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デビュー20年のTravisに学ぶ、良好な人間関係を持続させる秘訣

デビュー20年のTravisに学ぶ、良好な人間関係を持続させる秘訣

Travis『Everything At Once』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:森山将人 編集:山元翔一
2016/04/28

ライブは、観客とのコミュニケーションがあってこそ成り立つもの。Travisのライブではみんなに歌ってほしい。音楽にはみんなを一つにする力がある。(ダギー)

―8枚目となる新作『Everything At Once』は、前作『Where You Stand』の延長線上にあるようなテイストで、非常にポップでカラフルな楽曲が並んでいます。そのあたりは意識していますか?

アンディー:前作からプロデューサーがマイケル・イルバートになったことも大きいと思う。彼はテイラー・スウィフトやケイティ・ペリーを手がけて、グラミー賞をとったこともある人物だからね。

フラン:「ポップスとは何たるか」を熟知している彼と、共にアレンジを構築していったのがかなり大きな影響を与えていると思う。それと、前作を作り終えてシングル曲をラジオへ持って行ったとき、「曲が長いから」といってラジオ用に短くエディットされることが多かったんだ。だったら最初から3分以内の楽曲に仕上げようと思ってね。曲がギュッとコンパクトになった分、エッセンスが凝縮されてよりポップに感じるようになった部分もあるんじゃないかな。

ダギー:“Magnificent Time”はすごくポップだし、かと思えば“Idlewild”はすごくダークで、その対比も面白い。あと、これは作ったあとに気がついたのだけど、“Paralysed”“Animals”“Everything At Once”“3 Miles High”の4曲は、スマートフォンやSNSによって人と人とのコミュニケーションが空虚になってしまったことを歌ってるんだ。クラウドではつながっていても、心はつながっていない。自分の理想の人生を演出して、それをお互いにシェアしあってるけど、実際はどうなの? っていう。本能的に人が求めているコミュニケーションっていうのは、もっと別のところにあるように思うんだ。

ダギー・ペイン

―そういう意味では、ずっとライブを大切にしてきたTravisは、オーディエンスと「リアルなつながり=コミュニケーション」をしてきたバンドですよね。

ニール:うん、そのとおりだ。昨日のライブでも、例えば“Magnificent Time”ではみんなで振り付けをしたりしてものすごく盛り上がった。日本のオーディエンスも、以前よりもどんどん変わってきていると思う。曲と曲の静寂も、前より少なくなったしさ(笑)。

ダギー:ライブっていうのは、オーディエンスとのコミュニケーションがあってこそ成り立つもので、そうじゃなかったらサウンドチェックと変わらなくなってしまうよね。シンガロングも大切な要素で、1人で歌うのは恥ずかしくても、みんなで歌うと楽しいだろ? だからTravisのライブではみんなに歌ってほしい。音楽にはみんなを一つにする力がある。だから宗教なんかも、音楽を取り入てるわけだよね、ゴスペルとかさ。みんなで一つになったり、リアルなコミュニケーションを築いたりするうえで、音楽はすごく重要なツールだと思うよ。

―この20年、Travisはアルバムごとに変化してきましたが、常にその中心にあるのはフランの歌声と、強い楽曲だと思うんですね。その作り方に変化はありましたか?

フラン:いや、そこは全然変わっていないね。僕が思うに、曲作りには何か特別な技術が必要なわけじゃない。何が必要かというと、ひたすら曲を書き続ける忍耐力。小手先で書くものではなく、メロディーの鉱脈を探し当てるまで、とにかく掘り続けることが大事なんだよ。曲そのものは、おそらく誰でも作れるものだ。ただ、その鉱脈を探し当てるまでが大変だから、みんな途中で諦めてしまう。そこをやり続けた人だけが「強い楽曲」に到達できるんだと思う。

ダギー:掘って掘って、掘りまくってようやく見つけたほんの数秒のメロディーが、何年も何十年も人々の心に残るんだから、こんなに楽しいことはないよね。僕は16歳でギターを始めた頃から曲を作っていて、最初はただただ作るのが楽しかった。でも、歳を重ねていくごとに耳も肥えてくるから、鉱脈だと思ったものが単なる石だったってこともある(笑)。それを根気強くふるいにかけて、本当の鉱脈を見つけるまで掘り進み、見つけたらそれに食らいつく感じで作っているよ。

―作り続けることで、楽曲は洗練されていくと自分でも感じるものですか?

フラン:曲作りには、2つの側面がある。1つは、いま言ったように鉱脈を掘り続けること。これは心で作るものなんだよね。もう1つは、掘り当てた鉱脈をいかに飾りつけ、効果的に響かせるかといったアレンジの部分で、これは頭で考えて行なうテクニカルな作業だ。その部分は、作り続けることによって洗練されていっていると思う。

―曲作りのときに、音楽以外のものからインスパイアされることもありますか?

フラン:どちらかというと音楽よりも、映画を見ることでインスピレーションが湧いてくることは多い。この1年の間に見た映画の中では『ヴィクトリア』(日本公開は5月)というドイツ映画からもっとも刺激を受けた。140分、ワンカットで撮ってるんだよ! ありえないよね(笑)。あと最近は、アルゼンチンの映画にハマってる。面白い作品がどんどん生まれているんだ。それと、2014年の2月に黒澤明のBOXセットを手に入れて、『生きる』を観たときはぶっ飛んだね。クロサワは本当に、時代を先取っていた人物だと思う。彼の映画を通して見る日本の風景って、いまの日本とはまったく違うじゃない? それも面白いよ。モノクロだったり、人間味あふれる描写だったり、とにかく刺激的なんだよね。エッジーだしパンキッシュだ(しばし、メンバーと『生きる』がいかに素晴らしいかを語り合う)。

17歳くらいの頃のまま、関係がずっと続いている感じ。ふるまいは大人になったとは思うんだけど、中身は何も変わってない。(ニール)

―それにしてもみなさん、本当に仲がいいですよね。

アンディー:僕ら、バンドを始める前から友達同士だったというのがまず大きいよね。

ダギー:僕とニールは同じ靴屋でバイトしてたし、アンディーとフランとはアートスクールの同級生だった。バンドって、組んでから仲良くなるパターンがほとんどだと思うけど、僕らはまず友人同士だったからこそ、ずっと続けてこられたんだと思う。

ニール:ほんと、17歳くらいの頃のまま、関係がずっと続いている感じだよ。多少、ふるまいは大人になったとは思うんだけど、中身は何も変わってない(笑)。

Travis

アンディー:今は家族同然と思うくらい近い存在だよね。

フラン:そういうことって、ステージを見ているオーディエンスにも伝わると思うんだ。「この人たち、仲が良さそうでいいなあ」ってね。メンバー同士の仲の良さが垣間見えるバンドって少ないと思うんだ。個人的にはThe Rolling Stonesはそうだと思う。彼らはあれだけ長くやっていて、だからこそなのか、すごくリラックスしてプレイしている様子が伝わってくるよね。

ダギー:彼らは50年以上活動しているけど、これから20年先のことなんて想像もつかないし、今できることを精一杯やっていくしかないと思う。そうやって続けた先に、僕らもストーンズみたいになれてたらいいなって思うよ。

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リリース情報

Travis『Everything At Once』初回限定日本盤
Travis
『Everything At Once』初回限定日本盤(CD+DVD)

2016年4月29日(金)発売
価格:3,564円(税込)
HSU-12062/3

[CD]
1. What Will Come
2. Magnificent Time
3. Radio Song
4. Paralysed
5. Animals
6. Everything At Once
7. 3 Miles High
8. All Of The Places
9. Idlewild
10. Strangers On A Train
11. Sing (live)(ボーナストラック)
12. Closer (live)(ボーナストラック)
[DVD]
・フラン・ヒーリィが監督したアルバム収録曲に合わせた映像(合計約30分)を収録

リリース情報

{作品名など}
Travis
『Everything At Once』日本盤(CD)

2016年4月29日(金)発売
価格:2,592円(税込)
HSU-12060

1. What Will Come
2. Magnificent Time
3. Radio Song
4. Paralysed
5. Animals
6. Everything At Once
7. 3 Miles High
8. All Of The Places
9. Idlewild
10. Strangers On A Train
11. Sing (live)(ボーナストラック)
12. Closer (live)(ボーナストラック)

プロフィール

Travis
Travis(とらゔぃす)

フラン・ヒーリィ(Vo)、アンディー・ダンロップ(Gt)、ダギー・ペイン(Ba)、ニール・プリムローズ(Dr)による、スコットランドはグラスゴー出身、RadioheadやOasis、Coldplayと並び英国を代表するロックバンド。1997年『Good Feeling』でアルバムデビューを果たすと、99年ナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎えた2ndアルバム『The Man Who』をリリース。この作品が全英チャートの1位を獲得し、全世界で約400万枚のセールスを記録。3rdアルバム『The Invisible Band』(2001年)は全英チャート初登場1位、全世界で約300万枚を売り上げUKトップ・バンドとしての地位を確実なものとした。2015年11月に突如新曲“Everything At Once”のミュージックビデオを公開し、新作アルバムへ向けて動きだしていた。2016年7月10日に開催された『Hostess Club presents Sunday Special』にてヘッドライナーとして出演。『FUJI ROCK FESTIVAL '16』での再来日も決定している。

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