インタビュー

声を発した瞬間、世界を変える。19歳、藤原さくらの才能と素顔

声を発した瞬間、世界を変える。19歳、藤原さくらの才能と素顔

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
2015/03/18

友達のTwitterとか読むと病んじゃうから、見ないようにしてました(笑)。

―上京してまだ1年ですよね? 東京の生活に慣れるのも大変なのに、メジャーデビューに向けて準備を進めていくのは大変だったんじゃないですか?

藤原:そうですね。不規則な仕事だし、ライブが重なるといろんな人と一気に会って、その翌日に一人きりになったりするので、その落差に最初はついていけませんでした。同世代で活躍している人とか見てても、「私も頑張らなきゃ」って鼓舞されると同時に、ついつい比べちゃったりして、「辛いな」と思うこともありましたね。

藤原さくら

―地元の友達の中で、一緒に上京してきた人はいなかったんですか?

藤原:いるんですけど、彼女たちは学校もあるので毎日会えるわけでもない。それに、私は新しい友達がなかなかできない環境なのに、大学に通ってるみんなはどんどん新しい友達ができていくわけじゃないですか。それも寂しいなって思っちゃったりして。友達のTwitterとか読むと病んじゃうから、見ないようにしてました(笑)。

―きっと友達は、なかなかさくらさんの辛さを想像できないですもんね。

藤原:そうなんですかね。ライブをやったり表に出ている姿しか見ていないから、その後一人寂しく曲を作っていることまではわかってもらえないかもしれません。そういう面が伝わらなくて当然なんですけどね。ただ、月に1度はラジオのレギュラー番組の収録で福岡に帰るので、そこでお母さんと話すのはリフレッシュできていいなって思います。

―アーティストとしての活動は順調ですしね。

藤原:頑張っていきたいですね。シンガポールでも歌わせてもらったり、ベルメゾン「ホットコット」のCMに出させてもらえたり、今まで私のことを知らなかった人たちにどんどん届くようになってからは、「辛い」ばっかり言ってられないなって。でも実際、楽しく活動させてもらってます!

―今回のアルバムの1曲目、“Walking on the clouds”は楽しげな歌詞ですが、他の曲は失恋についてだったり、コミュニケーションのすれ違いだったり、切ない曲が多いですよね?

藤原:たしかに。“Cigarette butts”は失恋の曲だし、“My Heartthrob”は「好きだけど、思いは伝えないよ」っていう曲だし。でも、これまでの私にとっては割とポップで明るい方じゃないかな。もっとどん底まで落ちる曲もあるので(笑)。例えば『full bloom』には“嘘つき”とか“ラタムニカ”とか、自分の心の奥底にある気持ち詰め込んだ暗い曲も入ってますけど、今作には別れる相手に対する感謝の気持ちを歌った曲(“ありがとうが言える”)も入っているので、少しは大人になったのかなって思います。上京して一人暮らしを始めて、いろんなことに頼りきってた自分から脱却したから、歌詞の内容も変わってきてるのかもしれないです。

―ご自身の経験や体験も、歌詞に反映されてるんですね。

藤原:反映してますね(笑)。でも、前作の“Ellie”みたいに、三人称(she)を使ったり、物語調の歌詞を書いたりするのも好きです。

―ポール・マッカートニーも“She Loves You”っていう三人称の曲があるし、物語調の曲を得意としてますよね。

藤原:そうですね! やっぱり、ポールみたいになりたいんだと思います(笑)。

「楽しんで音楽をやる」っていう根本的なことは忘れないようにしながら、毎日を送っていけたらなって思います。楽しみながら死にたい!

―英語詞を書くときと、日本語詞を書くときでは、どう気持ちが違うのでしょう?

藤原:ライブを観に来てくれた人の反応を見たり感想を聞いたりすると、やっぱり日本語の歌詞の方が伝わりやすいから、大事にしていきたいとは思ってます。ただ、自分がワールドミュージックを聴いているとき、歌詞の意味がわからないぶん、メロディーがよりストレートに耳に入ってきたり、単純に言葉の響きを楽しめたりすることがあるんですよ。そういう「言葉では伝えきれない思い」みたいなものは、日本語以外の歌詞で歌っていきたいなと思います。

―やっぱりさくらさんの根底には、自分がワールドミュージックから受ける感動を人に伝えていきたいという思いがあるんですね。

藤原:やっぱり自分と同世代の子たちにもワールドミュージックのよさに気づいて欲しいし、自分がその架け橋になれたらなっていう思いもあります。以前、「一人ワールドツアー」と銘打って、英語や日本語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語……と各国の歌を1曲ずつカバーしたことがあって、すごく楽しかったんです。もっと頑張って勉強して、英語圏以外の曲も伝えていけたらなって。

―「一人ワールドツアー」、聴いてみたいです!

藤原:そういう意味では、ライブへの向き合い方も以前とは変わったなって思います。今までは自分のためだけに歌っていたところもあったのに、目の前にいる人や、CDを買ってくれた人に届けたい、思いを共有したいっていう気持ちが強くなってきました。それも、自分の中での成長なのかな。

藤原さくら

―では最後に、今後さくらさんが大切にしていきたいことは?

藤原:「自分は楽しんで音楽をやっているんだ」っていう気持ちですね。前にボーカルスクールの先生が、「音楽は『音が楽しい』っていう意味なのに、やってるうちに『音が苦』になってしまう人もいる」って言ってたんです。もちろん、スランプとか辛いことは色々あるだろうし、苦しいときに作った曲の方がよかったりもするんですけど(笑)。

―振り幅が大事っていうことですよね。苦しいときもあるかもしれないですけど、そのぶん楽しみも大きくなるから、ちゃんと戻ってきてください(笑)。

藤原:そうですね。「楽しんで音楽をやる」っていう根本的なことは忘れないようにしながら、毎日を送っていけたらなって思います。楽しみながら死にたい!(笑)

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リリース情報

藤原さくら『à la carte』(CD)
藤原さくら
『à la carte』(CD)

1. Walking on the clouds
2. Cigarette butts
3. My Heartthrob
4. Just one girl(Original Ver.)
5. We are You are
6. ありがとうが言える

イベント情報

『さくら前線北上インストアツアー2015』

2015年3月21日(土)START 14:00
会場:福岡県 タワーレコード福岡パルコ店 イベントスペース

2015年3月27日(金)START 19:00
会場:広島県 タワーレコード広島店 イベントスペース

2015年3月28日(土)START 16:00
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース

2015年3月29日(日)START 13:00
会場:愛知県 名古屋パルコ西館 1Fイベントスペース

2015年4月3日(金)START 19:30
会場:東京都 タワーレコード渋谷店 1F イベントスペース

2015年4月4日(土)START 12:00
会場:東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース

2015年4月11日(土)START 16:00
会場:宮城県 タワーレコード仙台パルコ店 イベントスペース

2015年4月12日(日)START 14:00
会場:北海道 タワーレコード札幌ピヴォ店 イベントスペース

2015年4月26日(日)START 16:00
会場:東京都 HMVエソラ池袋 イベントスペース

『bon appétit』

2015年6月21日(日)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:福岡県 天神 ROOMS

2015年6月26日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 duo MUSICEXCHANGE

料金:前売2,500円(ドリンク別)

プロフィール

藤原さくら(ふじわら さくら)

福岡市出身。19歳。父の影響ではじめてギターを手にしたのが10歳。洋邦問わず多様な音楽に自然と親しむ幼少期を過ごす。高校進学後、シンガーソングライターへの憧れからオリジナル曲の制作をはじめ、少しずつ音楽活動を開始。地元・福岡のカフェ・レストランを中心としたライブ活動で、徐々に注目を集める。2014年3月、高校卒業と上京を機に、フルアルバム『full bloom』をリリース。楽曲制作やライブ活動を本格的に開始し、CM出演での歌唱や、テレビドラマへの曲提供などで話題となる。2015年3月18日、スピードスターレコーズよりミニアルバム『à la carte』でメジャーデビュー。 天性のスモーキーな歌声は数ある女性シンガーの中でも類を見ず、聴く人の耳を引き寄せる。

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