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「食えるか、食えないか」で悩むクリエイターへ、OxTからの答え

「食えるか、食えないか」で悩むクリエイターへ、OxTからの答え

OxT『STRIDER'S HIGH』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也

「妥協」や「諦め」って、世の中のクリエイターや作家にはずっと付きまとうものだと思います。でも結局、自分の心の処理の仕方だと思うんです。(Tom-H@ck)

―『ダイヤのA』が2013年なので、お二人が一緒にやってきて今年で3年目になりますけど、ここまでの年月を「娯楽」と言えるくらいストレスなく続けることができたのは、どうしてだと思いますか?

オーイシ:やっぱり、パートナーに対する敬意じゃないですかね。

Tom:そうですね。敬意とか礼儀は本当に大切だと思う。僕らにはイヤな駆け引きがないですよね。

オーイシ:うん。考えてみると、バンド時代とか、ソロ活動を始めたばかりの頃は、クリエイティブには「妥協」や「諦め」や「甘え」が付き物だと思っていたんですよ。あの頃は、自分のやりたいことを突き詰めていくと、お金やスキルや体制的な問題で、どうしても手の届かないことがたくさんあったから。でも、Tomくんとのクリエイティブの中では、そういう諦めを感じないんだよね。それも、もしかしたら僕らの間に「礼儀」があるからなのかなって思う。

Tom:うんうん、わかる。お互いがそう思わないようにさせているんだよね。

オーイシ:そう。お互いが課題を与えあって、それをクリアしていくっていうイメージが強いから、「本当はこう歌いたかったのに、こうなってしまった」みたいなことがないんですよ。「なるほど。そういう正解があったんだな」っていう学びや発見になる。それがこのユニットのポジティブなところだと思います。

オーイシマサヨシ

―「妥協」や「諦め」に関して、Tomさんはいかがですか? アニソン制作やアーティストのプロデュースになると余計に直面する問題なのかなって思うんですけど。

Tom:そうですね。この問題って、世の中のクリエイターや作家にはずっと付きまとうものだと思います。正直に言うと、僕も最初の頃はありました。でも結局、自分の心の処理の仕方だと思うんです。「自分の本来やりたかったようにできなかったな」っていうのを、「でも、こっちの方が売れたな」というふうに発想を変えるとか、オーイシさんの言葉を借りるなら「学び」に変えていくというか。そうすると、自分の中で「クリエイティブはこうであるべきだ」という答えの種類が、ものすごく増えるんですよ。これは、さっきの「バンドはバンドじゃなきゃいけなかった」という話にも繋がると思うんですけど。

Tom-H@ck

オーイシ:そうだね。若い頃って、自分には1本の芯があるって過信しちゃって、自分が選んだ答えじゃないものを「妥協」だと思い込んじゃうんだよね。でも、そうじゃないんだよ。「答え」ってたくさんあるんだよね。

Tom:そうそう。他の答えのほうがよかったりするんだから。

日本で音楽家として生きることの意味をずっと考え続けてきた中で、「音楽だってサービス業だ」って思うようになったんです。(オーイシ)

オーイシ:……あのね、俺、Tomさんとの活動を通してこそ得ることができた、音楽活動をやっていくに当たって大切な「答え」があるんですけど。

Tom:おっ、聞きたい。

―聞かせてください。

オーイシ:それは「食えるか、食えないか」、です。

―「音楽で食う」ことって、今すごく難しいとされていることですよね。ここに直面して悩んでいるミュージシャンも多いと思います。

オーイシ:そういう悩みを聞くと、「お前、食えるためのスキル持ってんだろ!」って思っちゃうわけですよ。「お前の歌、すげえぞ! なのに、なんでそれをお金に換えないの?」って思っちゃう。自分のスキルを換金できるシステムを持っていないだけで、みんな「自分の歌がダメ」とか「自分のクリエイティブがダメ」とか、思い込み過ぎているような気がしていて。

―なるほど。おそらく「食える、食えない」の話になると、生活の話とか、また別の問題も加わってくると思うんですけど、オーイシさんが大切だと思うのは、根本的に「対価をもらう」ということですよね?

オーイシ:そうそう。職人なら、自分のスキルに対して最低限の誇りを持ち、最低限の金額をつけることが大事だと思うんです。自分だけの力では換金できないのであれば、それができるパートナーを見つけるべき。そして、自分の音楽にお金を払ってくれる人がいるのなら、その人たちに対して自分はどう音楽を落とし込んでいけるのか、そこまで考えていかないといけない。これは本当に、世のクリエイター、特に自分と同じボーカリストに声を大にして言いたい。

オーイシマサヨシ

―オーイシさんがそこまで言えるようになったのは、やはりTomさんというパートナーと出会い、アニソンの世界に入っていくことで、自分の歌に誇りと対価を与えられたからなのでしょうか?

オーイシ:そうです。まず、自分にとってのもの作りのフォーマットが書き換えられたんですよ。それまでは自分の中からフツフツと出てくるメッセージを必死でかき集めて、「これが答えなんだ!」って言いながら心をもぎ取るように曲作りをしてきたけど、アニソンはアニメ作品ありきなので、その作品に自分なりの目線を落とし込むことが重要になってくる。でも、それがまったく自分にとって苦痛ではなくて。むしろ、ずっと水槽の中で泳いでいた金魚が、急に海の中に放り投げられた感じだったんです。その海の中を泳いでいく中で、「クリエイティブにも、いろんな答えがあって当然なんだな」って思えたとき、ストレスがなくなった感覚がすごくあって。

Tom:そこは“君じゃなきゃダメみたい”(ソロ名義のシングル曲。アニメ『月刊少女野崎くん』のエンディングテーマ)をやったこと大きいよね? あれが世の中に大きく受け入れられたから。

オーイシ:あれは煌めきをくれたよね(笑)。アニソンを通ったことで、聴いてくれる人たちのことを考えるようになったんです。さいたまスーパーアリーナや横浜アリーナで、何万人もの人たちの前でライブができるのって、すごいことだから。自分たちが面白いと思ってやっていることに人がついて来てくれるのって、本当に幸せなことなんですよ。

Tom:うん、本当に幸せだと思う。

オーイシ:それなら、アニメの作品に対してもそうだし、自分の作品に対してもそうだけど、聴いてくれる人やライブに来てくれる人たちに対して、いかに自分を発揮して、いかに楽しんでもらって、いかに笑って泣いて帰ってもらえるのか。それが自分にとって大事なことになったんです。つまり、お客さんに対しても「敬意」や「礼儀」を持つようになった。

―アニソンを通して、お客さんに対する「答え」も変わった?

オーイシ:そうです。この道がなければ、僕はたぶん50人くらい入ったらパンパンになるようなカフェで、ずっと弾き語りやっていたかもしれない。もちろん、それは悪いことではなくて、それもひとつの「答え」なんです。ただ、自分が憧れてきた音楽の形って、たくさんの人たちに向けて、煌めきを持ってステージから何かを発信することだったから。

―なるほど。オーイシさん自身が求め続けてきたことがまさに、アニソンの世界にあったんですね。

オーイシ:この16年間、日本で音楽家として生きることの意味をずっと考え続けてきて。その中で、僕は「音楽だってサービス業だ」って思うようになったんです。音楽をやることに一番当てはまる言葉って、「アーティスト」とか「音楽家」とか「ミュージシャン」というかっこつけた言葉じゃなくて、「サービス」だと思うんです。

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リリース情報

OxT『STRIDER'S HIGH』
OxT
『STRIDER'S HIGH』(CD)

2016年2月3日(水)発売
価格:1,296円(税込)
KADOKAWA / ZMCZ-10443

1. STRIDER'S HIGH
2. Welcome Spring!
3. STRIDER'S HIGH (instrumental)
4. Welcome Srping! (instrumental)}

OxT『ACE OF DIAMOND』
OxT
『ACE OF DIAMOND』(CD)

2016年3月2日(水)発売
価格:3,240円(税込)
PCCG-01510

1. Go EXCEED!!
2. Perfect HERO
3. B.L.T.
4. 静かなる一秒
5. KIMERO!!
6. Go EXCEED!! -OxT ver.-
7. Perfect HERO -OxT ver.-
8. BLOOM OF YOUTH
9. 5 Soul MATE"S" (new mix)
10. Grateful Story (new mix)
11. BRAND NEW BLUE -OxT ver.-

イベント情報

『OxT-1stワンマンライブツアー~Hello!! New World!!~』

2016年4月1日(金)OPEN 17:30 / START 18:30
会場:東京都 新宿 ReNY

2016年4月16日(土)OPEN 16:00 / START 17:00
会場:大阪府 心斎橋 JANUS

料金:各公演3,800円

プロフィール

OxT
OxT(おくと)

オーイシマサヨシ(Vo)とTom-H@ck(サウンドプロデュース)による二人組デジタルロックユニット。2013年にTom-H@ck featuring大石昌良として『Go EXCEED!!』『Perfect HERO』の2枚のシングルを発表した後、2015年にはユニット「OxT」として発展的にリスタート。OxTとしてのデビューシングル『KIMERO!!』を皮切りに、『Clattanoia』『STRIDER'S HIGH』と矢継ぎ早のタイアップ攻勢を展開中。Tom-H@ckが創りだす刺激的なサウンドプロデュースワークに、オーイシマサヨシの清涼感漂うボーカルが印象的で、さいたまスーパーアリーナや横浜アリーナでの大箱イベントでのパフォーマンスでも集まったオーディエンスに抜群のインパクトを与えるなど、注目度は加速度的に増している。

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