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エロスの粒が美しく弾ける。LUCKY TAPESが描く甘い世界

エロスの粒が美しく弾ける。LUCKY TAPESが描く甘い世界

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:田中一人
2015/08/03

僕らが目指しているのは、「ショー」って感じがするんですよね。「ライブ」っていうと現実的で生々しいけど、「ショー」は非現実的なイメージがするじゃないですか。(健介)

―日本語で歌詞を書くときも、まずは響きから言葉を選んでいくのですか?

:そうですね。オケを聴きながら、思い浮かんでくる言葉をまずは並べて。今回のアルバムは「夜」というか、アダルトな雰囲気を入れ込みたかったので、そこから連想するフレーズが多くなりました。

―歌詞で描かれてるストーリーには、実体験も入っていますか?

:実体験ではないです。英語も日本語も、空想の物語を書いてるかな。

―では、サウンドが「夜」っぽくなったのはなぜでしょう。今回は、パーティーの多幸感は残しつつも、それが終わることへの切なさみたいなものも感じますよね。映画のエンドロールを見ているときのような感覚になるというか。

:ああ、確かに最後の“Gun”とかそんなイメージですね。楽しかったパーティーが終わることへの寂しさというか。でも、なんで「夜」っぽくなったんだろう……。

健介:結構俺が作ったトラックって、暗いのが多いよね。

左から:高橋海、高橋健介

―夜の楽しさと侘しさ、両方を知っている人が作るサウンドっていう感じです。

:そうかもしれない! 自分はお酒も飲まないし、あまり夜遊びはしない方なんですけど、健ちゃんなんて近場でオールナイトイベントやってたらすぐに飛びつくもんね(笑)。

―(笑)。アルバムタイトルが、『The LIVE』ではなく『The SHOW』であることも、ひとつポイントかなと思うのですが。なぜこの言葉を選んだのでしょう?

:シンプルでインパクトのある言葉がいいなと思って、いろいろ探している中で「SHOW」という言葉にピンときました。ちょうど僕らが目指している、多幸感のあるパーティーでの見せ物みたいなのを上手く表しているというか。

健介:僕らが目指しているのは、「ショー」って感じがするんですよね。「ライブ」っていうと現実的で生々しいけど、「ショー」は非現実的なイメージがするじゃないですか。

:そう。「ショー」のほうが、ファンタジーな要素もあるかなと。

―その辺はマイケル・ジャクソンにも通じるのかも。

:彼は「ネバーランド」まで作っちゃってるわけですしね。

―つまり、LUCKY TAPESが理想とするのは、「ここではないどこかに連れ去ってくれる音楽」ということですよね。

:そうですね。自分の日常の中で、音楽ほどどっぷりハマれるものはなかったし。

歌詞で人の心を動かす曲も大好きなんですけど、自分がやりたい音楽はそうじゃないんですよね、今は。音の気持ちよさを全面に表現したい。(海)

―海さんは、ボーカリストの理想として、どういうものをイメージされていますか?

:mabanuaさん(プロデューサー、ドラマーとして活躍しながら、ソロプロジェクトではボーカルも務めるマルチクリエイター)とかは、黒いグルーヴの上に清涼感のある、ふわふわとしたウィスパーボイスを乗せていますよね。彼の声質は自分とも近そうなので、よく参考にしていました。あとthe HIATUSの細美武士さんも好きです。

―先日ライブを拝見しましたが、海さんはMCでも一切しゃべらず、健介さんやドラムの濱田さんがMCを担当していることが印象的でした。バンドの「フロントマン」として、海さんはこの先どうなりたいと考えていますか?

:僕はもともと外向きの人間じゃないので、人前でしゃべったりするのはあまり得意じゃなくて。もっと自分に自信がついてくれば、立ち振る舞いとかも変わってくるのかもしれないけど。ライブでもまだできにムラがあったりして、いまひとつ自信を持ち切れてない部分もあったりするんですよ。

―例えばさっきおっしゃった細美さんとか、あるいは同じベイエリア出身で同世代のSuchmosのYonceさんとか、フロントマンとしてガンガン前に出て行くタイプじゃないですか。彼らのことはどう見てるのかなと。

:やっぱり、LUCKY TAPESはそこまでフロントマンが前に出るというよりかは、メンバー全員が楽しくやっているように見せたいバンドであるし、それが描いている理想でもあります。

健介:海くんだけが前に出るというよりかは、メンバー四人が横に並んで進んでいるイメージは持ってますね。

左から:高橋健介、高橋海

―海さんは、もっと生身の自分を出していきたいって思いますか?

:正直、葛藤もありますね。そもそも何か伝えたいメッセージがあって音楽をやっているというよりは、音の気持ちよさを全面に表現したくてやっているので。

健介:やっぱり海くんが伝えたいのは言葉じゃなくて音なんだよね。

―つまり、何か強烈なメッセージでアジテートしてオーディエンスを突き動かしていくというより、言葉にできないサウンドの気持ちよさで、辛い現実を一瞬忘れさせてくれたり、ちょっとした日常を鮮やかに彩ったりするために、LUCKY TAPESの音楽は存在しているんでしょうね。

:そうですね。歌詞で人の心を動かす曲も大好きなんですけど、自分がやりたい音楽はそうじゃないんですよね、今は。この先はどうなるかわからないですけど。

健介:もしかしたら、言いたいことが出てくるかもしれないしね。

―今回、日本語で歌詞を書いてみて、よりダイレクトに聴き手に伝わって、その反応が返ってくることで海さんの中で何か変わる可能性もあるかなと。

:それはあるかもしれないです。とりあえず、最初に返ってきた反応は「エロい」ということですね。

―(全員笑)。

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リリース情報

LUCKY TAPES 『The SHOW』(CD)
LUCKY TAPES
『The SHOW』(CD)

2015年8月5日(水)発売
価格:2,160円(税込)
Rallye Label / RYECD-250

1. All Because Of You
2. 揺れるドレス
3. Touch!(album version)
4. 平和と魔法
5. Peace and Magic(album version)
6. FRIDAY NIGHT
7. 夜が明けたら
8. Gun

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  • イベント情報

    LUCKY TAPES
    『The SHOW』発売記念ワンマンライブ

    2015年10月2日(金)
    会場:大阪府 心斎橋 Pangea

    2015年10月3日(土)
    会場:愛知県 名古屋 Live & Lounge vio

    2015年10月23日(金)
    会場:北海道 札幌 Bessie Hall

    2015年11月7日(土)
    会場:福岡 Keith Flack

    2015年11月8日(日)
    会場:宮崎県 Live House ぱーく

    2015年11月14日(土)
    会場:富山県 HOTORI

    2015年11月15日(日)
    会場:石川県 金沢 アートグミ

    プロフィール

    LUCKY TAPES(らっきー てーぷす)

    2014年6月、高橋海(Vo,Key)、田口恵人(Ba)、濱田翼(Dr)の3人で結成。のちに高橋健介(Gt)が加わり4人となる。結成直後にライブ会場とレーベルのHP上でEP『Peace and Magic』を発表し、それが僅か3か月で完売。同世代のバンドたちからの評価と信頼も厚く、盛り上がりを見せる東京インディシーンの中でも最も注目を集めるバンドの1つとなる。今年4月にリリースされた公式デビューシングル『Touch!』は、発売日を待たずにレーベル在庫が完売し、大きな話題を集めた。期待値が最高潮に達する中、ceroの最新作『Obscure Ride』を手がけた得能直也をエンジニアに迎え待望のデビューアルバム『The SHOW』を8月5日にリリース。

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