過して、東京と福岡を行き来し始めるんですよね。傍からはすごく順調に進んでいるように見えたと思いますが、実際当時の心境はいかがでしたか?

藤原:初めてのオーディションをきっかけに、それまでは一人で弾き語りをしていたのに、いきなり東京へ出てきて沢山の人の前で演奏するようになったから、最初は不安でした。でも、人に「いいね」って言ってもらうたびに、どんどん自信がついていったし、自分の曲を人に聴いてもらって、それに共感してもらうのは、すごく素敵なことなんだなって思うようになりました。


ポール(・マッカートニー)みたいなアーティストになりたいんです。エンターテイナーでもあるし、すごくコアな曲もあれば世界中の人の心に届くような曲もある。

―ご自身の声の魅力に気づいたことも大きかったんじゃないですか?

藤原:そうですね。最初は自分の声の持ち味に全然気づいてなくて、高いキーの曲を無理して歌ってたんですよ。でも、あるときボーカルスクールの先生から「他の曲も歌える?」って言われて。キーの低い阿部真央さんの曲を歌ったら、「すごくブルージーで他にない声だね。大事にした方がいいよ」って言ってもらえたんですよね。そんなこと今まで言われたことがなかったから、「自分の声って、ブルージーなんだ」って初めて気づきました。それからは自分の声に自信が持てるようになれたし、ノラ・ジョーンズのような海外の女性シンガーソングライターを好きになっていきましたね。

―自分の声が好きになれたことで、さらに音楽への興味が高まっていったんですね。ノラ・ジョーンズの他には、どんな音楽を聴いていましたか?

藤原:一番好きなのはポール・マッカートニー。もう、全部が好きですね!(笑) 『RAM』(1971年に発表されたポールと妻・リンダの共作アルバム)を最初に聴いたときは、鳥肌が止まらなくて。涙が出そうになるんですよね、ポールの曲を聴いていると。

―『RAM』って、今でこそ高く評価されてますが、当時は酷評されてたんですよ。

藤原:そうなんですよね! でも、一番よくないですか?(笑)

―僕も大好きなアルバムです(笑)。

藤原:ポールみたいなアーティストになりたいんです。エンターテイナーでもあるし、すごくコアな曲もあれば、世界中の人の心に届くような曲もあって。でも、ポールを聴いてると時々嫌になることもあるんですよ。すごすぎるから「絶対に超えられない」って思ってしまって。そんなふうに感じるのはポールだけです。好きすぎるんだと思います(笑)。

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リリース情報

藤原さくら『à la carte』(CD)
藤原さくら
『à la carte』(CD)

1. Walking on the clouds
2. Cigarette butts
3. My Heartthrob
4. Just one girl(Original Ver.)
5. We are You are
6. ありがとうが言える

イベント情報

『さくら前線北上インストアツアー2015』

2015年3月21日(土)START 14:00
会場:福岡県 タワーレコード福岡パルコ店 イベントスペース

2015年3月27日(金)START 19:00
会場:広島県 タワーレコード広島店 イベントスペース

2015年3月28日(土)START 16:00
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース

2015年3月29日(日)START 13:00
会場:愛知県 名古屋パルコ西館 1Fイベントスペース

2015年4月3日(金)START 19:30
会場:東京都 タワーレコード渋谷店 1F イベントスペース

2015年4月4日(土)START 12:00
会場:東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース

2015年4月11日(土)START 16:00
会場:宮城県 タワーレコード仙台パルコ店 イベントスペース

2015年4月12日(日)START 14:00
会場:北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店 イベントスペース

2015年4月26日(日)START 16:00
会場:東京都 HMVエソラ池袋 イベントスペース

『bon appétit』

2015年6月21日(日)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:福岡県 天神 ROOMS

2015年6月26日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 duo MUSICEXCHANGE

料金:前売2,500円(ドリンク別)

プロフィール

藤原さくら(ふじわら さくら)

福岡市出身。19歳。父の影響ではじめてギターを手にしたのが10歳。洋邦問わず多様な音楽に自然と親しむ幼少期を過ごす。高校進学後、シンガーソングライターへの憧れからオリジナル曲の制作をはじめ、少しずつ音楽活動を開始。地元・福岡のカフェ・レストランを中心としたライブ活動で、徐々に注目を集める。2014年3月、高校卒業と上京を機に、フルアルバム『full bloom』をリリース。楽曲制作やライブ活動を本格的に開始し、CM出演での歌唱や、テレビドラマへの曲提供などで話題となる。2015年3月18日、スピードスターレコーズよりミニアルバム『à la carte』でメジャーデビュー。 天性のスモーキーな歌声は数ある女性シンガーの中でも類を見ず、聴く人の耳を引き寄せる。

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