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デビュー20年のTravisに学ぶ、良好な人間関係を持続させる秘訣

デビュー20年のTravisに学ぶ、良好な人間関係を持続させる秘訣

Travis『Everything At Once』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:森山将人 編集:山元翔一
2016/04/28

あるときフランがベースとデモ音源を持ってやってきたんだ。その場で曲を覚えさせられて、リハにも参加させられた。あれから20年も経つんだから驚きだよね。(ダギー)

―Travisは、もともとアンディーとニールが組んでいたバンド、Glass Onionが前身だったそうですね。当時は白衣を着て客にキャンディーを配ったり、ステージ上で花火を着火したり、かなりメチャクチャなことやっていたそうですが。音楽的にはどんなバンドだったんですか?

フラン:とてつもなく酷いバンドだったよ(笑)。

アンディー:(笑)。Glass Onionっていうのは『The Beatles (White Album)』に収録されたThe Beatlesの曲名だけど、のちにジョン・レノンがBadfinger(The Beatlesのレーベル「Apple Records」からデビューしたバンド)にその名前をつけようとしてボツになったんだよね。だから僕らが使わせてもらうことにしたんだ(笑)。

フラン:音楽性はともかく、演奏はかなり上手くてタイトだった。もうプロ級でさ。彼らがボーカルのオーディションをしていると聞いて、すぐ受けに行ったよ。すでに別のシンガーが決まってしまったあとだったんだけどね。でも、「せっかく来たんだし……」と思って、しばらく見学させてもらったんだ。そしたらそのボーカルがまた酷くてね。それで、当時のキーボードに、「あいつ下手くそだから辞めさせたほうがいいよ」って耳打ちしたんだ(笑)。それで僕が採用されたわけ。

右:フラン・ヒーリィ

―そのあと、そのキーボードとベースが脱退して、フランの友達だったダギーが誘われるわけですね。

ダギー:最初は断ったんだよ。僕はずっとギタリストだったから、ベースを弾いたことがなかったしさ。でも、あるときフランが僕の家に、ベースと5曲入りのデモ音源を持ってやってきたんだ。その場で5曲を覚えさせられて、夕方までにはなんとか形になった(笑)。気づいたときには週末のリハーサルにも参加させられてたんだ。あれから20年も経つんだから驚きだよね。

当時は僕にばかりスポットがあたって、他のメンバーはないがしろにされていた。でも僕からすると、バンドの責任をすべて一人で背負うようで、ものすごく辛かった。(フラン)

―1996年にデビューしたあなたたちは、Radioheadなども手がけるナイジェル・ゴドリッチのプロデュースによる2ndアルバム『The Man Who』(1999年)で大ブレイクを果たし、それから2年後の『The Invisible Band』でトップバンドの仲間入りを果たしました。サウンド的にもやはり、このときがターニングポイントでしたか?

ダギー:そうだね。それまでの僕らがやっていたのは、もう少しブリットポップ寄りのサウンドだったけど、ナイジェルと出会うことでサウンドの作り方が大きく変化した。機材の使い方や、レコーディングのテクニック、楽器の演奏法など、いろんなことを彼に教えてもらいながらアルバムを作った。そこで学んだことを活かしながら、そのあとは自分たちでもプロデュースしていくようになったんだよね。

―世界各国のフェスでヘッドライナーを務めるなど、かなり多忙な日々でしたよね。

ダギー:とにかくクレイジーな日々だったよ。ライブも2、3年で500本くらいこなしていたし、それでバンドも疲れ切っていたと思う。だんだん、お互いのことを友達じゃなくて「仕事仲間」みたいに思うようになってきてしまって。「俺がこんなに働かなきゃいけないのは、こいつらがいるからだ」って考えるようになっていたんだよね。

フラン:当時はフロントマンである僕にばかりスポットがあたって、「俺たちなんて、別にいなくてもいいんだろ?」って感じていたメンバーもいたと思うよ。でも僕からすると、バンドの責任をすべて一人で背負っているようで、ものすごく辛かった。一度、ロンドンのノッティングヒルのカフェに集まって、お互いに腹を割って話し合ったこともあったよ。

―そんな狂騒のさなかに、ニールが事故にあって首に大怪我を負ってしまったんですよね。

ダギー:あれで、みんながハッとしたところはあったと思う。

アンディー:「これでバンドも終わりかな」って思った。彼が現場に戻って来れるかどうかもわからなかったし、かといって代わりのドラマーを入れたら、Travisではなくなってしまうからね。

アンディー・ダンロップ
アンディー・ダンロップ

ダギー:怪我が完治するのに半年くらいですんだから、実際はそれほど長いインターバルでもなかったんだけど、そこでちょっと自分たちを見つめ直すことはできたね。復帰後にリリースした『12 Memories』(2003年)は、バンドを仕切り直して作ったアルバムというイメージが強いね。

―今だから言えることですけど、ニールの怪我によって、バンドが一度リセットされたという意味では、必要な試練だったのかもしれないですね。

ニール:そのとおりだね。僕自身にとっても「セカンドチャンス」が来たような気持ちだった。不思議なもので、すべての出来事は、それなりの理由があって起きるような気がするよ。それがネガティブなことかどうかは、その人の捉え方次第っていうかね。

ニール・プリムローズ

―以降は順風満帆、というわけにもいかなかったんですよね。

フラン:うん。5枚目の『The Boy With No Name』(2007年)を出した頃も大変だった。『12 Memories』のあとのツアーがものすごく長くてハードでさ。家族が恋しくてたまらなくなったし、メンバーの顔を見るのもうんざりになってしまってね。もう燃料切れの状態になっていたんだよ。それで、一度距離を置こうということになって、3年くらい口をきかなかったんだ。

―3年も?

フラン:そう。でも、それまで10年以上もずっと一緒だったから、必要な冷却期間だったんだよ。もしかしたら解散もあり得るんじゃないかなと思いながら、先のことは何も決めず充電期間に入ったんだ。その時間があったからこそ、久しぶりに集まって音を合わせたときに、「ああ、やっぱりこのバンドって最高だね」ってお互いに確認しあえた。とても重要な期間だったと思う。

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リリース情報

Travis『Everything At Once』初回限定日本盤
Travis
『Everything At Once』初回限定日本盤(CD+DVD)

2016年4月29日(金)発売
価格:3,564円(税込)
HSU-12062/3

[CD]
1. What Will Come
2. Magnificent Time
3. Radio Song
4. Paralysed
5. Animals
6. Everything At Once
7. 3 Miles High
8. All Of The Places
9. Idlewild
10. Strangers On A Train
11. Sing (live)(ボーナストラック)
12. Closer (live)(ボーナストラック)
[DVD]
・フラン・ヒーリィが監督したアルバム収録曲に合わせた映像(合計約30分)を収録

リリース情報

{作品名など}
Travis
『Everything At Once』日本盤(CD)

2016年4月29日(金)発売
価格:2,592円(税込)
HSU-12060

1. What Will Come
2. Magnificent Time
3. Radio Song
4. Paralysed
5. Animals
6. Everything At Once
7. 3 Miles High
8. All Of The Places
9. Idlewild
10. Strangers On A Train
11. Sing (live)(ボーナストラック)
12. Closer (live)(ボーナストラック)

プロフィール

Travis
Travis(とらゔぃす)

フラン・ヒーリィ(Vo)、アンディー・ダンロップ(Gt)、ダギー・ペイン(Ba)、ニール・プリムローズ(Dr)による、スコットランドはグラスゴー出身、RadioheadやOasis、Coldplayと並び英国を代表するロックバンド。1997年『Good Feeling』でアルバムデビューを果たすと、99年ナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎えた2ndアルバム『The Man Who』をリリース。この作品が全英チャートの1位を獲得し、全世界で約400万枚のセールスを記録。3rdアルバム『The Invisible Band』(2001年)は全英チャート初登場1位、全世界で約300万枚を売り上げUKトップ・バンドとしての地位を確実なものとした。2015年11月に突如新曲“Everything At Once”のミュージックビデオを公開し、新作アルバムへ向けて動きだしていた。2016年7月10日に開催された『Hostess Club presents Sunday Special』にてヘッドライナーとして出演。『FUJI ROCK FESTIVAL '16』での再来日も決定している。

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