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田口囁一がクラムボン・ミトに人生相談、メジャーの役割って何?

田口囁一がクラムボン・ミトに人生相談、メジャーの役割って何?

『フジキュー!!!~Fuji Cue's Music~』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人

音楽業界の縮図であるかのような架空の音楽学校を舞台に、若者たちの青春を描く漫画『フジキュー!!!~Fuji Cue’s Music~』(「別冊少年マガジン」で連載中)の作者・田口囁一。彼は2ピースバンド・感傷ベクトルのメンバーとして2012年にメジャーデビューを果たし、昨年には同人時代の作品もまとめた『one+works』を発表している。同人シーンの盛り上がりによって、近年音楽とビジュアルを両方手掛ける作り手は珍しくなくなったものの、月刊誌で連載を持ちながら、メジャーで音楽活動をするというのは他に例がなく、まさに現代的なメディアミックスを体現する存在と言える。

その『フジキュー!!!』の最新巻、第3巻の帯に「フジキュー(主人公・不死原求の愛称)達の音楽愛がめっちゃ充実しててぶっちゃけジェラる!」というコメントを寄せているのが、かねてより漫画やアニメへの愛情を表明し、近年はアニソンなどの楽曲提供も目立つクラムボンのミト。クラムボンは昨年結成20周年を迎え、初の日本武道館公演を成功させたばかりだが、その後メジャーを離れ、2月からは会場限定のミニアルバムを手売りするツアーを開催する。こうしたアクションに対し、同人シーンの盛り上がりとの関連を感じた人は少なくないのではないだろうか。

そこで今回は田口とミトを招いての対談を実施。二人はこの日が初対面だったが、音楽と漫画・アニメに関する共通の話題が数限りなくあって、途切れることなく会話は続いた。それはつまり、二人が共にエンターテイメントに対する多層的な視点を持っているということでもあり、ここには今後のクリエイターのあり方を考える上で重要なヒントがたくさん詰まっていると言っていいだろう。ぜひ、じっくりと読んでいただきたい。

メジャーデビューから3年経ったんですけど、思ってたことが何も起こらない音楽生活だったんです。その軌道修正をどうやっていこうか、今悩んでいて……。(田口)

―お二人は今日が初対面だそうですね。

田口:大変緊張しております。高校生の頃からクラムボンを聴いていたので……。

ミト:そうなの!?

田口:帯にコメントを書いてもらえたのもびっくりだったんです。まさか書いていただけるとは思わず、「お願いしてみるだけしてみようか」って感じでした。

『フジキュー!!!~Fuji Cue's Music~』表紙
『フジキュー!!!~Fuji Cue's Music~』表紙

ミト:いや、私は絵が書けたらこっち(漫画)の世界に行きたかった人間ですから。こういう機会をいただけるのはホントありがたい話です。

田口:僕からすると、ミトさんがアニソンが好きだということを初めて知ったとき、バンド畑の憧れの人と自分の趣味が繋がってびっくりしたんですよ。オタクとしては、「こっちに降りて来てくれた」みたいな感覚がありました。

左から:ミト、田口囁一
左から:ミト、田口囁一

ミト:地元が神保町という特殊な場所だったので、知らないうちにハイブリッドな文化に触れてたんですよね。でも、逆に言うと、私は自分から音楽をやろうと思ったことが一度もなくて。クラムボンだって、たまたま1回やったライブがよくて、それから周りに誘われてライブをするようになった感じなので、アクティブにライブ活動をしていた田口くんはすごいなって思います。バンドも同人活動も高校からやってたの?

田口:活動自体は大学に入ってからなんですけど、最初に出した同人誌は、高校の授業中に描いてた漫画を本にしたもので。それがバンド漫画だったので、作中の曲を録ろうってCDも作ったのが感傷ベクトルの始まりです。

ミト:いいなあ。絵が描ける人に対してジェラる気持ちは一生付きまとうと思う(笑)。

田口:実は、音楽と漫画の両方をやっててよかったことは、今のところあまりなくて。足を引っ張られるばかりなんですよね。自分はニコニコ動画出身でもなく、実績も何もないままデモテープをビクターに送ったらデビューが決まったんです。漫画が描けるっていう面白味で、何となく大人に盛り上げられてしまったんですよね。

ミト:う、うん(笑)。

田口:で、CDを出してみたものの、そのかじ取りを誰かに任せたところで、「どこにも行かねえな、この船」って気づいてしまって……メジャーデビューから3年経ったんですけど、思ってたことが何も起こらない音楽生活だったんです。なので、その軌道修正というか、これから10年どうやっていこうか、今悩んでいて……しょっぱい話なんですけど。

ミト:いやあ、もう今から飲みに行きたい!(笑) 私は境遇的には全然違いますけど、活動が始まってしまったがゆえに手に余ってしまう感じっていうのは、なんとなくわかる。クラムボンもそうだったから。

田口:僕、メジャーにいる人がバイトして暮らしてることを初めて知ったとき、かなりショックだったんですよ。中学生のときはバンドの世界がキラキラして見えていたわけですけど、段々メッキがはがれていったというか、ネットの力でいろいろ現実が漏れ聞こえてきたり、自分の手元にリアリティーが近づいてきたりして、「こんなもんか」と思ってしまったんですよね。それでも僕は架空の上手くいってるバンドを漫画で描きながら、そいつにずっとコンプレックスを抱きつつ、ホントの意味ではバンドをやれない人生を送ってきたというか……。

ミト:私が『フジキュー!!!』を読んで、「充実してるな」と思ったのは、まさにフジキューが組んでるバンドは僕らからするとおとぎ話なんですよね。でも、このおとぎ話が、僕らがかつて夢見ていたものだから居心地がよくて、なおかつ、音楽の作り手ではない側の人たちにとってもキャッチーだと思う。私もいろいろな諦念はあるんですけど、作品に対して諦念を持ったことはないんです。作品は希望の塊で、自分の作ってるものには未来があるから、それを邪魔されたくはない。結局考えてるのって、そういうことだけなんですよね。

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書籍情報

『フジキュー!!!~Fuji Cue's Music~』第3巻
『フジキュー!!!~Fuji Cue's Music~』第3巻

2015年12月9日(水)発売
著者:田口囁一
価格:463円(税込)
発行:講談社

イベント情報

感傷ベクトル
『深海と空と"星"の駅vol.3』

2016年2月11日(木・祝)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京都 新代田 FEVER
出演:
感傷ベクトル
Lyu:Lyu
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

リリース情報

感傷ベクトル『one + works』
感傷ベクトル『one + works』(2CD)

2015年7月1日(水)発売
価格:3,564円(税込)
VICL-64358

[DISC1]
同人ベストアルバム『one』
1. forgive my blue
2. Hide & Seek
3. 表現と生活
4. 孤独な守人
5. 冬の魔女の消息
6. 人魚姫
7. 退屈の群像
8. 深海と空の駅
9. blue
10. Tag in myself
11. ノエマ
12. none
[DISC2]
ワークスベストアルバム『works』
1. Kaleidoscope -AL『Kaleidoscope』ウサギキノコ-
2. 残り香 -AL『夏花の影送り』三澤秋-
3. 夏の幽霊 -AL『VOI best selection -Caelum』Voltage of Imagination-
4. レッドノーズ・レッドテイル -AL『酣歌 Vol.2』kaede.org-
5. お宝発掘ジャンクガーデン -Game『もっと!?不思議の幻想郷』AQUASTYLE-
6. あやとり -AL『Kaleidoscope』ウサギキノコ-
7. フラワードロップ feat. IA -AL『IA/02-COLOR-』IA PROJECT-
8. 死神の子供達 -EP『tratamento pre-natal』感傷ベクトル-
9. フォノトグラフの森 -AL『冬空のアルペジオ』三澤秋-
10. ib-インスタントバレット- (full ver.) -Web『niconico』赤坂アカくん大好き倶楽部-
11. ルナマウンテンを超えて -Game『もっと!?不思議の幻想郷』AQUASTYLE-
12. かつて小さかった手のひら -AL『宙を巡る君へ』AMPERSAND YOU-
13. Call Me -AL『caracol』Annabel-
14. I.C -AL『TALK』Annabel-
15. 地獄の深道 -Game『もっと!?不思議の幻想郷』AQUASTYLE-
16. ルナクライシス -Game『もっと!?不思議の幻想郷』AQUASTYLE-
17. ラストシーン -AL『空想活劇・参』Voltage of Imagination-
18. sayona ra note -AL『Panoram A Leaf』Pixelbee-

イベント情報

『clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー』

2016年2016年2月4日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 TOKUZO
※サイン会あり

2016年2016年2月5日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
※サイン会なし

2016年2月7日(日)OPEN 16:00 / START 16:30
会場:鳥取県 米子 AZTiC laughs
※サイン会あり

2016年2月9日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:福岡県 イムズホール
※サイン会なし

2016年2月11日(木・祝)OPEN 16:30 / START 17:00
会場:熊本県 B.9 V-1
※サイン会あり

2016年2月18日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:静岡県 浜松 窓枠
※サイン会あり

2016年2月20日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO
※サイン会なし

2016年2月21日(日)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:高知県 X-pt.
※サイン会あり

2016年2月23日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:広島県 SECOND CRUTCH
※サイン会あり

2016年2月24日(水)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:大阪府 梅田 Shangri-La
※サイン会あり

2016年2月27日(土)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
※サイン会なし

2016年3月4日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:茨城県 水戸 LIGHT HOUSE
※サイン会あり

2016年3月5日(土)OPEN 17:00 / START 17:30
会場:福島県 いわき club SONIC iwaki
※サイン会あり

2016年3月7日(月)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:栃木県 宇都宮 HEVEN'S ROCK VJ-2
※サイン会あり

2016年3月8日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:長野県 松本 Sound Hall a.C
※サイン会あり

2016年3月10日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:石川県 金沢 AZ
※サイン会あり

2016年3月11日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:新潟県 GOLDEN PIGS RED
※サイン会あり

2016年3月17日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 新代田 FEVER
※サイン会あり

2016年3月18日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 新代田 FEVER
※サイン会あり

2016年3月21日(月・祝)OPEN 16:00 / START 16:30
会場:岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
※サイン会あり

2016年3月23日(水)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:兵庫県 神戸 CHICKEN GEORGE
※サイン会なし

2016年3月24日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:京都府 磔磔
※サイン会あり

2016年3月26日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:神奈川県 横浜 Bay Hall
※サイン会なし

2016年4月1日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:北海道 札幌 PENNY LANE24
※サイン会なし

2016年4月3日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:北海道 帯広 MEGA STONE
※サイン会あり

2016年4月5日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:岩手県 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
※サイン会あり

2016年4月6日(水)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:宮城県 仙台 MACANA
※サイン会あり
料金:各公演 前売2,500円(ドリンク別)

リリース情報

クラムボン『JP』デジタルリマスター盤
クラムボン
『JP』デジタルリマスター盤(CD)

2016年1月27日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-12304

1. はなれ ばなれ
2. いたくない いたくない
3. タイムリミット(streeya ♪ mix)
4. パンと蜜をめしあがれ(JP version)
5. ORENZI
6. 波は
7. 風邪をひいたひょうしに
8. トレモロ
9. 雲ゆき
10. Our Songs(MUSIC FAIR mix)
11. GLAMMBON
12. タイムリミット taken from an ep“はなれ ばなれ”(ボーナストラック)
13. Our Songs taken from an ep“パンと蜜をめしあげれ”(ボーナストラック)
※紙ジャケット仕様

クラムボン『まちわび まちさび』デジタルリマスター盤
クラムボン
『まちわび まちさび』デジタルリマスター盤(CD)

2016年1月27日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-12305

1. ドギー&マギー
2. 君は僕のもの
3. まちわび まちさび
4. 月食
5. 大貧民
6. シカゴ(病み上がり)
7. ミラーボール
8. 246
9. EPIC
10. 090
11. シカゴ taken from an ep“シカゴ/246”(ボーナストラック)
※紙ジャケット仕様

クラムボン『ドラマチック』デジタルリマスター盤
クラムボン 『ドラマチック』デジタルリマスター盤(CD)

2016年1月27日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-12306

1. ロマンチック
2. ジョージ
3. サラウンド
4. 心象21
5. レインボウ
6. 恋わずらい
7. 残暑
8. モノクローム
9. 便箋歌
10. ララバイ サラバイ
11. ドラマチック
12. 麗しのキスシーン taken from an ep“サラウンド”(ボーナストラック)
13. のんびり taken from an ep“残暑”(ボーナストラック)
※紙ジャケット仕様

クラムボン『Re-clammbon』デジタルリマスター盤
クラムボン
『Re-clammbon』デジタルリマスター盤(CD)

2016年1月27日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-12307

1. Re-雲ゆき
2. Re-サラウンド
3. Re-華香るある日
4. Re-パンと蜜をめしあがれ
5. Re-モザイク
6. Re-はなれ ばなれ
7. Re-トレモロ
8. Re-残暑
9. Re-タイムリミット
10. Re-雲ゆき(ライブバージョン)taken from audios of dvd “id tour 2003.1.26 shibuya”(ボーナストラック)
11. 便箋歌(ライブバージョン)taken from audios of dvd “id tour 2003.1.26 shibuya”(ボーナストラック)
※紙ジャケット仕様

クラムボン『id』デジタルリマスター盤
クラムボン
『id』デジタルリマスター盤(CD)

2016年1月27日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-12308

1. id
2. 雨
3. adolescence
4. 海の風景
5. eel restaurant
6. ロッククライミング
7. くちぶえ~wayward story~
8. 小淵沢
9. charm point
10. 道
11. ハレルヤ
12. コントラスト
13. 道 artcore ver. taken from audios of dvd “id tour 2003.1.26 shibuya”(ボーナストラック)
※紙ジャケット仕様

プロフィール

田口囁一
田口囁一(たぐち しょういち)

漫画家・作曲家。感傷ベクトルは田口囁一を中心としたバンド。音楽と漫画の製作を軸に、ライブやメディアミックスなどを行う。2007年よりコミティア、M3等の同人即売会で活動を開始。2009年、ジャンプSQ.II(集英社)『ReLive』で漫画家デビュー。2012年、感傷ベクトルとしてSPEEDSTAR RECORDSよりメジャーデビュー。現在は別冊少年マガジン(講談社)にて「フジキュー!!!」連載中。連載の傍らライブ活動や楽曲提供、歌唱などを行う。

クラムボン
クラムボン

1993年、福岡出身の原田郁子(Vo,Pf)と東京で育ったミト(Ba)、そして札幌出身の伊藤大助(Dr)の三人が、同じ専門学校で出会う。95年にクラムボンを結成。99年、シングル『はなれ ばなれ』でメジャーデビュー。当初より、ライブバンドとして高い評価を得ながら、ライブやレコーディングなどにおいて他のアーティストとのコラボレーションや楽曲提供、プロデュースなど多岐に渡る活動を続けてきている。2015年3月25日には、9枚目となるオリジナルアルバム『triology』をリリース。2016年は全国26会場を巡る27公演のライブツアー『clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー』を2月4日より開催、会場限定の新作ミニアルバムを販売。

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