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ぼくりりを輩出したCONNECTONEが実践する新たなメジャー戦略

ぼくりりを輩出したCONNECTONEが実践する新たなメジャー戦略

CONNECTONE
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

2015年4月から正式にスタートした、ビクターエンタテイメント内の新レーベルCONNECTONE。CDや配信販売を中心とした、従来のレコード会社のあり方を根本から見直し、アーティスト活動全体の収入をマネージメント会社や音楽出版社と「割り勘」する、新たな360度ビジネスを標榜した新レーベルの発足は、業界の内外で大きな注目を集めた。

Awesome City Clubを皮切りに、SANABAGUN.、sympathy、ぼくのりりっくのぼうよみと、計4組の新人を輩出し、またRHYMESTERもレーベル内レーベルを持つ形でCONNECTONEに参加。ジャンルで括るのではなく、強固なオリジナリティーを持ったアーティストを送り出すことで、「レーベル買い」のできるレーベルとして、着実にリスナーからの信頼を獲得しつつある。

昨年はCINRAでもCONNECTONEのアーティストに注目し、その動向を追いかけてきたが、今回はレーベルの代表を務める高木亮を迎え、最初の1年を振り返ってもらった。1980年代から1990年代まではEMIの洋楽部門でTHE ROLLING STONESをはじめとした大物アーティストと関わり、2000年代以降は邦楽に転向、EMIが企画制作するライブイベント『EMI ROCKS』を手掛けるなどしてきた高木は、今の音楽業界をどのように見つめ、いかにして新天地でのチャレンジに挑んだのか? その熱い語り口は、さらなるレーベルの発展を期待させるものだった。

宣伝やマーケティングの力が大事であることもわかるんですけど、やっぱり強いアーティスト、強い音楽じゃないとダメなんですよね。

―まずは、高木さんから見て2015年が音楽業界にとってどんな年だったかを振り返っていただけますか。

高木:本格的に地殻変動が始まった年だったと思います。我々レコード会社は、主にCDやレコードなどの「音源」を売って半世紀くらい儲かっていたわけですけど、それは完璧に終わったことが象徴された年でした。今までも右肩下がりではあったんですけど、「いや、ちゃんと信念を持ってやればヒットが作れる」みたいな、根性論がまだまかり通ってたと思うんです。でも、そういうことではなくて、もうファンダメンタルが変わっていて、我々はそこに応じたビジネスを考えないといけないということを突きつけられた年でしたね。そんなときに「新しいレーベルをやりましょう」という話になったので、応用問題を解かなきゃいけないなって(笑)。

高木亮
高木亮

―これまで培ってきた基礎知識を使って、これからは応用問題を解いていくと。

高木:そうです。CONNECTONEは去年の4月に本格始動したのですが、「2015年にレーベルをローンチするなんて自殺行為じゃない?」と言われることもありました(笑)。そんな状況なので、どうやったら面白くて、なおかつ勝てるのか、考えざるを得なかったんですよね。

―実際に、レーベルの本格始動から約1年が経過して、その手応えをどのように感じられていますか?

高木:自己採点をすると、50点かなと思ってます。マイナスの要素は、残念ながら数字が会社の予算に届かなかったことです。一方で、もちろんプラス要素もあって、ひとつはレーベルの認知度が深まって、我々がやろうとしてることが少しずつ伝わり始めたこと。レコードショップとかで「『あの』CONNECTONE」とポップに書いてくれるところもあったりして、熱いスポットだと感じてくれてる人が増えているんじゃないかと思います。特にぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり)が話題になったことで、「ぼくりりをやってるレーベル」と言われることも増えましたね。

―ぼくりりが大きな話題を呼び、数字としても一定以上の結果が出た要因に関しては、どのように分析されていますか?

高木:この仕事の根本ではあるんですけど、改めて、プロダクトアウトだなって思いました。強いアーティスト、強い音楽を送り出す、そこに尽きるなと。僕は主に宣伝畑、マーケティング畑でやってきた人間なので、裏方の力が大事であることもわかっているつもりなんですけど、全力で伝える努力をするのは当たり前で、やっぱり強いアーティスト、音楽じゃないとダメなんですよね。

―宣伝方法を考える以前に、まずは作品ありきだと。

高木:もちろんそれが原点であるはずなんですけど、自戒を込めてですが、意外と忘れがちなんじゃないかと思うんです。これからCONNECTONEから出すものは厳選しまくろうと、改めて思いましたね。極端なことを言うと、心の底から自信を持てる強い音楽は、黙ってても伝わるんじゃないかって感じました。

高木亮

―ぼくりりとはどのように出会い、どのように契約に至ったのでしょうか?

高木:所属事務所のソリッドボンド社長の中島さんから聴かせてもらったのが出会いでした。EMIにいたときから中島さんとは近いところで仕事をさせてもらっていたのですが、彼はすごく耳のいい人なんです。中島さんがネットで泳いでる音源を拾ってきて、それを聴いたときにものすごく感動しましたね。

―ぼくりりは、タイアップがついたり、何か特別なプロモーションが仕掛けられたりしていたわけではないにもかかわらず、世の中に広まっていった印象があります。

高木:彼は去年高3だったので、受験勉強の合間を縫って夏休みに音源を作ったんですけど、さすがにプロモーションはフル稼働できないし、まさに音源の力だけでどう伝えるかを考えないといけなかったわけです。でも、音楽の力がベースにあったので、ピンポイントでやった露出の一つひとつが普通の何倍もの強さで伝わったように思いますね。

―動画サイトの出身であることも象徴的ですけど、まずはコア層に伝わって、そこから口コミでジワジワ広がるというのは、すごくいい状況ですよね。

高木:まだホームランではなくて二塁打くらいだと思うんですけど、すごく幸せな伝わり方をしていると思います。僕は世代的にパンクロック世代なんですけど、彼がやってることは新しい世代のパンク的なやり方だなって思うんですよ。

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イベント情報

『CONNECTONE NIGHT Vol.1』

2016年5月6日(金)OPEN 17:00 / START 17:45
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
出演:
Awesome City Club
RHYMESTER
SANABAGUN.
ぼくのりりっくのぼうよみ
and more
料金:3,000円(ドリンク別)

プロフィール

高木亮(たかぎ りょう)

早稲田大学商学部を卒業後、1985年に東芝イーエムアイ音楽出版株式会社に入社し、洋楽曲の獲得及びプロモーションに関わる。1993年、東芝イーエムアイ株式会社に入社、洋楽ディレクターとして、ローリング・ストーンズやスマッシング・パンプキンズなど、数多くの海外アーティストを手掛ける。2004年、同社の邦楽部門に異動。執行役員として、邦楽レーベル・ヘッド、社内アーティスト・マネージメント社長、新人開発部門等を兼務。2010年から、レコード会社としては初のロック・フェスとして話題を集めた「EMI ROCKS」を主宰、日本を代表するロック・レーベルとしてのブランドを確立。2014年、ビクターエンタテインメントに入社。現在に至る。

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